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【試飲茶会】2024年1月販売のシングルオリジン煎茶2種を飲み比べてみました!

2024年01月09日

by 小野寺友麻

東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。

煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は60種類以上(2024年1月時点)。その中でも、通年販売している茶葉と、期間を限定して販売している茶葉があります。

今回は、2024年1月から販売を開始するシングルオリジン煎茶2種をご紹介!
煎茶堂東京 銀座店ティーコンシェルジュ・四本と、東京茶寮バリスタ・小野寺が試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。

「たくさん種類があるけどどんな味なの?」「どう違うの?」「私が好きなお茶はどういうもの?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。

044 うじみどり(京都府産)

販売時期 1月〜2月
特徴 幾重にも複雑に織りなす高貴な香りに魅了される。旨味がありながらもすっきりとした飲み口が上品。

040 静7132(静岡県産)

販売時期 1月〜2月
特徴 爽やかな桜の香りが楽しめる品種とされ、香りを引き出すために新茶の収穫時期からしばらく寝かせておいた逸品。

四本:
「新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
この度の石川県能登半島で発生した地震や火災等で被害に遭われた皆さまや、ご家族やご友人の皆さまが一日でも早く暖かな日々と平穏な心が戻りますよう心からお見舞い申し上げます」

小野寺:
「本年もよろしくお願いいたします。この前まで暑かった気がしますが、早いもので新年を迎えました。本年もホッと一息つけるその先にお茶がある、そんな美味しいお茶がある暮らしをみなさんと共有できたら嬉しく思います」

四本:
「今年最初に紹介するお茶は2種類、京都の玉露と静岡の深蒸し茶です」

小野寺:
「産地も味わいも見た目も違うお茶なので飲み比べが楽しみです。今年もまた色んなお茶と出会えると良いですね」

上品で華やかな香りに癒されます。「044 うじみどり」

四本:
「今月1品種目は味わい繊細な京都の玉露『044 うじみどり』です。今年度は別の品種の玉露も取り扱いがあったので、色んな玉露を楽しんでいただけたのではないでしょうか」

小野寺:
「玉露と一口に言っても香りも味わいも様々でしたね。今回はどんなお茶でしょうか。茶葉は少し平べったく、色みも少し明るめの緑です」

四本:
「乾燥状態の茶葉はそんなに香りは強くないですね。ほのかに甘い香りがします」

小野寺:
「このお茶は玉露なので今回は低めに淹れていきましょう。茶葉4g、60℃のお湯を120㎖注いで1分45秒待ちます」

四本:
「玉露ではありますが、旨みというよりは甘みと表現したくなる香りです。華やかさも感じます」

小野寺:
「茶葉の開きがまるでお花が咲いていくようです。きれいです…」

四本:
「茶葉がつやつやとしていますね。『044 うじみどり』の香り、とても好きです。上品で高貴な香りがします」

小野寺:
「味わいも優しいですね。ジワーっと口の中に広がっていきます。旨みも強くなく程よいです」

四本:
「玉露なのでもちろん旨みもありますが、後に引かないです。そして苦みまでもいかないですが、青い香りが最後、口の中をサッパリと締めてくれます」

小野寺:
「この一杯をいただいたら、もうひと眠りしたくなりました。少しまぶたが落ちてくるような、リラックスさせてくれるお茶ですね。上品で大人しく、心穏やかになれそうです」

四本:
「上品で大人しいのも個性のひとつですが、比べてみると『061 てんみょう』や『062 ごこう』は個性派だったのかもしれません。なので優しい『044 うじみどり』は玉露を初めて飲んでみたい方や、普段は旨味のあるお茶が得意でない方にもオススメです」

小野寺:
「二煎目は70℃で10秒ほどで淹れました。二煎目は水色も濃くなり、温度も上がったので香りもより立ちます」

四本:
「香りも変わって、二煎目は渋みの香りになりました。でも香りとは違って、味わいは苦みが強くはないです。そして旨みも感じます」

小野寺:
「後味に若干渋みを感じます。旨みと香りに癒されて、やっぱりまぶたが落ちてくる一杯です。まったりできます。茶葉も見てください! きれいに開いていますね」

四本:
「味わいは全体的に繊細な印象なので、合わせるものは優しめなものが良いですかね。いま、おでんの大根が食べたいです。あとだし巻き卵も良いと思います。お出汁とこのお茶、相性が良いと思います」

