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福田里香「和菓子とお茶で、夏の猛暑を涼やかに」私が器を使うなら vol.038

2024年07月01日

by 煎茶堂東京編集部

使う人によって、全く違う表情を見せるのが、器の面白いところ。一緒に使うカトラリー、テーブル、部屋に入る光の加減……。もちろん、どんなスイーツやお料理を載せるかもその人のチョイス次第。

煎茶堂東京オンラインで販売している器やカトラリーを、菓子研究家・福田里香さんに使っていただきました。

和菓子とお茶で、夏の猛暑を涼やかに

食卓に高低差を生み出してくれる高杯(たかつき)の器は何かと重宝です。

北井里佳(きたい•りか)さんの「祭器(さいき)」に、「鶴屋吉信」の夏の銘菓「御所氷室(ごしょ ひむろ)」を盛り合わせてみました。

製氷技術のなかった時代、京都の宮中では氷室で保存しておいた希少な氷を夏に食することで、無病息災の祈りを込めて暑気払いをする慣わしがあったそう。

この故事に倣い、摺り琥珀(すりこはく)の技法を用いて、伝統的な氷型に成形した干菓子が「御所氷室」です。摺り琥珀特有のシャリシャリッとした歯触りに、かき氷を思わせる涼味を感じます。

直径約13cm 、高さ約65cm。

光の加減でうっすら青味を帯びたり、淡いクリーム色にも見える複雑な色合いにうっとり。この器のサイズ感は、お菓子以外にも酒肴、香の物、先付け、薬味など盛り付ける料理を選びません。

底面から見たところ。

高杯の高台部分の内側は空洞なっていますから、見た目に反して軽量です。

ひとり分を盛り付けてもぴったりの寸法。

「御所氷室」の菓子箱を開けると、目に飛び込む鮮やかな新緑色は、夏の季語として親しまれている青楓の干菓子です。

箱の中に一葉だけ添えてあるところに日本の美を感じます。ほのかに梅酒の風味を感じる摺り琥珀に散らしてあるのは、冬に咲く梅の花を表現した、丹波大納言小豆。

「煎茶堂東京」ティーコンシェルジュさんのおすすめは、京都南部の山の頂から雲海を見下ろす秘境の地「童仙房」で作られる緑茶『022 かなやみどり』。

80℃程度の「煎茶にしては少し高温」で淹れていただくとおいしい品種です。

今回使用した器

今回使用したお茶

鶴屋吉信「御所氷室」

価格 10個入り 1,458円(税抜)
販売期間 期間限定(〜8月下旬まで)
販売場所 鶴屋吉信 本店・直営店(詳しくはお問い合わせください)
他、オンラインストアでも購入いただけます
営業時間 鶴屋吉信各店舗の情報をご確認ください
URL shop.tsuruyayoshinobu.jp

福田里香(ふくだ・りか)さん

菓子研究家。武蔵野美術大学卒。『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『民芸お菓子』(Discover Japan)など料理・お菓子に関する著書多数。Instagram:@riccafukuda

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