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クマリン香る、桜のような香りのお茶。苦みしっかりの深蒸し茶『040 静7132』【2024年7月試飲茶会】

2024年07月03日

by 小野寺友麻

東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。

煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は60種類以上(2024年7月時点)。その中でも、通年販売している茶葉と、期間を限定して販売している茶葉があります。

今回は、2024年7月から販売を開始するシングルオリジン煎茶をご紹介!
煎茶堂東京 銀座店ティーコンシェルジュ・四本と、東京茶寮バリスタ・小野寺が試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。

「たくさん種類があるけどどんな味なの?」「どう違うの?」「私が好きなお茶はどういうもの?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。

040 静7132(静岡県産)

販売時期 7月〜8月
特徴 爽やかな桜の香りが楽しめる品種とされ、香りを引き出すために新茶の収穫時期からしばらく寝かせておいた逸品。

小野寺:
「おはようございます。早いもので、もう7月です」

四本:
「おはようございます。いよいよ夏ですね。今月は冷茶にしても美味しい静岡のお茶を紹介します」

小野寺:
「このお茶は今年の収穫のものです。早速今年の味わいを淹れていきましょう」

桜を想わせる華やかさ、苦みと濃緑が堪りません。「040 静7132」

四本:
「今月のお茶は『040 静7132』。既にお馴染みの方も多いかもしれませんね。収穫の年度で味わいが変わるお茶もありますが、このお茶はさっぱり苦めで香りが華やかという部分は比較的一貫しています」

小野寺:
「ここ数年は寒い時期の季節茶葉でしたが、今回は7月からという暑い時期の登場です。合わせたいもの、飲みたいシーンも変わって来るのかもしれません」

四本:
「茶葉は大きい部分もありますが、深蒸しで細かめ、緑は明るいです。乾燥状態の茶葉は、桜シロップを想わせる甘い香りがします。この品種特有の桜のような香りはクマリンという香り成分によるものです。香りは例年よりも甘めな印象です」

小野寺:
「確かにもっと爽やかな印象がありましたが、甘めの香りですね。味わいも違うのでしょうか、楽しみです」

四本:
「では淹れていきましょう。基本のレシピ、茶葉4g、70℃のお湯を120㎖注いで1分20秒待ちます」

小野寺:
「暑い日には急速冷茶もいいですね。例年旨みは少ないので、夏にさっぱりといただきたくなります。このお茶は苦みが特徴の一杯ですが、その苦みの程度は年度によっても異なります。その変化も楽しみですね」

四本:
「まだ淹れている最中ですが、是非バニラアイスと合わせたいです。アイスの甘みとお茶の苦み、そして桜のような香りが合うと思いますよ」

小野寺:
「いいですね。練乳のかき氷も良いだろうな…。冷やし汁粉や白玉ぜんざいなどのあんことも間違いないですよね。甘いものが冷たいならお茶は温かく。冷たいものと温かいものと背徳感を感じながらのお茶時間を過ごしたいです」

四本:
「まだ飲む前ですが、もう既に美味しいです。では、一煎目のお茶が入りました」

小野寺:
「一煎目から水色は濃いです。茶葉からの香りもいいです。華やかさと渋みの香り、この香りが好き…安心する香りです。乾燥のとき同様に心なしか香りに甘さを感じます。いただきます」

四本:
「は〜沁みていきます。苦みもいいですね。香りは甘かったのですが、味わいはちゃんと苦みを感じます。舌先から喉まで苦みを感じる程です」

小野寺:
「でもこのお茶は味わいの余韻は短めです。口の中にあるときには苦みを感じますが、飲み終えるとスーッと味わいが消えていきます。味わいは無くなりますが、華やかな香りの余韻は続いていきます」

四本:
「苦みが口の中にどんどん蓄積されていくお茶もある中で、このお茶は比較的毎回リセットされていきます。このお茶の一煎目はお餅や白玉もいいと思いますが、お団子が食べたいです。あんこにみたらし、きな粉、胡麻…」

小野寺:
「胡麻のお団子いいですね。7月はあと何がいいでしょうか。ゼリーや水羊羹も美味しい時期ですね。あんこをこのお茶と合わせるなら、水羊羹のようにサラサラしているものから大福のようにずっしりしているものまで合わせられそうです」

四本:
「万能ですね。夏場は葛餅やわらび餅などのもっちりぷるんとしたものともいいと思います。やはり夏と冬では合わせたいものが変わってきます。お茶が同じでも飲む季節を変えるだけでも新鮮さを感じます。今の時期ならスイカなどの果物とも合わせてみたいです」

