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【試飲茶会】2024年4月販売のシングルオリジン煎茶2種を飲み比べてみました!前編

2024年04月04日

by 小野寺友麻

東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。

煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は60種類以上(2024年4月時点)。その中でも、通年販売している茶葉と、期間を限定して販売している茶葉があります。

今回は、2024年4月から販売を開始するシングルオリジン煎茶2種をご紹介!
煎茶堂東京 銀座店ティーコンシェルジュ・四本と、東京茶寮バリスタ・小野寺が試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。

「たくさん種類があるけどどんな味なの?」「どう違うの?」「私が好きなお茶はどういうもの?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。

043 やまとみどり(奈良県産)

販売時期 4月〜5月
特徴 奈良の山々が育んだ力強い香りとポリフェノール感。舌の奥へ広がる旨味と香気が堂々たる大和茶。

036 みなみかおり(鹿児島県産)

販売時期 4月〜5月
特徴 上品で香り高い余韻が幾重にも重なって口の中をたゆたう。どんなときも、まあるく均整の取れた味で癒してくれる。

小野寺:
「おはようございます。早いもので4月、入学式や入社式、新しいことが始まる季節です。新茶がいただけるのもそう遠くはないですね…!」

四本:
「おはようございます。また新しい年度のお茶に出会える季節が近づいてきましたね。ワクワクします」

小野寺:
「暖かい日も増えましたが、まだまだ温かいお茶が美味しいと感じる日々。今回も4月のお茶を紹介していきます」

四本:
「今月は2品種、奈良と鹿児島のお茶です。どちらも久しぶりの登場です」

濃厚な旨みと香り。奈良県産「043 やまとみどり」

小野寺:
「一つめは奈良のお茶『043 やまとみどり』です。少し前になりますが、TOKYO TEA JOURNAL vol.18の椎茸特集でお届けもしたお茶です。記憶にも新しい驚きの組み合わせでした」

四本:
「この『043 やまとみどり』は旨みに特徴があるお茶でしたね。でも乾燥状態だと茶葉の香りはそんなに強くありません。旨みというわけでもなく、強いて言えば甘みでしょうか」

小野寺:
「淹れたらまた変化があるかもしれませんね。茶葉は浅蒸し茶ですが、若干細かめ、色は緑が濃いめです」

四本:
「それでは淹れていきましょう。基本のレシピにて、茶葉4g、70℃のお湯を120㎖注いで1分20秒待ちます」

小野寺:
「お湯を注いだ瞬間から緑が鮮やかに出ます。そして茶葉がフワフワと開いていきます。それにしてもこのお茶、初めて飲んだ時のインパクトがあったお茶でした。今日も久しぶりなので楽しみです」

四本:
「浅蒸し茶ですが、水色は濃いめです。開いた茶葉からは濃厚な香りがしますよ」

小野寺:
「森林を感じるような…。茶葉の緑がギュッと凝縮した香りです。香りに少し抹茶を感じるような気がします」

四本:
「香りとしては旨みだけが強いわけではなく、青い香りもしますね。青々しさの後に甘さも感じます。系統としては『044 うじみどり』を更に凝縮させたような香りでしょうか」

小野寺:
「器に注ぐときに感じましたが、このお茶はとろみがあります。いただきましょう」

四本:
「口に含む感覚もとろとろとしていますね。でもそこまでアミノ酸の味わいが強いわけではないです。一口一口飲んでいく毎に増幅していく味わい…。そして口の中に最後に残るのが旨みです」

小野寺:
「最後、飲み終える時に感じる旨みがすごいですね。口の中が旨みでコーティングされたようです。ほんのり苦みと、味わいとしての青さもあるので、バランスが良いと感じます。この旨み、椎茸特集で出たというのは納得ですね」

四本:
「旨みにも幾つか系統があると思いますが、このお茶はかつお節や昆布ではなく、白菜などの葉野菜でもなく、どちらかというと椎茸系統の旨みに当たると思います」

小野寺:
「そうですね。まだ一口、二口しか飲んでいませんが既に満足感を感じます。ゴクゴクと飲むのではなく、少しずつ味わいたいお茶ですね。今回も基本のレシピで淹れていますが、本当にいつもと同じ淹れ方なのかと感じる程に個性があります」

