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【試飲茶会】 初登場!『和紅茶 さやまかおり』を飲んでみました

2023年09月15日

by 小野寺友麻

東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。

煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は60種類以上(2023年9月時点)。その中でも、通年販売と期間限定の茶葉、そして季節が変わるごとに楽しめるブレンドティーがあります。

今回は、初めての取り扱いとなる『和紅茶 さやまかおり』をご紹介!前回登場した『和紅茶 しずかおり』に続いて2品種目の和紅茶です。

煎茶堂東京 銀座店ティーコンシェルジュ・四本と、東京茶寮バリスタ・小野寺が試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。

「シングルオリジン煎茶と和紅茶、どう違うの?」「私が好きな感じのお茶かな?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。

和紅茶 さやかかおり(静岡県産)

特徴 ドスンと芯の通った骨格を持ち、コクがある。しっかりとしたボディ感のある重めのテイスト

四本:
「おはようございます。暑い日が続きますが、みなさんいかがお過ごしですか?」

小野寺:
「おはようございます。まだまだ冷たいお茶が美味しい季節ですね。今回登場のお茶は急速冷茶でも淹れていきますのでお楽しみに!」

四本:
「先日、TOKYO TEA JOURNAL vol.50(6月号)のお届けで初登場した『和紅茶 しずかおり』はいかがでしたでしょうか? 今回はまた別品種の和紅茶をご紹介しますよ」

小野寺:
「これで和紅茶の飲み比べができますね。味わい、香り、見た目…どんな風に違うのか楽しみです。早速茶葉から見ていきましょう…!」

しっかりとした味わい、爽やかで華やかな香り。『和紅茶 さやまかおり』

四本:
「今回の和紅茶は『さやまかおり』という品種です。元々は埼玉県狭山市で誕生した品種で、『やぶきた』の自然交雑から選抜されています。1971年に品種登録されています」

小野寺:
「煎茶に加工される場合は、深蒸し茶にされることが多いそう。機会があれば、ぜひ煎茶との比較もしてみたいです...! 寒さにも強い品種なので、全国で広く栽培されています。今回は『和紅茶 しずかおり』と同じ静岡県磐田のマルヒ製茶さんのお茶です」

四本:
「茶葉も見てみましょう。紅茶なので茶葉は赤みがあるのですが、このお茶は若干緑を感じる気がします。『しずかおり』は全体的にオレンジ色だった印象なので、見た目からも違いますね」

小野寺:
「香りもまた違います。『しずかおり』は乾燥の状態のときから甘さを感じましたが、今回の『さやまかおり』は爽やかな印象です。またお湯を注ぐと香りも変わってくると思うので、楽しみです…!」

四本:
「このお茶も名前に“かおり”と付いていますが、発酵茶(紅茶)にしたり、萎凋(茶葉を萎れさせること)に向いている品種だそうですよ」

小野寺:
「そしてこのお茶は茶葉が肉厚です。寒さに強くなるためには必要だったのかもしれませんね。今回も茶葉も大きいので、淹れるときに急須の茶こしは外した状態で淹れていきます」

四本:
「淹れ方は『しずかおり』と同じです。茶葉3g、100℃のお湯を120㎖注いで2分待ちます」

小野寺:
「茶葉が開いていきます。やはり茶葉の色が完全に茶色ではなくて、若干青みがかったように見えます。煎茶も茶葉によって緑の具合が異なりますが、紅茶も同じではないですね」

四本:
「淹れているときの香りは、フィナンシェなど焼き菓子を焼いているときのような香りがします。お茶であまり感じたことがなかったので不思議な感覚です」

小野寺:
「飲む前から合わせたいお菓子候補ができましたね。2分が経ちました。水色はクリアで美しいです」

四本:
「香りはスッキリ系で、ほんのり渋みも感じます。甘さも感じるのですが、それが焼き菓子…焦がしバターと卵白と小麦粉を焼いているような香りです」

小野寺:
「『しずかおり』は蜂蜜を感じる甘めな香りだったので違いが面白いです! 味わいも爽やかさがありつつ、しっかりと重たさも感じます。苦渋みもありますが、余韻は長くありません」

四本:
「最初は重ための味わい、それからスーッと消えていく感じ。最初のどっしり感が後を引かないのが不思議です。そして最後、口の中に残る印象は爽やかです」

小野寺:
「茶葉も開きました。味が温度が落ち着いてからの方がキリッとするかも。後で急速冷茶も淹れましょう。香りも変わりますね! 温度が下がるとお花っぽい香りになりました」

