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作り手のことば「意味づけをすり抜けて匿名でいることが魅力的」陶芸家・横山拓也さんインタビュー

2022年04月21日

by 神まどか

煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。最近の趣味は中国茶と茶道具収集です。

岐阜県・多治見市で作陶する横山拓也(よこやま・たくや)さん。横山さんが作る作品には、思わずじいっと魅入ってしまう表情の美があります。煎茶との時間に是非使っていただきたいと思い、今回煎茶堂東京でのお取扱いが実現しました。

作家の個人ではなく作品を見て欲しいと話す横山さん。今回は、横山さんの脳内を少しだけ覗くことができたインタビューになりました。

横山さん、今日はよろしくお願いします。横山さんの工房は岐阜の多治見にあるんですよね。

よろしくお願いします。はい、多治見にあります。

でも作業場はもうシッチャカメッチャカで……。よくある陶芸家の素敵な工房みたいな感じとかがもう180度違うようなところなんですよ。

よくインタビューで工房の写真とか僕の顔写真をのせたいと言われることがあるんですが、そういうのは全て掲載していません。

そうなんですね。

できるだけ自分を隠しながら、作品だけを見ていただきたいなと。

批判的な意味じゃないんですが、割と陶芸の世界って作品ができる以前の物語が付加価値として加えられていく流れがあるなと感じているんです。

例えばどういう土を使って作ってるかとか、どういう窯を使って焚いているのかとか、どういう場所でやってるんだろうかとか、そういうのでイメージが先行されてしまうような気がして……。

だけど自分の場合は工房も借りてるものだし、土もその辺の粘土屋で買ってきたものを使っています。作る前のものにストーリーがある方がわかりやすいんだろうなと思うんですが、作品が“窯から出た後”の話をしたいなと思っているんです。

なので僕の場合は「こういう思いで自分が作ったので、それ通りに解釈してほしい」っていうのは全くなくて。自分の仕事は外に出したところで終了で、あとはもういかに解釈してもらっても構わないっていうのがスタンスなんです。

作るまでの話を聞いてくれるのが嬉しいっていう作家さまもいらっしゃると思いますし、横山さんみたいに出したものが全てだから好きに解釈してくださいっていう作家さんもいらっしゃいますよね。

そうなんです。僕はそのタイプで、10人の方が自分の作品を手にとっていただいたら、そこから10通りのストーリーができていくのが面白いと思いますね。

ちょっとこの間いい言葉を見つけたんですけれど、今話題になってる日本の映画で「ドライブ・マイ・カー」という作品に出てる……。

アカデミー賞で外国語映画賞を獲った。

それです。で、主演女優の三浦透子さんが新海誠の「天気の子」っていう映画の主題歌を歌ってるんです。その時にRADWIMPSの野田洋次郎さんが、三浦さんの歌声を確か「匿名性が物凄くある」と言っていたんですけど、その“匿名性”って言葉がいいなって。

今はいろんな人が出てきたものに対して意味づけをしようとするんですけど、その意味づけをすり抜けて、匿名でいて、なおかつ全体に届くということが僕には魅力的に思えて。透明で色づけられてないけども、いろんなふうに解釈ができたりとか。

まっさらな状態で受け取って、自由に解釈するというような。

そうです。そこで僕もそういうスタンスの上で作ってるなということに気がついたんです。

宙づりの状態にするっていうんですかね。もしかしたらこれはコップでも使えるかもしれないけども、デザートを入れてもいいんじゃないかとか、いろんな解釈の仕方が増えていくっていう気がして。

そう考えていくうちに、できるだけ自分も匿名でいたいしそういう物づくりをしたいなと思うようになりました。なので仕事場とか顔も出さずに作品だけでイメージしてもらえたらなと思っているんです。そこからお客さまが自由に「私だったらこうするわ」みたいな感じで想像してほしい。

あとは、例えば作ってる物をある文章の体形で説明するときっとこういう感じになるんだろうなっていうのは想定したりするんですよね。こういう釉薬で、こういう土で…と。

でもそういうのじゃなくて、お抱え詩人みたいなのを雇って、作品を何行かの詩であらわして、掴みどころがないイメージだけを漂わせていきたいなと思っていたりします。

それは面白いですね。やったことありますか?

