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カラッとした香ばしさ。熱々でもキンキンに冷やしても楽しめる一杯。『047 釜炒りはるもえぎ』【2024年8月試飲茶会】
2024年08月01日
by 小野寺友麻
東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。
煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は60種類以上(2024年8月時点)。その中でも、通年販売している茶葉と、期間を限定して販売している茶葉があります。
今回は、2024年8月から販売を開始するシングルオリジン煎茶をご紹介!
煎茶堂東京 銀座店ティーコンシェルジュ・四本と、東京茶寮バリスタ・小野寺が試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。
「たくさん種類があるけどどんな味なの?」「どう違うの?」「私が好きなお茶はどういうもの?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。
047 釜炒りはるもえぎ(鹿児島県産)
販売時期 | 8月〜9月 |
特徴 | はるもえぎの美しい茶葉がそのまま楽しめる釜炒り。軽やかで香ばしく、品種特有の甘みが味の奥に潜む。 |
小野寺:
「おはようございます。早いもので8月です。日々の暑さが厳しいですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか」
四本:
「今月は2種類のお茶が登場します。どちらも鹿児島県産ですが、釜炒り茶と浅蒸し茶という個性が味わえる2種類です」
カラッと香ばしい香りと味わい。「047 釜炒りはるもえぎ」
小野寺:
「まずは鹿児島県伊集院の『047 釜炒りはるもえぎ』です。釜炒り茶ファンも少なくないですよね。私もその一人ですし、先日も店舗にお探しの方が来店されました」
四本:
「改めて、日本の緑茶のほとんどは茶葉を摘んだ後に蒸す製法で作られます。それに対して、釜炒り茶とは茶葉を摘んだ後に釜で炒る製法です。釜炒り茶という名前の通りで、製法が根本的に異なります。なので香りも形状も、味わいにも異なる特徴が出ます」
小野寺:
「乾燥の茶葉は、炒った大豆のようなカラッとした香りがします。品種が『はるもえぎ』ということもありますが、豆感のある甘く香ばしい香りがします」
四本:
「是非『001 はるもえぎ』とも飲み比べしたいお茶ですね。見てください、茶葉の形状もいつもとは異なります。少し丸まったような、うねうねとした形をしています」
小野寺:
「お湯を注いだらどのように茶葉が開いていくのか、あの甘い香ばしい香りが変わっていくのか…楽しみですね」
一煎目の味わいや特徴
四本:
「釜炒り茶は高温で淹れても苦渋みが出にくく、香りも立ちます。今日も気温が高い日ではありますが、基本のレシピより高めで淹れていきます。茶葉4g、80℃のお湯を120㎖注いで1分待ちます」
小野寺:
「これからも当分の間は涼しくした部屋でいただく熱めのお茶が美味しく感じる季節。そしてもちろん冷たいお茶が飲みたいときは、濃いめに淹れて氷で冷やす急速冷茶にも◎」
四本:
「お湯を注ぐと茶葉の色みが少し濃くなります。既に香ばしく、ホクホクとした穀物感がある香りが漂ってきます」
小野寺:
「クリンとしていた茶葉も段々ほどけていきます。蒸し製のお茶とは異なる様子が面白いですね。あっという間に1分です」
四本:
「水色が黄色く澄んでいます。茶葉は開くと茶色と緑色が混ざったような色に。香ばしくて甘い... 『001 はるもえぎ』の穀物のような香りを感じます。豆や栗のようなホッコリ感があります。いただきます」
小野寺:
「最初に来るのは甘み、香りだけではなく味わいにもしっかり甘みを感じます。熱々のお茶、美味しいです。香りカラッと、味わいスッキリ、目覚めの一杯にも良いですね」
四本:
「朝クーラーで少し冷えた体でお湯を沸かして飲みたい、そんなお茶です。『001 はるもえぎ』の旨みも感じるのですが、釜炒り茶特有の香りでカラッとした印象にしてくれています。余韻も香りと少し甘さが残る程度で、スッと抜けていきます」
小野寺:
「ほのかにお茶の苦みも感じるので、お茶を飲んだ満足感も得られます。全体的には甘みですが、味わいを引き締めてくれる苦みもあります」
二煎目の味わいや特徴
四本:
「二煎目は少し温度をあげて、85℃で10秒ほど。休日の朝、このお茶を淹れながらゆっくり過ごしたいです。二煎目も水色が美しいです」
小野寺:
「茶葉もすっかり開きました。開くと緑色がきれいです。茶葉の香りもガラリと変わって、青さや渋みを感じるようになりました。甘さと香ばしい香りは少し落ち着きました」
四本:
「二煎目も全体的には甘みですが、苦みというか渋みが出てくるのでよりスッキリした印象になります。このお茶は小さい器で少しずつ飲み進めたいです」
どんなペアリングが合う?
小野寺:
「釜炒り茶は食事はもちろん普段使いしやすいお茶のひとつだと思います。釜炒りは中国茶にも近しい製法なので、中華料理と合わせても良いですね。味わいも強すぎないので、お茶の香ばしさと合わせたいものを考えていくと良いと思います」
四本:
「ごまだれの冷やし中華はどうでしょうか。ごまの香ばしさとも合いそうです」
小野寺:
「夏ですね! 豚しゃぶも良いな。 冷や汁のようなサラサラと食べられるものとも良いだろうな…。甘いものだとごま団子。今ごまと合わせたい気分みたいです(笑)」
四本:
「定食と一緒だったらまた嬉しいお茶ですね。白身魚と合わせてみたいです。香ばしいものと相性が良いはずなので、玄米茶もきっと良いですね。三煎目は90℃で10秒ほど」
小野寺:
「釜炒り茶は蒸し製の煎茶と比べて熱めで淹れても苦渋みが出にくいのも普段使いに良いです。あ〜香ばしさが堪らないです」
四本:
「お茶の甘さに加えて、玄米の甘さも感じます。お茶と玄米のバランスが絶妙です。今まで釜炒り茶はどちらかというと冬のイメージだったのですが、夏も良いですね」
小野寺:
「なすの煮浸し、焼きとうもろこし…ズッキーニやトマトにきゅうり、夏野菜とも合うと思います。急速冷茶や水出し、冷たい方がよりサラサラと飲めると思いますよ」
「047 釜炒りはるもえぎ」の味わいノート
・一煎目、最初に来るのは甘み。香りだけではなく味わいにもしっかり甘みを感じる。『001 はるもえぎ』の旨みも感じるが、釜炒り茶特有の香りでカラッとした印象に
・二煎目、全体的には甘みだが、苦みというか渋みが出てくるのでよりスッキリした印象に
・玄米茶、お茶の甘さに加えて、玄米の甘さも感じる。お茶と玄米のバランスが絶妙
・ごまだれの冷やし中華や豚しゃぶなどの食事系、なすやとうもろこし、ズッキーニなど夏野菜とも合わせたい
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