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長くて短い日本茶の歴史。抹茶と煎茶のルーツと発展を辿る

2020年02月07日

by 煎茶堂東京編集部

現在、私たちが日常的に飲んでいるお茶。その起源はどのようになっているのでしょうか。実は日本でのお茶の歴史はとても長いと同時に、いまのスタイルとなってからは意外にも短いものです。 では、日本でお茶が飲まれるようになったのはいつでしょうか。 お茶が飲まれるようになったのはなぜでしょうか。 日本でお茶を最初に植えたのは誰なのでしょうか。 ここでは、抹茶と煎茶のの歴史をまとめて紐解いていきたいと思います。

茶は中国から持ち込まれた

日本での茶の歴史は、奈良〜平安時代初期に中国から持ち込まれたことから始まります。

茶は中国が原産地といわれ、中国で飲み物として発展してきた経緯があります。そんななか、当時の日本は先進国であった唐(中国)の文化や学問・制度などを学んで自国へ取り込もうという風潮で、遣唐使を唐に派遣し、現地で仏教を学ぶ留学僧もいました。

唐で仏教や文化などを学ぶ中で、彼らは茶の存在を知り、現在の嗜好品としての茶に繋がりますが、当時の唐では茶を薬として服用していたようです。

唐の先進文化の一つとして取り入れるため、茶も仏教とともに遣唐使・留学僧の手によって日本へ伝来しました。ちなみに茶は日本に自生していたという説もありますが、現段階では有力な説ではないとみられています。



茶が中国から伝来した時期については、奈良時代に伝わったという説と平安時代の初期に伝わったという説があります。しかしこの説は解明されていない部分が残されており、一般的には平安時代初期に伝来した説が有力視されています。

805年に唐へわたっていた天台宗開祖の最澄らが帰国し、このとき最澄の手によって茶の種が日本に伝えられたと言われているのです。

日吉大社(滋賀県大津市)に伝わる、安土桃山時代にまとめられた言い伝え集『日吉社神道秘密記』には、最澄が805年(延暦24年)に唐より茶の種を持ち帰ったこと、そして比叡山のふもと(現在の滋賀県大津市坂本地区)に植えて栽培したことが記録されています。なんとこの茶畑は現在も坂本地区に「日吉茶園」として残されているのです。



また、文献に残る最古の茶の記述は、平安時代初期の815年(弘仁6年)に編纂された『日本後記(にほんこうき)』で、嵯峨天皇が近江国の梵釈寺で大僧都(だいそうず)の永忠(えいちゅう)により茶が煎じられてふるまわれた旨が記されています。この後、嵯峨天皇は茶の栽培を命じて、上流階級の行事で茶が出されたそうです。

茶は伝来した当初、どのように飲まれていた?

唐で茶が薬として服用されていたように、当時の日本でも滋養強壮・体調不良回復のために飲まれていました。ちょうど今でいう健康食品・健康飲料のような感覚だったのではないでしょうか。



また、当時の茶は現在のものと形式がちがい、団茶(だんちゃ)と呼ばれる、茶葉を蒸してすりつぶし固形状にして乾燥させたもので、飲むときは火であぶってから粉にして湯の中に入れて煮るものでした。



当時、茶はとても貴重であったため、皇族や有力僧侶、貴族階級などの上流階級の人しか飲むことができず、とても一般の人々が飲めるものではありませんでした。上流階級の間で健康のために飲まれるようになった茶は、一部にしか広まらず、遣唐使が廃止になったことで、日本に定着せずに一度茶の文化は廃れていってしまいました。文献にも『日本後紀』以降300年にわたり記載されていないことからもその衰退が伺えます。

再度、鎌倉時代に中国から持ち込まれ、宇治茶の起源に

一度廃れてしまった茶は、1191年(建久2年)に臨済宗開祖の栄西が修業先の宋(中国)から種として日本に持ち帰ります。宋の禅院では茶が盛んに飲まれており、栄西が茶の効能について感銘を受け、日本へ持ち帰ったといわれています。

また栄西は、茶の効能や飲み方を解説した書物『喫茶養生記』を編纂した人物になります。これは日本で初めての茶の専門書といわれており、栄西はこの書物を1214年(建暦3年)に鎌倉幕府将軍の源実朝が二日酔いのときに献上したと鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』に記録されています。



同時代に活躍した華厳宗の僧の明恵(みょうえ)は、栄西から茶の種をもらい、京都の栂尾(とがのお)にある高山寺に茶を植えて栽培を始めました。これは日本最古の茶園といわれており、現在の「宇治茶」の起源ともなっています。

その地にその言い伝えを記す石碑が今も残り、まさにその場所から品種として登録されたのが「こまかげ」です。明恵は栂尾のお茶を「本茶」と呼んで他の茶と差別化し、茶を飲むことを人々に奨励したとも言われております。