四本:
「カサブランカなど、白くて大きめで高貴な花を想わせる香りです。ぜひ淹れてからすぐと少し時間が経ってからとを嗅ぎ比べてみて欲しいですね」

小野寺:
「改めて、茶葉自体が肉厚ですね。紅茶は煎茶と製法も楽しみ方も異なるので、基本的に二煎目は淹れません。オススメの淹れ方も一煎のみですが、初めて出会ったお茶は特に色々試してみたくなります。二煎目も淹れてみませんか?」

四本:
「やってみましょう。二煎目は100℃のお湯を注いで3分待ちます」

小野寺:
「先ほど話したように、このお茶はフィナンシェやマドレーヌなど焼き菓子と合わせたいお茶ですね。『しずかおり』は甘いものもいいですが、どちらかというと食事と合わせたいお茶でしたね」

四本:
「そうですね。一煎目の程よい重たさをあんこ、白あんと合わせるのもいいと思いますよ。最中とか上生菓子とも合わせてみたいです。そう考えていくと和紅茶の可能性は無限大ですね…!」

小野寺:
「今までも和紅茶を飲んだことはあったのですが、“比べる”という観点で飲むことはあまりなかったです。この違いはぜひ体感していただきたいですね!」

四本:
「3分経ちました。二煎目は甘い香りになりました。『しずかおり』で感じた蜂蜜のような甘さではなく…焼き芋の蜜に似ていると思います」

小野寺:
「味わいも優しい甘さになりました。二煎目は焼き芋と合わせましょうか。まだまだ暑い日々ですが、秋に向けて芋・栗・かぼちゃにもきっと合いますね」

四本:
「しっかりとした味わいと香りを楽しむのはやはり一煎目ですが、この優しさを味わうなら二煎目です。二煎目はシンプルな練乳だけがかかったかき氷とも合いそうです」

小野寺:
「二煎目まで淹れると、ここまで茶葉が開きます。茶葉によっても開き方が違うのが面白いですね。それでは急速冷茶も淹れていきましょうか」

四本:
「新しく茶葉を用意して、茶葉3g、100℃のお湯90㎖で2分待ちます。氷は80g程用意しておきます」

小野寺:
「あ〜再びいい香り。そしてきれいな水色です! この氷にきらめく様子が堪りません。涼しげですね…」

四本:
「一煎目は花っぽいですね。急冷で温度をグッと下げているので、更に花っぽさを捉えやすいです。美味しい…! 味わいも温かいときよりも凝縮されたような印象です」

小野寺:
「このお茶は急冷の方がより甘みを感じられます。もちろん好みがそれぞれあるかとは思いますが、『さやまかおり』は急冷の方が好きです。今日も暑いからでしょうか(笑)」

四本:
「急冷の方が味わいも香りも余韻が長く感じます。そして温かいときは程よく苦渋みがあったので、表情が全然違います。私も『さやまかおり』は急速冷茶、『しずかおり』は温かくいただくのが好きですね」

小野寺:
「台湾烏龍のときも好みが出ましたよね。個人的には、甘さとまろやかさを味わう『四季春』は『和紅茶 しずかおり』と、そして香りの爽やかさとキリッとした印象の『翠玉』は今回の『和紅茶 さやまかおり』とリンクします」

四本:
「この冷たいお茶は、贅沢にも焼きたてのフィナンシェと一緒にいただきたいです。口の中でジュワーと、バターの香りとお茶の花のような香りを味わいたいです」

小野寺:
「ご飯系だと何がいいでしょうか。品種的には白身魚と相性が良いようなので、白身のカルパッショやムニエルなども良さそうです」

四本:
「シンプルな味付けの鶏肉のソテーやピラフ、焼きおにぎりとも美味しそうです。こうやって考えていくと、少し香ばしいようなものと合わせたくなるお茶なのかもしれません」

「和紅茶 さやまかおり」の味わいノート

・一煎目は爽やかさがありつつ、しっかりと重たさも感じる。苦渋みもあるが余韻は長くない
・二煎目は焼き芋を想わせる甘い香りに。味わいもより優しい甘さを感じる
・急冷茶の方がより甘みを感じられる。温かいときよりも味わいも香りも余韻が長く感る
・マドレーヌやフィナンシェなどの焼き菓子はもちろん、最中や上生菓子などの和菓子と合わせたい。食事系だと白身魚のカルパッチョやムニエル、鶏肉のソテーやピラフ、焼きおにぎりとも。

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