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味覚を研ぎ澄ましていただきたい一杯。京都府産の玉露『061 てんみょう』【2024年10月試飲茶会】

2024年10月10日

by 小野寺友麻

東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。

煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は60種類以上(2024年10月時点)。その中でも、通年販売している茶葉と、期間を限定して販売している茶葉があります。

今回は、2024年10月から販売を開始するシングルオリジン煎茶をご紹介!
煎茶堂東京 銀座店ティーコンシェルジュ・四本と、東京茶寮バリスタ・小野寺が試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。

「たくさん種類があるけどどんな味なの?」「どう違うの?」「私が好きなお茶はどういうもの?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。

061 てんみょう(京都府産)

販売時期 10月〜11月
特徴 じわりと体に染み渡る深い旨みの余韻が広がる。爽やかな被覆香が混じる抹茶のようなテイスト。

小野寺:
「おはようございます。気がつけば今年の試飲茶会ももう残りわずかですね」

四本:
「もう10月です。いよいよ暑さも和らいできて温かいお茶もさらに美味しくなる季節になりますね」

小野寺:
「今月はシングルオリジン煎茶3種類とブレンドティーも並びますよ」

四本:
「産地がいろいろです。静岡県、京都府、鹿児島県、ブレンドのベースは長崎県産と産地も異なります。秋冬に向けて楽しみが盛りだくさんです!」

繊細な旨みを味わえる。京都府産玉露「061 てんみょう」

小野寺:
「では京都のお茶『061 てんみょう』、玉露です。また前の年度とは味わいが変わったようです。実際に体感していきましょう」

四本:
「『てんみょう』は元々抹茶の原料である碾茶用品種だそうです。そして『さみどり』の自然交雑から選抜、育成された品種です」

小野寺:
「平成18年に京都で登録されていて、漢字だと『展茗』と書くそうです。見てください。茶葉は緑が濃くてきれいです」

一煎目の味わいや特徴

四本:
「このお茶は浅蒸し茶ですが短めで、撚られているのが目で見てわかります。茶葉の開きが楽しみなお茶ですね」

小野寺:
「今回も基本のレシピで淹れていきます。茶葉4g、70℃のお湯を120㎖注いで1分20秒待ちます」

四本:
「お湯を注ぐと茶葉がまたきれいですね。乾燥した状態よりも緑が濃く、鮮やかになります。このお茶は茶葉がふわふわと開いていきますね」

小野寺:
「ん〜上品な玉露の良い香りです。でも旨みの香りは強すぎず、爽やかさを感じます。まだ開く余地はありますが、茶葉もきれいに開きました」

四本:
「いただきましょう。前の年度とはまた違う印象です。今年のは優しいですが、複雑な味わいがします。前の年度はわかりやすく、旨みと抹茶を思わせる香りと後味が印象的だったので、違うお茶を飲んでいるかのようです」

小野寺:
「前の年度の方が味わいのインパクトがあったので、今回の一口ごとに重なっていくような味わいにギャップを感じます」

四本:
「印象としては飲みやすくなったのかな…繊細でいて、甘みや旨み、苦みを単体で捉えるのが難しいです。パッケージにも記載がありますが、嫋(たお)やかという文字が表しています」

小野寺:
「しなやかで柔らかい印象ですね。お出汁をそのまま飲むとしょっぱくも感じるし、味がしないようにも感じる感覚があると思いますが、このお茶にはそんな儚さがあります。ぜひ味覚を研ぎ澄まして飲みたい一杯です」

四本:
「味わいも香りも層が沢山重なっている感覚で、一枚ずつ剥がして捉えるのは難しいです。そして今回の『てんみょう』は少しハーブ感、爽やかさを感じます」

小野寺:
「ハーブ感、少しわかります。そして決して強くはないのですが、苦みも感じます。改めて前の年度と違って、また違う個性を発揮していますね。その日の自分の体調によっても感じ方が違う気もします」

四本:
「玉露ではありますが、浅蒸し茶特有のスッキリ感もあるし、重たくはないですが味わいの主張はしっかり感じます」

小野寺:
「このお茶は口に入ったときは味わいを感じて、少し味わいが弱くなる瞬間があって、また余韻で味わいと香りが返ってきます。そして玉露特有の青さの余韻が鼻に抜けていきます」

二煎目の味わいや特徴

四本:
「二煎目です。ほんのり水色も出ました。茶葉の香りが青く、葉野菜を感じます。大根やごぼうなど根菜も感じるような…少し『062 ごこう』を感じます」

小野寺:
「そうですね。『062 ごこう』程の土っぽさはないですが、飲むと青さを感じます。一煎目よりも苦みを捉えやすくなりました。ですが、いつもの煎茶を飲んで感じる苦みとも違う感覚です。二煎目を飲むと一煎目が甘かったのかと実感できます」

四本:
「飲み終えた余韻が筑前煮を食べた後のような雰囲気があります。不思議…。まずは単体で向き合っていきたい一杯です。椎茸もかつお節も野菜も感じるような、いつものお茶を飲んだ後とはまた余韻も異なります」

小野寺:
「茶葉もすっかり開きました。濃緑が美しいです」

どんなペアリングが合う?

四本:
「まずは筑前煮のような、煮物と合わせてみたいです。香りとの調和が楽しめるかもしれません」

小野寺:
「いつも京都のお茶はお豆腐が食べたくなると話しているので、お豆腐や厚揚げが入っていても良いと思いますよ。白滝を入れて、肉じゃがも良いのでは」

四本:
「干菓子だったり、王道のあんことも合わせてみたいです。味わいは優しめなものと合わせたいと思います」

小野寺:
「本当に、何回も飲んでいきたいお茶です。玄米茶にするのに少し迷いもありますが、玄米を加えていきましょう」

四本:
「このお茶の繊細さが、玄米とどう合わさっていくのでしょうか。よりご飯感が増しそうな気もします」

小野寺:
「水色がこれまたきれいです。香ばしさも堪らないですね」

四本:
「美味しいです…まろやかで、滑らかな玄米茶です。全体的に玄米を立てていますが、飲み終わりにお茶の味わいがひょこっと顔を出すような…」

小野寺:
「お茶の味わいは繊細なままなのに、玄米が主張しすぎていないです。それぞれが溶け合っているような印象です。ご飯系と合わせたいお茶ではありますが、羊羹などシンプルな甘味とも合わせたいです」

四本:
「このお茶は色んなレシピで淹れて欲しいです…! 水出しをして、温度を上げるなど向き合いがいがある一杯だと思います。一言でこういうお茶と言い切れないもどかしさと、仲よくなりたいと思わせてくれる魅力があるお茶ですね」

「061 てんみょう」の味わいノート

・一煎目、繊細でいて、甘みや旨み、苦みを単体で捉えるのが難しい複雑さを感じる
・二煎目、一煎目よりも苦みを捉えやすくなる。葉野菜や大根、ごぼうなど根菜も感じるような香り・後味を感じる
・玄米茶は滑らかな口当たり。玄米が主張しすぎずそれぞれが溶け合っているような印象
・筑前煮や肉じゃがなどの煮物、干菓子や王道にあんことも合わせたい

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