小野寺:
「良いですね。出汁が染みている大根と、美味しそうです。はんぺんも良いと思います。だし巻き卵には大根おろしも添えたいですね。一煎目とももちろん、二煎目の程よい苦みとも良いだろうな…」

四本:
「温度的には下がってきた方が味わいや香りも捉えやすい印象です。そして一口目よりも二口目と飲み進めていくごとに香りを感じられる気がします」

小野寺:
「口の中の余韻さえも美味しいです。一口目こそ少し薄いかと感じたのですが、段々味わいが増幅していくようです。お菓子だったら何と合わせたいですか」

四本:
「スフレチーズケーキなどどうでしょう。口の中でシュワーっと、新しい感覚だと思います」

小野寺:
「今まであまり思いついたことがなかったお菓子ですがマシュマロも良いと思います」

四本:
「ご飯系だと和食が思い浮かぶのですが、お菓子だと不思議と洋菓子の方が思い浮かぶかもしれません。和菓子だと白あんのお菓子でしょうか。そしてお菓子はフワフワとしているものと合わせたいのかもしれません」

小野寺:
「最後は玄米茶です。茶葉と玄米の色のコントラストが良いですね。三煎目も水色がきれいです」

四本:
「良い香りです…。お茶の味わいは繊細かと思いきやしっかりお茶の味わいも感じます。玄米にも負けない青い香りが、玄米の香ばしさと良いバランスです」

小野寺:
「あ〜駄菓子の、麩菓子が食べたくなりました。やはり思いつくのはお煎餅ではなく、フワフワしているものです(笑)。口の中で溶けていくようなものと一緒にいただきたいのかもしれません」

四本:
「いつも京都のお茶はお豆腐と合わせたくなるのですが、今回はお稲荷さんと合わせるのも良いかも。このお茶は玄米茶にした方が苦みを感じられるので、甘く煮たお揚げとも合いそうです」

「044 うじみどり」の味わいノート

・一煎目、優しい味わい。玉露なのでもちろん旨みもあるが後に引かない。青い香りが口の中をサッパリと締めてくれる
・二煎目、後味に若干渋みを感じる。温度的には下がってきた方が味わいや香りも捉えやすい印象
・玄米茶、お茶の味わいもしっかり感じる。玄米にも負けない青い香りが、玄米の香ばしさと良いバランス
・おでんの大根やはんぺん、だし巻き卵、お稲荷さん、甘いものだとスフレチーズケーキやマシュマロ、麩菓子とも合わせたい

桜のような香りと目にも鮮やかな緑が美しい。「040 静7132」

小野寺:
「今月2品種目は静岡県の深蒸し茶、『040 静7132』です。このお茶も久しぶりです」

四本:
「2022年でしたが新茶で登場したこともありましたね。茶葉も見てください。先ほどの『044 うじみどり』とは全然違います。『040 静7132』は深蒸し茶なので茶葉が細かいです」

小野寺:
「香りに特徴があるお茶ではありますが、乾燥状態の茶葉に香りはあまりありません。品種の特徴としては、桜のような香りがするお茶なので、淹れるのが楽しみです」

四本:
「あと少し萎凋(いちょう=摘んだ葉をしおれさせる工程)もされているので、その華やかさもあると思います。では今回は香りも楽しみたいので、少し高めに淹れていきましょう。茶葉4g、80℃のお湯を120㎖注いで50秒待ちます」

