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お菓子とお茶|水羊羹評論家の言葉を読み解きながらいただく、菓匠 菊家「水羊羹」と「058 はるみどり」

2024年08月26日

by 煎茶堂東京編集部

おいしいお茶を淹れると、お茶菓子が欲しくなる。おいしそうなお菓子を見つけると、どんなお茶を淹れようか想像してしまう。煎茶堂東京のお茶と過ごす日々の中で、ついつい誰かに教えたくなるペアリング菓子をご紹介します。

今回は、エディトリアルデザイナーの小山田倫子さんがおすすめのお菓子について教えてくれました。

青山・菓匠 菊家の「水羊羹」

青山・骨董通り沿いにあるビルの9階に暖簾を下げている「菓匠 菊家」。

1932(昭和7)年に創業した当時は表参道と青山通りの交差点にあるみずほ銀行の隣にあったそうですが、戦時中に周りのお屋敷と一緒に世田谷区下馬へ疎開。その後、今の場所へ移転し、数年前にはビルへと建て替えられましたが、90年以上青山の地でさまざまな方々に愛されてきました。

故・向田邦子さんもその一人で、著書『眠る盃』には「水羊羹」というエッセイがあり、菓匠 菊家の「水羊羹」のことが書き下ろされています。

うす墨色の儚げな美しさを、ゆっくり大切に味わう

水羊羹評論家と自称していた向田邦子さんが「まず水羊羹の命は切口と角であります。」と綴られているように、菓匠 菊家の水羊羹もそのスパッとした切り口が美しく、うす墨のような色合いはどこか儚さを感じさせます。

単品サイズのものには桜の葉の座布団が敷かれていて、3〜4人でいただいたり贈答用にもちょうど良いケース入りのものは「水ようかん」と踊るように手書きされた包み紙を開けると、これまた美しい角を持って器に収まっています。

細身のフォークでスッと切れるなめらかさと、口へ運ぶとするりとほどける喉越しの良さ。こしあんの深みのある甘みが口の中にふわりと残り、口あたりの良さからいくつも食べたくなりますが、ここは向田邦子さんもおっしゃるように歯を食いしばって「ひとつ」をゆっくり大切に味わいたいものです。

どっしりとした甘味と旨味が魅力の「058 はるみどり」を急冷茶で

「水羊羹」に合わせた「058 はるみどり」は、大きめの茶葉が目にも美しいお茶。暑さを和らげるため、レシピでも紹介されている急冷茶でいただきました。

まず一口含むと、甘味と旨味をしっかりと感じられます。水羊羹の後にいただくと新緑のような爽やかさが伝わってきて、旨味が後から追いかけてくるようでした。

エッセイのなかでは「新茶が出る頃から、うちわを仕舞う頃まで」と言われているように、初夏から晩夏に楽しみたい水羊羹。まだまだ暑い日々が続きそうなこの季節、うちわを片手に水羊羹とお茶の時間を過ごされてみてはいかがでしょうか。

お菓子に合わせたお茶

お菓子に合わせた器

青山・菓匠 菊家「水羊羹」

価格 ケース入り 1,450円(税込)
単品 450円(税込)
販売時期 5月中旬頃から9月上旬頃まで
販売場所 〒107-0062
東京都港区南青山5-13-2
菊家BLDG 9F
URL ycraft.co.jp

小山田倫子さん

アパレル業界にてプレスなどを経験後、エディトリアルデザイナーに転身。制作会社や出版社などを経て2011年よりフリーランス。料理人の夫と営む完全予約制のフレンチ、Restro les Années のマネージャーも。Instagram:@noko_oya

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