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福田里香「Happy Holiday Weeksの緑茶とお菓子」私が器を使うなら vol.034

2023年12月04日

by 煎茶堂東京編集部

使う人によって、全く違う表情を見せるのが、器の面白いところ。一緒に使うカトラリー、テーブル、部屋に入る光の加減……。もちろん、どんなスイーツやお料理を載せるかもその人のチョイス次第。

煎茶堂東京オンラインで販売している器やカトラリーを、菓子研究家・福田里香さんに使っていただきました。

Happy Holiday Weeksの緑茶とお菓子

Happy Holiday Weeks!

冬の祝祭にふさわしいおやつをご紹介します。お茶をおいしくするお菓子の特徴は「ほろほろでこなこな」です。

スペイン菓子工房「ドゥルセ・ミーナ」の「アンダルシア菓子 味比べセット」は、みんなが大好きなポルボロンと珍しいアンダルシア地方の焼き菓子マンテカードの詰め合わせ。

赤や青のインクで文字や店名、クラシックな飾り罫を印刷した半透明の紙……デザインや紙質まで本場スペインの伝統を踏襲しているところにグッと心を掴まれます。

ほろほろの生地を口に運ぶと上手に食べようとしても、はらはらとこぼれるから、それを紙で受けて、最後は粉薬の要領で口中に振り入れる、そしてお茶で流すというところまでが、おいしさの内です。

そんな愛すべきお菓子を、紙上征江(かみうえ・まさえ)さんの白磁の「ゴブレット」に盛り付けました。本来は飲料のための器ですが、たまにはコンポート皿のように使ってみてください。

器の造りの端正さが小菓子のかわいさをさらに引き立てます。

側面です。

ちょうど椅子に座ってテーブルのゴブレットを見た人の目線くらいの角度でしょうか。紙上さんのゴブレットのサイズは、直径約10cm×高さ約11cm。

ボウル部分の側面には上下に入った2本の優美なライン。リムからボウルの底へ、ラインを境に変化する曲線が美しい。

3本のラインが入ったステムのデザインは、装飾的でありながら、指で摘まみやすい工夫でもあります。

横に倒してみました。

優美なフォルムのプレート(フット)の裏側の造作も工夫に富んでいます。同心円状に厚みを削ってあるから、大振りなゴブレットなのに重さを感じません。

ポルボロンやマンテカードに近い味だと感じるお菓子は意外ですけど、上等の豆の粉入りの干菓子(打ち物・押し物)などの和菓子です。口に含んだ途端にはかなく崩れるスペイン菓子の食感と粉自体が持つ風味は、緑茶にもよく合います。

「煎茶堂東京」のティーコンシェルジュさんのおすすめは『063 さやまかおり』です。フレーバーのある洋菓子にも負けない味と香りでペアリングに好相性です。

通常レシピで淹れると、萎凋香(いちょうこう)を感じるお茶 * だそうです。一煎目は70℃のお湯で1分20秒、二煎目は80℃のお湯で10秒蒸らしてください。

*萎凋香を感じるお茶  摘み取った茶葉を風通しのよい場所に広げ、萎れる過程で微妙に茶葉を発酵させる工程を経た香りのよいお茶のこと。

今回使用した器

今回使用したお茶

ドゥルセ・ミーナ「アンダルシア菓子味比べセット(小)10個」(ポルボロン/マンテカード)

価格 10個入り 2,484円(税込)
販売期間 通年
販売場所 〒302-0131
茨城県守谷市ひがし野3-11-2
他、オンラインストアでも購入いただけます
営業時間 10:00-17:00
日曜・月曜定休
詳細はホームページをご覧ください。
URL dulcemina.jp

福田里香(ふくだ・りか)さん

菓子研究家。武蔵野美術大学卒。『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『民芸お菓子』(Discover Japan)など料理・お菓子に関する著書多数。Instagram:@riccafukuda

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