小野寺:
「深蒸し茶の茶葉は細かいので、ふわふわと開いていきます。香りも出てきますね。桜の香り成分は『クマリン』でしたね」

四本:
「香りに若干塩味を感じる気がします。もちろん入っている訳ではないですし、脳が補正しているのかも。でも今まであまり感じたことがなかった感覚です」

小野寺:
「水色は程よく出ますね。特に茶葉から桜の香りを感じます」

四本:
「いつもより高温で淹れたこともあって、香りが立っていますね。香りとともに味わいも感じるような感覚です。美味しい…」

小野寺:
「苦みもそこまで強くなく、口の中に広がっていきます。旨みと言いますか、まろやかさも感じます。深蒸し茶だからでしょうか」

四本:
「80℃で淹れたので、もっと苦みが強いのかと思いましたが優しいですね。サラサラと飲めます。先ほどの玉露はもっとゆっくりと味わいたいし、このお茶も味わいたいのですが次の一口がすぐ欲しくなってしまいます」

小野寺:
「味わいとしてはお茶が強くて、奥の方で余韻にほんのりと桜を感じます。桜の香りは茶葉の香りの方が強いですね」

四本:
「二煎目は85℃で10秒ほどです。水色が濃くなりました。一煎目とは全然違いますね。お湯を注いだ瞬間から先ほどの『044 うじみどり』とも全然様子が違いました」

小野寺:
「桜の香りは一煎目のときの方が感じると思います。苦みは増しましたが、重たすぎず。このお茶は飲み終えた後、深呼吸すると口の中が甘くなります」

四本:
「でも温度が下がってきたら苦みがより強くなりそうですね。それにしても寒い日のアツアツの深蒸し茶、良いですね。いま、一緒にお蕎麦が食べたいです。香りも桜で日本のものなので、合わせるものも和のものが思いつくのかもしれません」

小野寺:
「そうですね。ご飯も良いですが、麺類だったりお餅と食べたい気分です。磯辺餅や餡ころ餅、しょっぱくても甘くても良いです。1月はお餅を食べる機会も多いですよね」

四本:
TOKYO TEA JOURNALの1月号でもおしること合わせています。お雑煮とも美味しそう…お醤油だったり白味噌だったり地域差もあるかとは思いますがどちらでも合いそうです」

小野寺:
「細かい茶葉で、明るい緑色がきれいですね。それにしても二煎目の水色は濃いですね。個人的には冬、このような濁りのあるお茶が飲みたくなります」

四本:
「良いですよね。このお茶は冷めた方が苦みも感じやすくなりますが、桜の香りも分かりやすくなります。そういえば先日の『063 さやまかおり』を経て、萎凋香がより分かるようになりました」

小野寺:
「そうですね。今までも萎凋香があるお茶はありましたが、例えば『017 藤枝かおり』は特徴としてジャスミンのような香りもあるのでその中から萎凋の香りを探すのが少し難しかったですね。でも改めて私は萎凋香のあるお茶が好きですね…」

四本:
「このお茶は大福など、どっしりとしたお菓子と合わせたいです。今川焼きなど粉ものも良いと思います。先ほどの『044 うじみどり』とは逆のしっかりめが良いですね」

小野寺:
「最後は玄米茶。90℃で15秒ほどで淹れました。三煎目も緑が鮮やかな水色です」

四本:
「玄米茶も良いですね。そして三煎目でまろやかさを感じます。二煎目の苦みはどこかへ行きました。むしろ一煎目よりまろやかに感じます。玄米と合うことによって滑らかになるのかもしれません」

小野寺:
「また『044 うじみどり』のときとも全然違いますね。『040 静7132』は個人的にも好きなお茶なので、三煎目も玄米茶にせずそのまま飲むことが多かったのですが、玄米茶にしても良いですね…!」

四本:
「改めて今月も全く違う2品種、地域や合わせたいもの、煎を重ねての味わいも違いましたね。また今年も色んなお茶を淹れて、お勧めしたいシーンや好みを見つけていきたいですね」

小野寺:
「そうですね。改めまして本年もどうぞよろしくお願いいたします」

「040 静7132」の味わいノート

・一煎目、苦みも強くなく口の中に広がっていく。まろやかさも感じる。味わいとしてはお茶が強く奥の方で余韻にほんのりと桜を感じる
・二煎目、苦みは増したが重たすぎず。飲み終えた後、深呼吸すると口の中が甘くなる
・玄米茶、まろやかさを感じる。二煎目の苦みは少なくなり滑らかな印象
・お蕎麦、お汁粉やお雑煮、大福や今川焼きとも合わせたい

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