広がる茶の栽培と「抹茶」の誕生

鎌倉時代後期〜南北朝時代に様々なお寺が茶園をつくって茶を栽培するようになり、京都以外にも伊賀・伊勢・駿河・武蔵といった地域にも広がりました。

最初は禅寺を中心に喫茶の風習が広がり、次第に武士にも普及しました。武士たちの社交に利用され、お茶を飲み比べて産地を当てる「闘茶」という遊びも生まれ、現在に形を残しています。



この時代に宋から持ち帰り広まった茶は、碾茶(てんちゃ)や挽茶(ひきちゃ)と呼ばれるもので、茶葉を粉末状にし、湯に溶かして飲む、現在の抹茶のようなものでした。

健康目的で飲まれることが多く、まだ嗜好品として飲むことは少なかったとされています。室町時代や安土桃山時代には、足利義満、豊臣秀吉らが宇治茶を庇護し、武家の間での嗜好品として茶が普及していき、村田珠光、武野紹鴎、千利休らにより茶の湯(茶道)が生じ、完成されていきます。

江戸時代に日本独自の製法として「煎茶」が誕生する

江戸時代になると茶は幕府の儀礼に正式に用いられて、武家と茶の湯は切っても切れない関係となっていきました。

このころ庶民の間にも嗜好品としての茶の文化が広まってきています。このときから庶民が飲んでいたお茶は、茶葉を煎じたもので、現代でいう煎茶(せんちゃ)でした。



また、1738年(元文3年)に宇治の農民、永谷宗円(ながたに そうえん)により新たな製茶法が編み出されました。それまで茶色をしていた煎茶が、新たな製法により鮮やかな緑色の水色を出すことができるようになったのです。

この新たな製茶法は「青製煎茶製法」と呼ばれ、全国に急速に広まり、日本における茶のスタンダードとなりました。そのため現代では永谷宗円が「煎茶の祖」と呼ばれています。さらに1835年(天保6年)には、現在も残るお茶製造会社である山本山の6代目、山本嘉兵衛(やまもと かへえ)が玉露の製茶法を考案し、煎じて飲む茶は広まっていくのでした。

茶の取引も活発化し、一大産地の宇治と江戸との間で取引が行わるようになります。このときに茶の取引は許可制となり、独自の市場が生まれました。



江戸時代は茶が庶民に広まったといっても、まだまだ贅沢品という位置付けで、現在のように茶が日常的に飲まれるようになったのは、機械化により量産が可能になった大正から昭和前期の時代でした。輸出により拡大した茶の生産量を背景に、外需が落ち込んだ後、全国に茶の小売店が急速に展開されるようになった経緯は別の記事で触れたいと思います。

茶は中国から伝来し、茶の湯や煎茶として日本独自の発展をしてきた

日本の茶の起源は、平安時代初期に唐時代の中国から最澄ら留学僧や遣唐使によって日本に持ち込まれて栽培が開始されたものでしたが、あえなく衰退してしまいました。そして当時の茶は、現在私たちが「日本茶」として親しんでいるものとはまったく異なるものでした。

今の日本茶の実質的な起源は、鎌倉時代に宋時代の中国から栄西が持ち帰り、明恵が茶園をつくって栽培した粉末状の茶「抹茶」であり、私たちが日常的によく飲んでいる「煎茶」は、江戸時代にそれまでの茶の製法が劇的に変化し、改良されてできたものということになります。



このように茶の起源は平安時代にさかのぼるものの、日本茶・煎茶という観点でみれば、その起源は鎌倉時代や江戸時代の日本で発祥したのです。

一般的な家庭の中に急須や煎茶が普及したのはさらにそのあとになり、大正から昭和前期の近現代という事実も非常に興味深いことです。



茶の歴史は古く、中国から入ってきた茶は日本の文化に合わせて独自の発展を遂げています。

また、茶はその時代の仏教や武家社会からの影響を色濃く受けて変化してきたものであるといえます。そのルーツには、最澄、栄西、明恵、千利休、永谷宗円、山本嘉兵衛といった茶の発展のキーパーソンの存在が浮き上がってきます。

現在、嗜好品として日常的に飲まれている茶には、このような長い歴史が脈々と受け継がれているのです。

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TOKYO TEA JOURNAL
智美 西田

読み物もお茶も月に一度のとてもよい楽しみになります。緑茶以外もまぜてもらえるのもいいですね。梱包もコンパクトでポストインもありがたいです。

TOKYO TEA JOURNAL
俊晴 小原
意表をつく冊子

お茶とセットで届く冊子は、お茶に合う食事やお菓子を解説……してくれるのですが、その内容が「え、そこ?」となるラインナップです。
今回はしらす丼やカモミールなど、確かに旬を感じる一品が並びますが、定番をズラしたセレクションになっているところが面白いです。全国あちこちの季節を感じさせてくれるので、飛行機の機内誌のような雰囲気も感じます。

個人的な要望としては、煎茶堂東京さんは日本茶の専門店ゆえに難しいところもあるかと思いますが、最近、ブームになりつつある和紅茶のセレクションがどうなるのかに興味があります。どうかご一考を!

