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芋栗かぼちゃと合わせたい。華やかな香りと濃厚な苦渋み『063 さやまかおり』【2024年10月試飲茶会】

2024年10月10日

by 小野寺友麻

東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。

煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は60種類以上(2024年10月時点)。その中でも、通年販売している茶葉と、期間を限定して販売している茶葉があります。

今回は、2024年10月から販売を開始するシングルオリジン煎茶をご紹介!
煎茶堂東京 銀座店ティーコンシェルジュ・四本と、東京茶寮バリスタ・小野寺が試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。

「たくさん種類があるけどどんな味なの?」「どう違うの?」「私が好きなお茶はどういうもの?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。

063 さやまかおり(静岡県産)

販売時期 10月〜11月
特徴 凝縮された濃厚な花香、それを支える太い味わい。品種の萎凋特性を素晴らしく引き出した逸品。

小野寺:
「おはようございます。気がつけば今年の試飲茶会ももう残りわずかですね」

四本:
「もう10月です。いよいよ暑さも和らいできて温かいお茶もさらに美味しくなる季節になりますね」

小野寺:
「今月はシングルオリジン煎茶3種類とブレンドティーも並びますよ」

四本:
「産地がいろいろです。静岡県、京都府、鹿児島県、ブレンドのベースは長崎県産と産地も異なります。秋冬に向けて楽しみが盛りだくさんです!」

華やかな萎凋香と重厚感のある苦渋み。「063 さやまかおり」

小野寺:
「『063 さやまかおり』は静岡県産のお茶です。今年で2年目、まだまだ新しい取り扱いです。和紅茶としても取り扱いがある品種で、萎凋香が特徴のお茶のひとつでしたね」

四本:
「収穫の年度は異なりますが、『レモングラスティー』のベースとしても使用しています。個人的にも好みのお茶なので今回も楽しみです」

一煎目の味わいや特徴

小野寺:
「茶葉は緑が鮮やかです。このお茶は和紅茶の印象もあるので、もっと茶色い印象で記憶していました。乾燥の状態だと香りはまだ強くはないです」

四本:
「少し茶葉はクリンとした形状です。お湯を注いでからの香りも楽しみですね。それでは淹れていきましょう。基本のレシピ、茶葉4gに70℃のお湯を注いで1分20秒待ちます」

小野寺:
「ムクムクと茶葉が開いていくのがわかりますが、ゆっくりと静かに開いていきます。このお茶とは出会って歴が浅いので、まだ新鮮さがありますね」

四本:
「華やかさと、青さの香りも出てきましたよ。この『さやまかおり』は『やぶきた』の自然交配から選抜して誕生した品種です」

小野寺:
「その名の通り、埼玉県狭山で生まれた品種で、埼玉では最も早く収穫される品種だそうです。埼玉はお茶の生産地域としては北の方に位置していますが、このお茶は寒さ耐性があるという強みもあります」

四本:
「このお茶は中蒸しですが、水色も程よく出ますね。香りは渋みも感じますが華やかで、青さも感じます。複雑ですね…そして初年度のときも思ったのですが、このお茶は焼き芋を感じます。ほんのり焼いた香りと言いますか、青さと華やかさと共に感じます」

小野寺:
「香りからも秋を感じますね。いただきます。…苦渋みをしっかり感じます。華やかさはもちろん、口に含んだ瞬間はまろやかさを感じますが、その後苦みがどっしりと来ます。最初はまろやかなので、次に甘さが来てもおかしくはないですが、良い意味で裏切られます」

