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【試飲茶会】2022年10月販売のシングルオリジン煎茶2種を飲み比べてみました!
2022年10月01日
by 小野寺友麻
東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。
煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は50種類以上。(2022年10月時点)その中でも、通年販売している茶葉と、期間を限定して販売している茶葉があります。
今回は、2022年10月から販売を開始するシングルオリジン煎茶2種をご紹介!
煎茶堂東京 銀座店ティーコンシェルジュ・四本(よつもと)と、東京茶寮バリスタ・小野寺が試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。
「たくさん種類があるけどどんな味なの?」「どう違うの?」「私が好きなお茶はどういうもの?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。
005 おくみどり(鹿児島県産)
販売時期 | 10月〜11月 |
特徴 | 先にくる焙煎香。そしてしっとりとまあるい香り。優しい甘みとともに広がる柔らかな余韻に浸って。芋・栗・かぼちゃと合わせれば、口の中に秋が広がります。 |
040 静7132(静岡県産)
販売時期 | 10月〜11月 |
特徴 | 爽やかな桜の香りが楽しめる品種とされ、香りを引き出すために新茶の収穫時期からしばらく寝かせておいた逸品。深い緑の水色と爽やかな苦みであんことの相性も抜群。 |
四本:
「おはようございます!本日は10月から登場のお茶を飲んでいきましょう」
小野寺:
「もう10月なのですね…日が暮れるのも早くなりましたし、だいぶ過ごしやすいですよね」
四本:
「そうですね。季節が変わると飲みたいお茶も変わる気がします」
小野寺:
「10月は鹿児島と静岡のお茶です。お茶の生産量トップ2の産地飲み比べですね、今回も楽しみです!」
甘みと旨み、そして後引く苦み「005 おくみどり」
「005 おくみどり」どんなお茶?
先にくる焙煎香。そしてしっとりとまあるい香り。優しい甘みとともに広がる柔らかな余韻に浸って。デイリーに飲みたい安定感と温度での味わいの変化を味わって。
四本:
「まずは鹿児島県産『005 おくみどり』から飲んでみましょう。おくみどり、好きなんですよね〜」
小野寺:
「このお茶は同じ品種で『045 おくみどり 霧島』があるので、飲み比べもやってみたいですね」
四本:
「そうですね、楽しみです。こちらの茶葉は中蒸し。見た目は結構細かめですね。乾燥の茶葉はほのかに旨みの香りがしますがそんなに強くはないです。飲んだとき鼻に抜ける香りが香ばしかった印象があります」
小野寺:
「湯気と一緒に香りが立ち上ってきますよね。このお茶の特徴である焙煎香は、お湯を注いでからに注目です。では今回も基本のレシピで淹れていきましょう。一煎目は70℃のお湯を120㎖注いで1分20秒待ちます」
四本:
「むくむく茶葉が開いていきますね」
小野寺:
「個人的に、細かめの茶葉の様子は可愛らしいと感じます(笑)。今回のおくみどりという品種も日本で一番作られている『やぶきた』の交配でできたお茶でしたよね?」
四本:
「そうですね、『やぶきた』と静岡在来との掛け合わせですね。抹茶にも使われている品種です」
小野寺:
「殆どと言ってもいい位にどのお茶も『やぶきた』にルーツがありますね。改めて『やぶきた』の凄さを感じます」
四本:
「一煎目いただきましょう。やはり口に入れると香ばしさを感じますね!美味しいです」
小野寺:
「あ〜、秋冬これからの季節に飲みたいお茶かもしれません…」
四本:
「甘みも苦みも旨みも感じます。結構しっかりと味わいがあって、最後に苦みが舌に残りますね」
小野寺:
「バランス系ですが後味にどっしりとした印象、重厚感があります。『045 おくみどり 霧島』の方が甘みが際立っていて、軽やかな感じです」
四本:
「おくみどりは安定感があるので、常にストックしておきたいお茶の一つです」
小野寺:
「迷ったらこのお茶ですね!甘いものともご飯のときでもお茶だけでも、どんなシーンでもアリですね」
小野寺:
「二煎目は水色も深くなりましたね。味わいはいかがでしょう?」
四本:
「甘さも感じますが、一煎目よりも苦みが増しました。前年度よりもずっしり重ための味わいです。香ばしさをより感じるのは一煎目、甘いものと合わせたいのは二煎目ですね」
小野寺:
「そうですね。二煎目は口に含んだ瞬間はスッと入ってくるのですが、後からジワーっと存在感を広げていくような…。改めて、ジューシーと表現される『045 おくみどり 霧島』との飲み比べは、好みが分かれるかもしれないですね!」
四本:
「青々しい見た目の茶葉です。香りは苦みを感じます」
小野寺:
「飲むと香ばしさが鼻に抜けますが、茶葉の香りはいぐさのような香りです。茶葉の香りは爽やかです。この安定感ですと三煎目の玄米茶…期待してしまいます」
四本:
「三煎目も水色鮮やかですね。そして苦みもいい感じに残りつつ、美味しい!」
小野寺:
「他の苦みがあるお茶に玄米を加えると、苦みの角が取れると感じたり、お客様にもそう言っていただくこともあるのですが、『おくみどり』はしっかりと苦みがいますね」
四本:
「苦めのお茶がお好きな方にはぜひ飲んでいただきたいです。秋に美味しくなる芋・栗・かぼちゃなど、合わせたらとてもいいと思います…!」
小野寺:
「いいですね。モンブランのような濃厚なお菓子にも負けない味わいがありますね。すでに秋が楽しみになってきました!」
「005 おくみどり」の味わいノート
・一煎目は焙煎香があり、味わいしっかり系。最後に苦みが舌に残る
・二煎目は一煎目よりも苦みが増す。ずっしり重ための味わい
・玄米茶でも苦みが味わえる。三煎目の水色まで緑鮮やか
桜を思わせる香りがする「040 静7132」
「040 静7132」どんなお茶?
