
福田里香「白の重なりが瞳においしい、ガトーと器」私が器を使うなら vol.021
2023年02月02日

by 煎茶堂東京編集部
使う人によって、全く違う表情を見せるのが、器の面白いところ。一緒に使うカトラリー、テーブル、部屋に入る光の加減……。もちろん、どんなスイーツやお料理を載せるかもその人のチョイス次第。
煎茶堂東京オンラインで販売している器やカトラリーを、菓子研究家・福田里香さんに使っていただきました。
白の重なりが瞳においしい、ガトーと器
彫刻ですか? いいえ、違います。
亀田文(かめだ・ふみ)さんの「白釉花形オーバルリム皿」に、グラシンペーパーに包まれたサヴールの「ガトー・ア・ラ・クレーム」を盛り付けました。なんて美しい器とお菓子でしょう。
フランスのヴィンテージ器に影響を受けた、縁が花びらのような造形を持つ「花リム」の楕円皿です。「ガトー・ア・ラ・クレーム」は、昔懐かしいバタークリームケーキのイメージを一新した見た目だけでなく、味も切り分けた断面も美しい。
2段に重ねた、しっとり重めの生地の間にもホワイトガナッシュが挟んであります。
何の花に見えますか? わたしの第一印象はパンジーでしたが、じっと見つめていたら、一重咲きのばらや白牡丹、クチナシの花にも見えてきました。
器を縦置きにしたところです。長径約31cm、短径約25cm、高さ約2.5cm。楕円形ですので、見栄えのする上に、場所を取りません。大皿としてひとつは欲しい使いやすいサイズ感です。
裏の造作も見たいですよね? 底面は高台をつけないフラットな仕上げです。底面にはかわいい目跡(めあと)が6つ。
目跡とは、火入れをする際に溶けて流れた釉薬が窯板に溶着するのを防ぐために、陶磁器と窯板の間に嚙ませた粘土の跡のこと。李朝の器等にも見られる、古来から続く焼成法です。
「ガトー・ア・ラ・クレーム」にはどんなお茶が合いますか? 煎茶堂東京さんのおすすめは「017 藤枝かおり」です。
80℃くらいの高温で1分ほど抽出して淹れてみてください。口中でバタークリームが夢のように儚く溶けて良い感じです。
今回使用した器
今回使用したお茶
SAVEUR「ガトー・ア・ラ・クレーム」
価格 | 1ホール 3,456円(税込) |
販売期間 | 通年 |
販売場所 | SAVEUR店頭ほか、オンラインストアでもご購入いただけます。 〒145-0071 東京都大田区田園調布2丁目51-1 |
営業時間 | 10:00-19:00 水曜定休 |
電話番号 | 03-5483-0071 |
URL | saveurbonjour.com |
福田里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学卒。『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『民芸お菓子』(Discover Japan)など料理・お菓子に関する著書多数。Instagram:@riccafukuda
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