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【試飲茶会】2022年1月販売のシングルオリジン煎茶2種を飲み比べしてみました!
2022年01月12日
by 小野寺友麻
東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。
煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は50種類以上。(2022年1月時点)その中でも、通年販売している茶葉と、期間を限定して販売している茶葉があります。
今回は、2022年1月から販売を開始するシングルオリジン煎茶2種をご紹介!
煎茶堂東京 銀座店・ティーコンシェルジュ・古川と、東京茶寮・バリスタ・小野寺が2種を試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。
「たくさん種類があるけどどんな味なの?」「どう違うの?」「私が好きなお茶はどういうもの?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。
ご紹介するお茶
・009 おくひかり(静岡県産) 販売時期1月〜2月
特徴:透き通るような水色の浅蒸し茶。スッキリとした飽きのこない味わい。
・037 つゆひかり 大山(鳥取県産) 販売時期1月〜2月
特徴:煎を重ねる度に楽しめる深蒸し茶。一煎目はまろやかに、二煎目は力強く変化します。
小野寺:
「古川さん、2022年になってしまいました…!本年もよろしくお願いいたします。」
古川:
「よろしくお願いいたします。」
小野寺:
「ということで、年明け第1回目の試飲茶会を始めていきたいと思います。」
古川:
「今月はどんなお茶入ってきますか?」
小野寺:
「1月は、静岡県と鳥取県のお茶がそれぞれ一種類ずつ登場します。」
古川:
「『009 おくひかり』と『037 つゆひかり 大山』ですね。久しぶりの鳥取県のお茶、楽しみです。どちらから淹れていきましょうか?」
小野寺:
「『009 おくひかり』からいきましょう。味わいが繊細なイメージがあるので、先にいただきたいです。」
フレッシュな香りに包まれる山のお茶「009 おくひかり」
「009 おくひかり」どんなお茶?
ドライの状態の茶葉は柑橘系のピチピチとした香り。透明感のある磨かれた味わいが何度も飲みたくなる。味わいはもちろん、茶葉にお湯を注いだ直後から立ち上る香りが堪らない。浅蒸し茶ファン必見の一杯。
小野寺:
「おくひかりは浅蒸し茶です。早速茶葉4gを計っていますが、既に茶葉が開く様子が楽しみです。」
古川:
「茶葉がまさに針のようですね……。さ、お湯を注いでみましょう。」
古川:
「このお茶も久しぶりですね。実は、おくひかりの農家さんのところに伺ったことがあります。」
小野寺:
「そうなのですね!川根はどんなところでしたか?」
古川:
「もの凄く山奥でした。そして、あの時は3月下旬だったのですが、桜が非常に綺麗な時期でした。川根以外にもいくつかの茶園に伺うスケジュールで移動距離も結構あったのですが、景色がず〜っと素晴らしかったのを覚えています。」
小野寺:
「3月下旬だとお茶の収穫はまだですね。」
古川:
「そうですね。寒さもまだまだ残る頃で、ほんの少し暖かく感じる瞬間もありました。」
小野寺:
「寒暖差!美味しいお茶の育成に大切なキーワードですよね。」
小野寺:
「あぁ、お湯の中をたゆたう茶葉に癒されます。」
古川:
「香りが立ち上ってきますね。」
小野寺:
「では一煎目が入りましたよ。今回も基本のレシピで、茶葉4g、70℃のお湯を120㎖注いで1分20秒で淹れました。」
古川:
「透き通るような水色です。いただきます。」
小野寺:
「圧倒的に言葉が足りないのは承知なのですが、これぞ浅蒸し茶!という味わいです。スッキリとしながら、味わい深いです。」
古川:
「あ〜美味しい。そして何より温まりますね。」
小野寺:
「そうですね。味わうというよりも、淹れているときや口に含んだ瞬間に香りに包まれるような、そんなお茶です。」
小野寺:
「古川さんはどんな香りを感じますか?古川さんの嗅覚と独特な表現が毎回密かな楽しみなのです。」
古川:
「そうなのですね(笑)。それでは、一煎目を飲んだカップをクンクン…。なんだか少し、わたあめを思わせる少し甘い香りを感じます。」
小野寺:
「わたあめ…!『025 Z1』を思い出しますね。あのお茶もわたあめと表現されていて、静岡県産でしたよね。それにしても、”柑橘系のピチピチとした香り”と表現される乾燥した茶葉と、お湯をさした後の茶葉の香りも違うんですよね。」
古川:
「面白いですよね。そして、やっぱり茶葉がきれいですね。」
小野寺:
「本当に美しい。浅蒸し茶ファンのみなさんには、見逃して欲しくないお茶です。味わいも王道の浅蒸しらしく、甘み・旨み・苦み・渋みがどれも味わえる一杯ではないでしょうか。それにしてもずっと飲んでいられますね。」
古川:
「飽きがこないですよね。」
小野寺:
「おくひかりはいつ飲みたいお茶ですか?朝、シャキッと起きたいときでしょうか。」
古川:
「私はデイリーに、いつでも。できれば持ち歩きたいですね。」
小野寺:
「今は寒さが厳しいですが、お水出しでも美味しいですもんね!そしておくひかりは、お菓子と合わせるのももちろん良いのですが、贅沢にも単体で楽しみたいと思わせてくれるお茶です。」
古川:
「そうですね。お菓子と合わせるなら、金平糖はどうでしょうか。」
小野寺:
「すごく共感します。おくひかり、味わいは繊細なのですが、飲むたびに発見がある気がするのです…。」
「009 おくひかり」の味わいノート
・茶葉がまさに針のよう。透き通るような水色。(古川)
・これぞ浅蒸し茶!味わいはスッキリ。淹れているときから香りに包まれる(小野寺)
・浅蒸し茶が好きな方、必見。甘・旨・苦・渋がバランス良く感じられる。(小野寺)
・飽きのこない味わい。デイリーに飲みたい一杯。(古川)
煎を重ねて味わえる。鳥取県産「037 つゆひかり 大山」
「037 つゆひかり 大山」どんなお茶?