ありますよ。ふと誰かにエッセイとか詩とかを書いてもらうのがいいんじゃないかと思って、いつも展覧会で写真を頼んでる友人に1枚写真を撮ってもらって、そこに載せる形でいろんな人にお願いして、自分の作品とは関係あるようで全く関係ないような文章を書いてもらったんですよね。

それだけで一つの作品になりますね。

そうなんです。もしこれが写真集だとしたら左側に作品の写真があって、右側によく分かんない文章が載っているけれど、どこかでシンクロして一つの物語が始まっていくみたいな、そういうの面白そうだなと思ってやってみました。

皆さん結構面白い文章書いてきてくださいまして、ある方は文章の見出しが、「横山くんに初めて会ったのは確かあれはベトナムでのバスターミナルで…」みたいな感じなんですけど、それが全く嘘なんです(笑)

嘘なんですか!

全然嘘なんですけれど、そういう文章があって、自分の写真があって、そこから何か一つ物語が感じられるものを作れたら面白いなと。

それ、目立ちますね。

そうなんです。自分の作品に自分の言葉を載せると、自分で作った100%のものをまた自分の手で120%にしなきゃいけないのかな…って考えてしまって。それであれば他の方に色々おまかせしたいなと(笑)

文章を頼んでる中で編集者の方がいるんですけど、その方に「編集の仕事ってなんですか」と聞いたら、それは「作家さんが作ってきたもの100%を120%に価値を引き上げること」と言っていたんです。

それなら、自分が編集者みたいになって、誰かの力で自分の作ったものの価値を120%にして欲しいなと思って始めました。

誰かがいつか考えつくようで、でも誰もやってなかったことかもしれないですね。

でもさっき僕が言ったような風じゃなくても、感じてくれたことを書いてもらえたら嬉しいです。

逆に、専門的な言葉で自分の作品を説明してもらいたいっていう欲が全然なくて。自分たちの世界でこういう仕事をしていると、どうしても目線が“焼き物を好きな人”に対して向くようになってしまいがちだと思うんです。

別に片方を大切にするわけじゃないんですけれど、いかにして新しい人に興味を持ってもらえるか、どうやって昨日まで全く焼き物に興味がなかった人に今日から振り向いてもらうかっていうのを自分の中でいつも考えています。

僕が好きになった音楽は、大体イントロを聴いただけで「何なんだろうこの歌は?」と一発で好きになってしまっているんです。そんな感じのものに自分もなれたらなって……。

たまたま通りかかった人が、何これ?って振り向いてくれるような。それで初めて焼き物に興味を持ってくれる機会を作りたいと思っています。

ふと目にとまると、なんだ?ってなりますよね。入り口は色んなところにあると思います。

そうなんですよ!これは一体なんなんだ?と。これは焼き物なのかっていうところからその人なりの感じで入ってもらう、そんな入り口を作れることを自分の中では大切にしています。

例えば電車とかに乗っていても、「山手線の車両に今乗っているけど、この中で焼き物に興味ある人って何人いるんだろう」って思うと、0〜1人ぐらいかなと思っちゃったりとかして。

じゃあどうやって自分たちのやっていることにアクセスしてもらうかと考えたら、専門知識よりももっとシンプルに器を楽しくて面白いと感じてもらえて、そこできっかけをつかんでもらうのがいいんじゃないかと。

敷居を下げるとかでもなく、全く別の方向から発進するっていうのが自分には合ってるんですよね。

いろんな方向のドアを開けておくみたいな感覚ですかね。

そうですね。この一つしかなくてっていうんじゃなくて、いろんな角度からアクセス可能っていうか。この世界にずっといると、いろんな言葉が使い古されてしまっていて、うっかりすると自分で自分のしていることの価値を狭めてしまうような気がするんです。

なので、新しい器との触れ方を見つけていって、昨日まで器に興味がなかった人がひょんなきっかけで器って面白い!と、手に取ってもらえる機会が増えたらいいと思っています。

