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花と人をコミュニティのように繋ぐ。新宿・ew.note 部屋に飾りたい花 vol.016
2022年08月03日
by 煎茶堂東京編集部
「お茶を飲む空間を整える」。例えば茶道でも、客人へのおもてなしとして茶室内の掛け軸や器にこだわることがあります。自分の部屋を少しでも素敵にしたい時に、やっぱり手軽なのはお花を飾ること。
今回は、デザイナー、映像・写真のプロップスタイリストとして活動するYUMI KUROTANIさんがお気に入りのお花屋さんと、今部屋に飾りたいお花、そしてお花に合わせて飲みたいお茶をご紹介します。
NEWoMan新宿「ew.note」
フラワークリエイターの篠崎恵美さんが主催する「edenworks」が、「花と人をコミュニティのように繋ぐこと」を目指して、NEWoMan新宿に出店したフラワーショップ「ew.note」。
ロゴをデザインされたADの土田あゆみさんとお会いしたことがあり、ローンチしたときから気になっていました。ブーケワークショップに参加したり、近くに来るとなんだか立ち寄りたくなる素敵なお店です。
リズミカルな曲線で構成されたグレーの什器に彩り豊かな花がディスプレイされています。床にはブランドカラーのブルーが使われ、多彩な花々が置かれる店舗でもブランドの印象が記憶に残るようデザインされているように感じます。
店内には生花の他にも綺麗なドライフラワーが。元気のなくなった廃棄されてしまう花が高い乾燥技術によって綺麗な新商品に生まれ変わり、フラワーロスを削減されているそうです。そんな作り手の想いを知ると、より目の前の花へ愛着が湧いてきます。
ドライフラワーにも惹かれつつ、夏のムードに合うトロピカルなイメージで2種類の美しい蘭を選びました。
グリーンからオレンジのグラデーションが鮮やかな小さな蘭と、儚く優しいピンクの蘭。どこで咲いていたんだろう、と想いを馳せながら大切に持って帰ります。
オリエンタルな香りの「017 藤枝かおり」と。
2種類の蘭と合わせたのは、紅茶品種と緑茶品種がブレンドされたお茶「017 藤枝かおり」。茶葉が開いていく様も美しい。時間をかけて静かにふんわりと開いていくのを眺めます。
水色は透明感のある淡い黄金色。傾いてきた午後の日差しに水色が重なり、見ているだけで気持ちがリラックスしていくのが分かります。
「017 藤枝かおり」は、ハーブティーのような香りです。イメージしていた緑茶の香りと全く異なり、ジャスミンの香りもたおやかに広がる、絶妙に研究し尽くされた新しい煎茶です。
美しい蘭の色、お茶の香りが季節の訪れを知らせてくれます。その色づきやその時にしかない気配を感じ取れる感性は私たち日本人独自の文化かもしれません。変わりゆく儚さを尊く思い、流動的な自然に美しさを感じます。
お茶を注いだ器はオイバ・トイッカがデザインしたフローラシリーズの脚付グラス。私が初めて買ったヴィンテージグラスです。花と植物が浮き上がったデザインがアイスグリーンティーにぴったり。夏の西日が氷を溶かし始めます。
気が付けば、一気に夏本番。
夕暮れどきに涼しげな風が通り過ぎ、いづれ終わる夏を惜しむように蝉の声がどこか切なく響いています。
今回で最後のコラムになります。私にとって「部屋に飾りたい花」の連載は、季節の光に包まれて、たくさんのお茶と花、そしてヒトに出逢い、なんとも甘くかけがえのないひとときでした。
お茶と花の見た目。そして目に見えない感覚的なもの。美しさ、尊さ、儚く移り変わる切なさ。一杯のお茶を飲みながら、窓から抜ける風と漂う花の香りを感じて、季節のちょっとした変化に目を向けてみる、そんなひとときを感じていただけたら嬉しいです。
今回選んだお茶
NEWoman新宿「ew.note」
所在地 | 〒160-0022 東京都新宿区新宿4丁目1−6 NEWoMan新宿 2F |
電話番号 | 03-5315-0444 |
営業時間 | 11:00-21:00 |
URL | https://www.instagram.com/ew_note |
デザイナー・プロップスタイリスト
YUMI KUROTANIさん
多摩美術大学環境デザイン学科インテリアデザイン専攻卒業。在学中にフィンランドへ留学、アールト大学芸術デザイン学部ファニチャーデザイン・テキスタイルデザイン専攻。現在はVMD・ウィンドーディスプレーなどのデザイナーとして資生堂に在籍。その傍ら、映像や写真のプロップスタイリストとしても活動している。Instagram:@yumi.kurotani |
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