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【試飲茶会】2023年3月販売のシングルオリジン煎茶2種を飲み比べてみました!
2023年03月01日
by 小野寺友麻
東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。
煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は50種類以上。(2023年3月時点)その中でも、通年販売している茶葉と、期間を限定して販売している茶葉があります。
今回は、2023年3月から販売を開始するシングルオリジン煎茶2種をご紹介!
煎茶堂東京 銀座店ティーコンシェルジュ・四本と、東京茶寮バリスタ・小野寺が試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。
「たくさん種類があるけどどんな味なの?」「どう違うの?」「私が好きなお茶はどういうもの?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。
039 さきみどり 出雲(島根県産)
販売時期 | 3月〜4月 |
特徴 | 甘さを控えて、旨味と渋みのきわだつ大人の味。味わうほどに様々な表情を魅せる奥深い一杯。 |
046 おくゆたか 霧島(鹿児島県産)
販売時期 | 3月〜4月 |
特徴 | 男性的でありながら軽やかで端正な香りを持つ。旨みがあるのに後引く、駆け引き上手な好男子。 |
四本:
「おはようございます。まだ寒い日も多いですが、暖かい日も少しずつ増えてきましたね」
小野寺:
「そうですね。寒いのが苦手なので、春が待ち遠しいです…。そんな3月は2種類のお茶を紹介していきます」
四本:
「今月は鹿児島と島根のお茶です。茶葉の見た目も全然違うので目で見て、そして飲み比べて違いを体感していきましょう!」
小野寺:
「鹿児島のお茶は是非飲み比べをして欲しいですし、島根のお茶は私たちが取り扱う産地として、唯一の県なので、沢山の方に知ってもらえたら嬉しいですね」
煎を重ねて変化する味わいに魅せられます。「046 おくゆたか 霧島」
小野寺:
「まずは鹿児島県産『046 おくゆたか 霧島』を淹れていきましょう。中蒸しですが、茶葉は比較的大きめですね。そして茶葉の緑が濃いです」
四本:
「茶葉は艶があります。乾燥の茶葉はほのかに旨みを感じる香りがします」
小野寺:
「このお茶は霧島『西製茶工場』の西さんが作ってくださっている茶葉ですが、『012 あさつゆ』や『045 おくみどり 霧島』も同じく西さんが作っているお茶です。同じ農家さんが作った異なる品種の飲み比べができます」
四本:
「あとは、「おくゆたか」という品種は「ゆたかみどり」と「F1NN8」の交配で誕生したお茶です。『046 おくゆたか 霧島』と『034 ゆたかみどり』という親子の飲み比べというのも面白そう…!」
小野寺:
「では実際に淹れていきましょう。今回は少し久しぶりなので基本のレシピで淹れていきます」
四本:
「茶葉は4g、70℃のお湯を120㎖注いで1分20秒待ちます」
小野寺:
「茶葉がゆっくりと開いていく様子にはいつも癒されますね〜」
四本:
「水色がきれいです。甘みと旨みの香りがします。春の穏やかさを表しているような香りです」
小野寺:
「そうですね、この急須からお茶を注ぐ時の香りが堪らないです!この香りからも優しさを感じられます」
四本:
「味わいは最初は甘み、あとからしょっぱさとも取れるような旨み広がっていき、そして最後は程よく苦みが締めてくれます」
小野寺:
「じんわりと味わいが広がっていきますね。優しさを感じる香りと複雑に変化する味わいにギャップを感じます…。そういえばこのお茶のライナーコピーには“駆け引き上手な好男子”とありました。この印象的なコピーを読んで手に取っていただくこともありますね」
四本:
「味わいの分類的には、甘みと旨みのお茶なので『045 おくみどり 霧島』と似ている部分もあるのですが、実際に比べると違いを感じますね。イメージ的には『045 おくみどり 霧島』の方が味わいが口の中に広がっていくのに対して、『046 おくゆたか 霧島』は味わいに包まれているという感覚です」
小野寺:
「外に広がっていくのか、内側に入ってくるのかという感じですかね。香りや旨みの印象ですが、『045 おくみどり 霧島』は牧草のような青々しさを感じるのに対して『046 おくゆたか 霧島』は葉物野菜を思わせるような…。二煎目の変化にも期待しながら次も淹れていきましょう」
四本:
「二煎目は80℃のお湯で10秒ほどです。少し緑が濃くなりましたが、水色は透き通っていますね」
小野寺:
「二煎目になると少し草っぽさも感じられます。変わらず甘みも感じるのですが、苦みも強くなりました。一煎目は一口で味わいが変化したのに対して、二煎目は甘みや苦みが一気にやってきます」
四本:
「一煎目もそうでしたが、味わいの余韻はそう長くありません。後味はスッとなくなるので、またすぐ次の一口が欲しくなります」
小野寺:
「茶葉もきれいに開いていますね。このお茶はどんなお菓子と合わせましょうか?」
四本:
「お茶だけでも充分楽しめるのですが、おかきやお煎餅がいいと思います」
小野寺:
「そうですね、それもお醤油ではなくて塩味などさっぱりした方がいいですね!あとはざらめが付いているような甘いものもあるとまたいいですね」
四本:
「洋菓子だとしたらメレンゲクッキーとか? サクサクのお菓子をお茶でジュワッと味わうのもいいですね。どちらかというと素材の味を楽しむような素朴な味わいのもの……それに、3月はひな祭りがあるので雛あられもいいのでは!」
小野寺:
「金平糖だったり豆菓子も良さそう! お煎餅に合うのであれば、三煎目の玄米茶も期待してしまいますね!淹れていきましょう」
四本:
「二煎目で感じた苦みがほとんどなくなりました。そして玄米が非常に合います。お茶と玄米の香ばしさが見事に重なり合っています」
小野寺:
「玄米茶もお茶それぞれで美味しさがあるのですが、『046 おくゆたか 霧島』は抜群に相性がいいかもしれません」
四本:
「香ばしい玄米の良さが活きていますね。玄米茶がお好きな方にもオススメします!」
「046 おくゆたか 霧島」の味わいノート
・一煎目、最初は甘み、あとから旨み広がって、そして最後は程よく苦みが締めてくれる
・二煎目、変わらず甘みも感じるが苦みも強くなる。後味はスッと
・玄米茶は二煎目で感じた苦みがほとんどなくなる。そして玄米との相性が抜群!