四本:
「口当たりのまろやかさ、とろみ、改めてすごいですね。味わいのインパクトがあるのに反して、余韻は思ったほど残らない印象です。ほのかに甘さが残りますね」

小野寺:
「飲めば飲むほど旨みと苦み、味わいが蓄積していきますね。これが二煎目で温度をあげると、またどんな変化があるでしょうか。二煎目は80℃のお湯を注いで10秒ほどです」

四本:
「二煎目はまず香りから違いますね。渋みを感じる爽やかな香りになりました。い草のような、心地良い香りです。注ぐときもとろみは無くなって、サラサラとしたように見えます。水色も濃くなりましたね」

小野寺:
「二煎目、全然違いますね…。口に入れたときもサラサラしていますし、旨みも少なくなりました。口当たりも味わいもガラリと変わりました。そして二煎目は苦みが出てきましたね。少し甘みも感じます。二煎目はお菓子が欲しくなります」

四本:
「一煎目は旨み、二煎目は程よい苦みと共に甘み、という印象です。求肥が入った最中と一緒にいただきたいです」

小野寺:
「王道のあんこ、良いですね。二煎目は大福だったり、ザラメ付いたおかきも良いと思います。まずは一煎目は是非お茶だけで、二煎目と合わせていきたいと思います。二煎目になって少し華やかさのような香りも感じます」

四本:
「一煎目にはなかった香りが出てきましたね。飲み終えた余韻に爽やかさを感じます。味わいとしては苦みと甘み。一煎目とは違うお茶を飲んでいるのかと思う程です。一煎目は味わいも香りも下に溜まっていくイメージ、対して二煎目は香りをメインに上に抜けていくような印象になりました」

小野寺:
「飲み進めていくとどんどん苦みが…。気が付いたときには口の中に苦みが溜まっているような感覚です」

四本:
「茶葉の緑が濃いですね。茶葉自体が柔らかそうで、そして輝いて見えます。4月号のTOKYO TEA JOURNALでは高めの温度で淹れて、鰹のお刺身と合わせます」

小野寺:
「美味しそう…。鰹の独特な風味にも負けなさそうですね。旨みとお醤油は相性が良いですし、二煎目の香りで口の中をさっぱりとさせてくれそうです。一煎目が少し抹茶を感じて、二煎目は青々しさとほのかに華やかさ。変化が楽しい一杯ですね」

四本:
「苦渋みは決して強くはないですが、お茶の旨みが上手に苦みをまろやかにしてくれていると思います。味わいはしっかりめなので、元気なときに飲みたくなるお茶です。夕方や夜ではなく、朝からお昼くらいに飲みたいです」

小野寺:
「午前中に飲んだら午後にまたがんばれそうですね。二煎目は単純にバニラアイスとも合わせてみたいかも。大福にアイスが入っているようなものとも合いそうです」

四本:
「それでは最後は玄米茶も淹れましょう。さっきおかきとも合いそうと話していたので、玄米茶にもきっと合いますね」

小野寺:
「やはり浅蒸し茶にしては水色が濃いですね。そして、玄米茶にするとまたガラリと印象が変わります。ほんのりしょっぱさを感じるのは気のせいでしょうか?」

四本:
「一煎目の旨みのときにも増してスープのような…。塩なんて入ってはいませんが、しょっぱさを感じますね。お茶漬けにしたあとのような味わいさえあります」

小野寺:
「二煎目で苦みは出切って。三煎目でほんのり残るのは旨みと甘みという感じです。それにしても変化があるお茶ですね。特に三煎目は複雑な味わいを感じました」

「043 やまとみどり」の味わいノート

・一煎目、口に含むととろみを感じる。飲んでいく毎に増幅していく旨み。ほんのり苦み、味わいとしての青さもありバランスが良い
・二煎目、サラリとした印象に。旨みは少なくなり、苦みが出てくる。でも甘みも感じる
・玄米茶、一煎目の旨みのときにも増してスープのような複雑な味わい
・最中、おかき、バニラアイスなど和洋問わずにお菓子、鰹とも合わせたい

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