
福田里香「栗きんとんは、深まる秋の“食”物詩」私が器を使うなら vol.17
2022年11月16日

by 煎茶堂東京編集部
使う人によって、全く違う表情を見せるのが、器の面白いところ。一緒に使うカトラリー、テーブル、部屋に入る光の加減……。もちろん、どんなスイーツやお料理を載せるかもその人のチョイス次第。
今回は、煎茶堂東京オンラインで販売している、阿部春弥さんの『オーバルA(M)』を、菓子研究家・福田里香さんに使っていただきました。
栗きんとんは、深まる秋の“食”物詩
この優美な曲線に目を奪われないひとがいるでしょうか? いや、いない。阿部春弥(あべ・はるや)さんの楕円皿は、白釉と鉄彩の2色展開。長径約226mm、短径約136mm、高さ約35mmと両手にしっくり馴染む寸法です。
「オーバル A(白釉)」には、盛り付け皿として3粒の「すや」の「栗きんとん」を並べました。
サムネイルの「オーバル A(鉄彩)」には、銘々皿として1粒だけのせています。盛り付け皿と銘々皿、両用できる使いやすいサイズ感です。
風物詩という言葉がありますが、「すや」の「栗きんとん」は、深まる秋の“食”物詩。茶巾に絞ったきんとんは甘さ控えめです。栗の繊細な味わいを舌に感じて、うっとりするおいしさ。
楕円皿のよい点は、テーブルのサイズに合わせて横置きにしたり、縦置きにしたりして、自在にレイアウトできるところです。縦置きにすると、ハッとするほど印象が変わります。
阿部さんの楕円皿は、欧州の硬質なポーセリンやボーンチャイナに題材を取った意匠にも見えますが、柔らい釉薬の質感は東洋の古い陶磁器のようにも感じます。ですから、お菓子の和洋を問わず、菓子器として重宝にお使いいただけます。
この器なら、カトラリーで和菓子を食しても感じがいい。「シャンブリートリオ」のケーキフォークを合わせてみました。すくい根(フォークの根元の幅)が幅広なため、お菓子を取りこぼしなく運べるという、優れたプロダクトです。
毎年秋になると口恋しい栗の銘菓には、煎茶堂東京の「005 おくみどり」がおすすめ。濃厚な味わいと後引く茶葉の苦みが、ほっくりとした栗に寄り添います。
すやの栗きんとんですが、何粒入りを買おうか、悩みますよね。私のおすすめは「多めに購入して冷凍する」です。冷凍した栗きんとんと水を小鍋に入れ、火にかけて、水の量を調節。好みの濃度に溶きのばして軽く沸騰させたら、焼き餅を入れるだけ。最高に上等の栗汁粉に変身しますから、お試しを。
今回使用した器
今回使用したお茶
すや「栗きんとん」
価格 | 6個入 1,749円(税込)〜 |
販売期間 | 9月〜原料がなくなり次第終了 |
販売場所 | 本店 〒508-0038 岐阜県中津川市新町2-40 他、取扱い各店舗、オンラインストアで購入可能。 |
営業時間 | 本店 9:00-19:00 他、取扱い店舗の営業時間をご確認ください。 |
定休日 | 本店 水曜日 他、取扱い店舗の定休日をご確認ください。 |
電話番号 | 0573-65-2078 / 0573-66-2636 |
URL | suya-honke.co.jp |
福田里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学卒。『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『民芸お菓子』(Discover Japan)など料理・お菓子に関する著書多数。Instagram:@riccafukuda
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