・塩味のおかきやお煎餅、メレンゲを焼いたようなお菓子、雛あられ、豆菓子、金平糖など素材の味わいを楽しむお菓子と合わせたい
苦みと旨みを一緒に味わえます。「039 さきみどり 出雲」
四本:
「二つ目のお茶は島根県産『039 さきみどり 出雲』です。茶葉が平べったくて少しマットな印象です」
小野寺:
「乾燥した茶葉の香りはほのかに甘いですね。味わいとしては苦みと旨みのお茶なので淹れていくのが楽しみです。今回はどんなレシピで淹れていきましょうか?」
四本:
「今回は苦みの特徴を出すために基本のレシピよりも高めの温度で淹れていきましょう!茶葉4gに80℃のお湯を120㎖注いで1分待ちます」
小野寺:
「先ほどの『046 おくゆたか 霧島』も緑が濃い茶葉でしたが、更に濃いでしょうか。茶葉も浅蒸しなので、開いていく様子がわかりやすくて、美しい…」
四本:
「お湯の温度が80℃でいつもより高いので、茶葉が開く速度も早いですね」
小野寺:
「今日はまだ寒さがあるので、この温かさがいいです。じわっと口の中に広がる苦みが心地よいですね。香りにも旨みと苦みがプラスされました」
四本:
「苦みを感じるのですが、旨みもしっかりと感じるので強すぎることなく味わえますね。この苦みを旨みのバランスが絶妙です」
小野寺:
「実は先ほど基本のレシピでも淹れてみたのですが、一煎目からこんなに苦みは出ませんでした。10℃違うだけなのですが、基本のレシピだと甘みを感じるほどだったのでやはり温度の探求は奥深い!」
四本:
「二煎目は更に温度をあげて85℃で10秒ほど。浅蒸し茶なので水色は引き続き透き通っていますね」
小野寺:
「一煎目の旨みが減ってサッパリとしてきますね。お菓子と合わせるのならここですね。このお茶はドライフルーツとも相性がいいんです。イチ押しはアプリコットです」
四本:
「苦みの刺激も強すぎず普段使いにもいいですね。でも“大人の味”と表現されるので、色々な品種を試されている方には選択肢の一つに選んでいただきたいですね。ホワイトチョコやピスタチオなどとも合いそうです」
小野寺:
「開いた茶葉もツヤツヤと光っているかのようです…朝日にちょうど照らされていて美しいですよ〜」
四本:
「開いた茶葉の香りは段々青々しさを増してきます」
小野寺:
「玄米茶もいいですね。今までの苦みもだいぶ落ち着いてきます」
四本:
「落ち着く味わいです…。最近も、店頭で同じ品種で産地違いのお茶をオススメすることがありますが、以前『035 さきみどり 彼杵』を飲んだことがある方は、是非この『039 さきみどり 出雲』との飲み比べもして欲しいですね。このお茶の飲み比べは蒸し製法の違いから見た目の違いもあるので、より面白さを感じられるのでは」
小野寺:
「品種の違いを知りたいという方には、マニアックな提案もどんどんしていきたいですね。私たちも引き続き色々なお茶を色々な淹れ方で淹れていきましょう!」
「039 さきみどり 出雲」の味わいノート
・一煎目は苦みを感じるが旨みもしっかりと感じるので刺激が強すぎることなく味わえる
・二煎目は一煎目の旨みが減ってサッパリと。甘いものとここで合わせるのが◎
・玄米茶は今までの苦みがだいぶ落ち着いてくる
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