爽やかな桜の香りが楽しめる品種とされ、香りを引き出すために新茶の収穫時期からしばらく寝かせておいた逸品。後味キリッと、さっぱりとした飲み口にリフレッシュができそうです。
小野寺:
「今月2つめのお茶は『040 静7132』です。静岡のお茶はいくつか取り扱いがありますが、今回は牧之原のお茶です」
四本:
「牧之原の深蒸し茶ですね。このお茶は香りが桜のようと表現されるお茶ですがどうですか?」
小野寺:
「乾燥の茶葉はほのかに甘い香りがします。お湯を注いでからが楽しみです…!そしてこのお茶は火入れが“生”なのも特徴です。火入れの温度が高いと焙煎香がするお茶になりますが、その温度が低かったり“生”だと茶葉そのものの香りを楽しめます」
四本:
「今月は焙煎香が楽しめるお茶『005 おくみどり』と、火入れが“生”のお茶『040 静7132』の飲み比べですね」
小野寺:
「このお茶、今年の春には新茶としても登場しました。収穫したばかりの茶葉とと、しばらく寝かせた茶葉、味わいに違いはあるのか、新茶を飲んだ方はぜひ思い出しながら飲んでいただきたいです」
小野寺:
「茶葉は細かいですね。この細かさがお茶を淹れたときの色に影響するというのが面白いですよね」
四本:
「この茶葉でどんな水色になるのかも楽しみですね!」
小野寺:
「では一煎目、70℃のお湯を注ぎます。透明急須の茶こしの銀縁まで注ぐと120㎖、1分20秒待ちます」
小野寺:
「見るからにお茶の成分がお湯に溶け出しているのがわかりますね」
四本:
「濃い緑が美しいですね。そういえば、先ほどの『005おくみどり』の親は『やぶきた』でしたが、このお茶も親は『やぶきた』です!静岡県清水周辺では“まちこ”という愛称でも呼ばれているそうですよ」
小野寺:
「『静7132』は品種名ではなく系統番号なのだそうです。番号もカッコイイですが、まちこも親しみが持てますね」
四本:
「深蒸しなので、一煎目から水色が緑鮮やかですね。既に淹れている時からいい香りが漂っていましたが、いかがでしょう?」
小野寺:
「いい香りですね、桜を感じます。本当に桜の葉が入っているようです。でもどうしても、“静7132=桜”と既にインプットされているので、まっさらな状態で味わいたいというのが正直なところです…。店頭ではみなさんがどう感じるのか伺うのも楽しみです」
四本:
「ぜひ体感していただきたいですね。淹れたあとの茶葉も桜を感じます!」
小野寺:
「苦みはありますが、飲み口は軽い印象です。今年の新茶で飲んだときはずっしりとした苦みがあったので、驚きです。摘みたてより少し寝かせると、香りが引き出されるのに加えて渋みも抑えられるのですね」
四本:
「先ほど飲んだ『005 おくみどり』と比べてもかなり違いがありますね。『静7132』の方が、旨みが少ないのでスッキリとしています。香りの華やかさと爽やかさは言わずもがな、苦みの印象も軽くて、後味はスーっと抜けていきます」
小野寺:
「比べてみると、改めて『005 おくみどり』の味わいの重厚感を感じますね」
四本:
「『静7132』は二煎目もさらに水色がきれいですね。緑が深〜いです」
小野寺:
「一煎目からも香り良かったのですが、二煎目で温度上がるとより香りを感じます」
四本:
「そうですね、より桜餅を感じます。苦みも出てくるのですが、スッキリとした印象です。『005 おくみどり』とは苦みの種類が異なります」
小野寺:
「そうですね、『040 静7132』の方が後引く苦みではないのでもう一口、もう一口と飲んでしまいます。そしてこのお茶にはあんこを合わせたくなりますが……(おはぎをひと口)うん、間違いないです!」
四本:
「茶葉もほのかにですが、桜を感じます」
小野寺:
「この茶葉の香り良いですね、なんだか穏やかな気持ちになれる気がします…」
四本:
「この『040 静7132』は朝に飲みたいです。スッキリと目覚められそうです」
小野寺:
「では『005 おくみどり』はお昼休みでしょうか。午後も頑張るぞ!という気持ちになれそうです。最後は玄米茶も淹れていきましょう」
四本:
「個人的には、苦めのお茶の玄米茶が好きなので、楽しみです!いただきます」
小野寺:
「美味しいですね〜。三煎目も水色きれい!いい塩梅で苦みがあります」
四本:
「改めて、今月は秋らしいお茶ではないでしょうか。このお茶は何と合わせようかな…?ショートケーキなども良さそう」
小野寺:
「クリームとお茶もいいですね。和にも洋にも合わせて美味しい…秋は色んなものが美味しく感じてしまう季節なので、いつも以上に楽しみが広がりますね!」
「040 静7132」の味わいノート
・一煎目は苦みがあるが、飲み口は軽い印象。桜を想わせる香り
・二煎目はの方が香りが立つ。さらに苦みも出てくるが、スッキリとした印象
・玄米茶は程よい苦みで楽しめる。三煎目まで深い水色
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