小野寺:
「二煎目は80℃のお湯を注いで10秒程待ちました。水色が更に濃くなりました。注ぎながらの香りも華やかでしたよ」

四本:
「茶葉の香りはやっぱり甘めですが…二煎目はよりしっかり苦みがあります。どっしりと重たい苦みです。でも苦みのお茶が好みなので美味しいです」

小野寺:
「苦みがいいですね。一煎目は味わいの余韻が短めに感じましたが、二煎目はずっと苦みが続きます。口に入れた瞬間はむしろ甘みを感じていたのですが、最後に残るのは苦みです。今年は結構インパクトのある苦みですね」

四本:
「水出しだと苦みは程よくなりますかね?後でやってみましょう。改めて、お茶の旨みも良いですが、このくらい旨みの無いサッパリ味わえるお茶もまた良いですね。それにしても飲む程に苦みが増えていく感覚です」

小野寺:
「今日はちょうど雨の日ですが、このジメッとした日に気分をスカッとさせてくれますね。茶葉の香りでも癒されます」

四本:
「あと夏なので、鰻とも合わせてみたいです。蒲焼きのタレにも負けない味わいだと思います」

小野寺:
「山椒の香りとも合わせてみたいです。品種の話になりますが、この『静7132』も日本で一番作られていて優良品種とも言われる『やぶきた』の子どもの世代のお茶です。甘いもの、食事と万能に合わせられるのも頷けます」

四本:
「苦みがあるお茶なので甘いものと合わせたくなりますが、夏だとそうめんも良いと思います。お醤油、お砂糖、お出汁のようなシンプルな和のものと相性が良いと思います」

小野寺:
「一煎目はそうめん、二煎目は鰻、三煎目何を合わせましょうか。それにしても一度には食べきれないメニューです(笑)。改めてこのお茶は品種由来の香りと、それに加えて軽度の萎凋工程を経ているので、その華やかさも味わえます。香りのお茶がお好みの方にはオススメです」

四本:
「では玄米茶です。あ〜良い香り。玄米茶にすると苦みが少なくなりました。少なくなるというよりむしろ玄米の甘さを感じます。『040 静7132』の玄米茶はお寿司屋さんで出てきたら嬉しいお茶なので酢飯とも合わせてみたいです」

小野寺:
「七夕にちらし寿司を食べたりしますよね。手巻き寿司や手まり寿司で楽しみながらいただくのも良いですね。一煎目、二煎目、三煎目と煎を重ねて変化があるので最後まで飽きがこないです」

四本:
「黙々と飲んでしまったのですが、このお茶は少し温度が落ち着いてからの方が桜のような香りを感じやすいです。是非ゆっくりじっくり飲んでみてくださいね」

小野寺:
「この華やかさと渋みが同時に味わえるお茶、良いですね。他にも『063 さやまかおり』や『017 藤枝かおり』、『010 ふくみどり』も同じような系統ではありますが、香りはそれぞれ違います。面白いですね」

四本:
「今回は水出しも仕込んでみましたよ。丁度5時間ほど冷蔵庫で抽出しました。さっき淹れた二煎目と比べると水色はクリアです」

小野寺:
「見た目にも涼しげで、夏にピッタリですね。水出しでもちゃんと苦みを感じます、桜のような香りも感じます。旨みが少ないので、暑い日に飲みたくなります。美味しい…」

四本:
「普段店頭でお出ししているものは冷蔵庫で一晩浸かっているので、それくらいしっかり時間を置いても良さそうですね。茶葉の量もそうですが、置いておく時間によっても味わいが変わるので、ベストなタイミングを見つけてみてくださいね」

小野寺:
「このお茶は甘いものとも食事とも、温かくも冷たくも楽しめますね。夏場は冷たいものが美味しく感じますが、何事にも程々に長くなりそうな暑さを乗り越えていきましょう」

「040 静7132」の味わいノート

・一煎目、香りは甘いが、味わいにはしっかり苦みを感じる。味わいの余韻は短めだが、華やかな香りの余韻は続いていく
・二煎目、一煎目にも増してどっしりと重たい苦み。苦みの余韻も続く。口に入れた瞬間は甘みを感じる程だが、最後に残るのは苦み
・玄米茶、苦みが少なくなるというよりむしろ玄米の甘さを感じる
・アイスクリーム、練乳のかき氷、冷やし汁粉や白玉ぜんざい、わらび餅などの甘味、鰻、そうめん、ちらし寿司などの食事系とも合わせたい

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