大人しい一煎目に対して二煎目で抹茶のような香りと口当たりに変身する。昨年度と異なり太い仕上がり。つゆひかり特有の水色の鮮やかさと、まろやかな味わいにうっとりします。
小野寺:
「つゆひかりという品種ですが、煎茶堂東京での取り扱いは3種類目でしょうか。『032 つゆひかり 頴娃』『055 つゆひかり 武雄』そして今回の『037 つゆひかり 大山』ですね。」
古川:
「産地もそうですが、収穫の年度によっても味わいが変わるのもシングルオリジン煎茶の魅力ですよね。この大山のお茶は初年度、”ミルクティーのよう”と表現されていました。」
小野寺:
「そうでしたよね。年度が変わって、今回の『037 つゆひかり 大山』は芯が太くどっしりとした印象になりました。今日も飲むのが久しぶりなので、どんな印象を与えてくれるのか楽しみです。」
古川:
「鳥取という産地も珍しいです。煎茶堂東京でも唯一の取り扱いですね。」
小野寺:
「そうですね。鳥取の深蒸し茶ですね。こちらも基本のレシピで、一煎目を注いでいきます。」
古川:
「お。一煎目から水色が出てきますね。」
古川:
「いただきます。うわ〜、一煎目はミルクティーのような柔らかな甘みを感じますが、いかがですか?」
小野寺:
「最初に来るまろやかさが堪らないです。とろ〜っとしていますね。」
古川:
「一煎目のカップの香りを嗅いだら、焼き芋のような、ほっくりした印象も感じました。」
小野寺:
「香りが甘いですね。口の中に緑が生い茂っている感じもします。」
古川:
「少しキャラメルのような甘さもあるかもしれません。」
小野寺:
「感覚が全然違うのが面白いです。それにしても最初に口にしたときの旨みのインパクトがありますね。」
小野寺:
「二煎目の水色も鮮やかな緑が美しいです。そして、二煎目は余韻が長いです。飲み終えてからもお茶が漂っている感じがします。」
古川:
「一煎目と二煎目で印象が変わるのが面白いですね。」
小野寺:
「そうですね。一煎目は言わずもがなの旨み、二煎目は苦みもプラスされて力強い味わいに。青々しさが抹茶を思わせているかもしれませんね。」
古川:
「今月のお茶も個性が全く違うので好みが分かれそうですね。つゆひかりの飲み比べも楽しめそう。」
小野寺:
「私はおくひかり派です。店舗でもこの組み合わせで試飲していただきたいですね。みなさんとどちらがお好きですか?なんてお話をしたいです。茶葉の様子も見事に対照的ですよ!」
古川:
「本当ですね。細かさが全然違います。私はつゆひかり派です。」
小野寺:
「そしてつゆひかりは、味わいがしっかりしているので玄米茶も合いますね。」
古川:
「いいですね。でもそのまま味わいたいです。」
小野寺:
「今年もまた色んなお茶と出会いたいですね。同じお茶でも飲むタイミングはもちろん、昨年の自分の感覚とも同じではないと思うので、その時に感じるものを大切に過ごしていきたいです。」
古川:
「そうですね。今年も色々なお茶を楽しみましょう。本年もよろしくお願いいたします。」
「037 つゆひかり 大山」の味わいノート
・一煎目から緑鮮やかな水色を楽しめる。(古川)
・とろ〜っと、最初に来るまろやかさが堪らない。(小野寺)
・一煎目と二煎目で印象が変わる。二煎目は余韻が長い。(小野寺)
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