四本:
「面白いですね。そして飲むほどに苦渋みが口の中に溜まっていきます。香りも味わいも、全体的な重たさも秋冬に飲みたくなるお茶かもしれませんね」

小野寺:
「完全にイメージですが、茶色オレンジ黄色と紅葉のようなそんな風景が思い浮かびます。そして改めてお洒落な味わいです」

二煎目の味わいや特徴

四本:
「二煎目は更に水色も出てきましたね。香りも良いですし、変わりましたね」

小野寺:
「花が咲いているかのような…一煎目の青さはほとんど無くなって華やかさが全面に出てきました。少しハーブ感もあるような」

四本:
「香りが濃厚ですね。引き続きほんのり焼き芋も感じます。そして二煎目もしっかり苦渋みがあります。味わいのインパクトと複雑さは一煎目の方がありました。二煎目の方がよりフラットに、染み渡ります」

小野寺:
「苦みも強すぎず、よりさっぱりしましたね。ジャスミンやユリ、ランとも違いますが、マリーゴールドのような小さめで個性的な香りの花の香りだと思います」

四本:
「一煎目の方が苦みを中心に余韻が長かったように感じます。二煎目の方が余韻は短め、スーッと消えていきます。口の中に馴染んでいくようです。二煎目は飲み終わりがむしろ甘く感じますね」

どんなペアリングが合う?

小野寺:
「一煎目と二煎目でだいぶ印象も変わりましたが、このお茶は何と合わせたらより楽しますかね?」

四本:
「一煎目はどちらかというとご飯系、サンドイッチなど洋風朝ごはんと一緒にいただきたかったです。バゲットなど固めのパンや、ベーグルも良いのでは」

小野寺:
「良いですね。口に中いっぱいに小麦の香りとお茶の華やかさを頬張りたいです。ベーグルはご飯系でも甘い系でも楽しめますね。王道にスモークサーモンもいいけれど、かぼちゃのサラダを挟んでいただきたいです!」

四本:
「さっき二煎目を飲んでいるとき、急にそうめんが食べたくなりましたが、10月なので芋栗かぼちゃは外せないですね。焼き芋ともぜひ合わせたいです。二煎目は特に甘いものとも良いと思います」

小野寺:
「味わいも香りもしっかりあるので、重ためのお菓子でも良いですね。イメージとしては洋菓子ですが、栗羊羹や栗最中など和菓子と合わせるのも良いと思います。少しモダンなこのお茶の玄米茶はどんな味わいになるでしょうか?」

四本:
「気のせいでしょうか…いつもより玄米の香りが甘いように感じます。でも味わいは三煎目もしっかり苦いです」

小野寺:
「比較的どのお茶でも三煎目に玄米を加えて淹れると玄米の香ばしさを強く感じますが、このお茶は違いますね。香りが甘いので、味わいとのギャップが面白いです。変化が楽しいですね」

四本:
「苦みの違いはありましたが、最後までしっかり苦みを味わえる一杯でした。三煎目は玄米に負けない主張が感じられます。香ばしさよりも華やかさを感じる程です。突然ですが、フライドポテトなど揚げ物とも美味しくなりそうです」

小野寺:
「良いですね。あんバターとか、じゃがバターならぬおさつバター(さつまいもとバター)も良いと思います。ちょこっと塩を振っても良いですね。そして『レモングラスティー』があれば飲み比べもしたいです」

四本:
「一煎目から三煎目も変化がありましたが、一煎目と二煎目を合わせてみたり、急速冷茶や水出しにしてみたり色々な表情を引き出してみるのが楽しそうなお茶ですね」

「063 さやまかおり」の味わいノート

・一煎目、苦渋みをしっかり感じる。口に含んだ瞬間はまろやかさを感じるが、その後苦みがどっしりと来る。飲むほどに苦渋みが口の中に溜まっていく
・二煎目もしっかり苦渋みがある。二煎目の方がよりフラットに、染み渡る。華やかな香りもより濃厚に
・玄米茶、いつもより玄米の香りが甘いように感じる。味わいは三煎目もしっかり苦い。お茶の主張が強めな玄米茶に
・バゲットやベーグルなどのサンドイッチ(かぼちゃのサラダを挟みたい)、焼き芋、洋菓子も良いが栗羊羹や栗最中などの和菓子とも合わせたい

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