気に入っています

お茶が大好きで、こちらのお店とご縁がありとっても嬉しいです。冊子は読む度にほっこりします。お茶とお菓子、器の使い方も学べて、実践はなかなか難しいですが、自分流にアレンジしながら自分時間を楽しんでいます。

TOKYO TEA JOURNAL
明子 長縄
BENIFUKI 烏龍茶

たいへん香りがよく深い味わい。
柏餅の餡にも合い、何煎でも飲みたくなるお茶でした。

毎月楽しみです

色々な日本のお茶を楽しむ事ができ、毎月楽しみです。
付録の読み物も読んでいてとても癒されます。

ちょうどいい

毎回違うお茶が届くのが嬉しい。定期便としての金額もちょうどいい。冊子の情報量もちょうどいい。トータルでちょうどいいのが好きです。

愛用してます

1ヶ月使用してみた感想です。
普段使いにほぼ毎日使用しています。
カレーやガパオライス、オムライスなどスプーンを使った食事の時は、かえしがあるので最後まで綺麗にお米がすくえるのが良いです。程よい深さがあるので、汁気のあるおかずをのせても安心です。
厚めでしっかりした器ですので、安心感があり普段使いにとても使いやすいです。
ただ、画像では分からなかったのですが、灰釉薬の盛りあがった模様?みたいなのがあり、個体差があります。(曲線だったり、ダラダラと流れるように付いていたり)気にされる方は注意が必要です。

香りが立ち、口当たりがよいです

白磁が美しく、形もシンプルで無駄がなく美しいです。
特筆は2つあり、唇をあてた時の器の触り感がとてもよいこと、もうひとつは形状と素材から香りがよく立つことです。
はじめ自分用に1つ購入したのですが、ゲストにも体感させたく2つ追加で購入しました。

038 YAMANO IBUKI 山の息吹
まゆみ 若松

香りとコクが気に入り何度も購入しています

新茶の味

とてもフレッシュな香りが、パッケージを開けた瞬間から漂っていました。
目にも鮮やかなグリーンと甘みのある美味しい味でとても堪能しております。

娘の出産(前)祝いにプレゼント

娘は、ベビーの肌着やお世話セットなどを入れて、生まれる日を楽しみにしています。
子供には本物をというわたしの願いにも、ぴったりな品でした。いつの日か、お孫ちゃんが手に取って遊んでくれるかな。大切なものをしまってくれるかな。おままごとの主役になったりして。素敵な角物に出会えたおかげで、これからワクワクが続きそうです。

透明急須 二級品
晶子 江口

何も問題がなくとても使いやすいです

友人母へのギフト

友人からのコメントです。
「ハイセンスなギフトで母の趣味ど真ん中だったようで、とても喜んでいました🎁✨」

遠方に住む義母に贈り、とても喜んでもらえました。

058 HARUMIDORI はるみどり
けい さいとう
旨味がすごい!

低温でゆっくりいれるとびっくりするくらい旨味が出てきます。

まろやか

低温で淹れるとまろやかでそっと甘い一煎目が飲めます!これが最近の朝の楽しみです♪

桃の香りと薔薇の花びらで幸せ

母の日用ですが、自分用に。桃の良い香りと薔薇の花びらで鼻も目も幸せいっぱいです。バンダナに使えそうなハンカチも可愛いし、自分用に買って大正解でした!

美しくてワクワク

デスクの上のごちゃごちゃしたものを仕舞いたくて購入しました。とても美しいうえに、蓋の開け閉めにはストレスが全くなく、サイズの微妙なズレなどもありませんでした。おにぎりやサンドイッチもいいなぁと色々想像が膨らんでいます。

最高です。

いつもこだわった商品を販売してくださり、大変感謝しております。他よりも早く今年も新茶が自宅に届きました。いつもより甘みが強く、爽やかな春の訪れを感じました。

かわいいし 使いやすいです

私はお菓子を入れるのに購入しました。まるで宝箱です😊好きなお菓子を詰め込みたいです。余ったスペースには紅茶のティーパックも入れました。いい気持ちです。

使い勝手のよい素敵な器

口に当たる部分が少し湾曲していて、口触り(?)が良いところ、透明急須一杯分がぴったり注げる大きさなところ、がとても気に入っています。
テラを購入しましたが、淡い水色のお茶やヨーグルトがよく合います。とても可愛らしくて、他の色も揃えたいです。
大事に使います!

とても贅沢な時間を過ごせました

お味も体験も、お値段以上の満足度です。

厚さがちょうど良く軽い。
とてもおしゃれ。

やっぱり良かった!

買うかどうか迷っているうちに、もう何年も経ってしましました。二級品があると知り、即購入しました。どこが二級品なのか分かりません。家族も気に入ったので追加購入するつもりです。

とても飲みやすい抹茶

点てやすく、味も飲みやすい抹茶です。