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愛用してます

1ヶ月使用してみた感想です。
普段使いにほぼ毎日使用しています。
カレーやガパオライス、オムライスなどスプーンを使った食事の時は、かえしがあるので最後まで綺麗にお米がすくえるのが良いです。程よい深さがあるので、汁気のあるおかずをのせても安心です。
厚めでしっかりした器ですので、安心感があり普段使いにとても使いやすいです。
ただ、画像では分からなかったのですが、灰釉薬の盛りあがった模様?みたいなのがあり、個体差があります。(曲線だったり、ダラダラと流れるように付いていたり)気にされる方は注意が必要です。

香りが立ち、口当たりがよいです

白磁が美しく、形もシンプルで無駄がなく美しいです。
特筆は2つあり、唇をあてた時の器の触り感がとてもよいこと、もうひとつは形状と素材から香りがよく立つことです。
はじめ自分用に1つ購入したのですが、ゲストにも体感させたく2つ追加で購入しました。

038 YAMANO IBUKI 山の息吹
まゆみ 若松

香りとコクが気に入り何度も購入しています

新茶の味

とてもフレッシュな香りが、パッケージを開けた瞬間から漂っていました。
目にも鮮やかなグリーンと甘みのある美味しい味でとても堪能しております。

娘の出産(前)祝いにプレゼント

娘は、ベビーの肌着やお世話セットなどを入れて、生まれる日を楽しみにしています。
子供には本物をというわたしの願いにも、ぴったりな品でした。いつの日か、お孫ちゃんが手に取って遊んでくれるかな。大切なものをしまってくれるかな。おままごとの主役になったりして。素敵な角物に出会えたおかげで、これからワクワクが続きそうです。

透明急須 二級品
晶子 江口

何も問題がなくとても使いやすいです

友人母へのギフト

友人からのコメントです。
「ハイセンスなギフトで母の趣味ど真ん中だったようで、とても喜んでいました🎁✨」

遠方に住む義母に贈り、とても喜んでもらえました。

058 HARUMIDORI はるみどり
けい さいとう
旨味がすごい!

低温でゆっくりいれるとびっくりするくらい旨味が出てきます。

まろやか

低温で淹れるとまろやかでそっと甘い一煎目が飲めます!これが最近の朝の楽しみです♪

桃の香りと薔薇の花びらで幸せ

母の日用ですが、自分用に。桃の良い香りと薔薇の花びらで鼻も目も幸せいっぱいです。バンダナに使えそうなハンカチも可愛いし、自分用に買って大正解でした!

美しくてワクワク

デスクの上のごちゃごちゃしたものを仕舞いたくて購入しました。とても美しいうえに、蓋の開け閉めにはストレスが全くなく、サイズの微妙なズレなどもありませんでした。おにぎりやサンドイッチもいいなぁと色々想像が膨らんでいます。

最高です。

いつもこだわった商品を販売してくださり、大変感謝しております。他よりも早く今年も新茶が自宅に届きました。いつもより甘みが強く、爽やかな春の訪れを感じました。

かわいいし 使いやすいです

私はお菓子を入れるのに購入しました。まるで宝箱です😊好きなお菓子を詰め込みたいです。余ったスペースには紅茶のティーパックも入れました。いい気持ちです。

使い勝手のよい素敵な器

口に当たる部分が少し湾曲していて、口触り(?)が良いところ、透明急須一杯分がぴったり注げる大きさなところ、がとても気に入っています。
テラを購入しましたが、淡い水色のお茶やヨーグルトがよく合います。とても可愛らしくて、他の色も揃えたいです。
大事に使います!

とても贅沢な時間を過ごせました

お味も体験も、お値段以上の満足度です。

厚さがちょうど良く軽い。
とてもおしゃれ。

やっぱり良かった!

買うかどうか迷っているうちに、もう何年も経ってしましました。二級品があると知り、即購入しました。どこが二級品なのか分かりません。家族も気に入ったので追加購入するつもりです。

とても飲みやすい抹茶

点てやすく、味も飲みやすい抹茶です。

TOKYO TEA JOURNAL
けい さいとう
いつも美味しくいたたいてます。

毎月3種類のお茶が楽しめて、気に入ったお茶をリピートして購入しています。ホッとしたい時にゆっくり時間をかけて楽しんでいます。

季節を感じる

温暖化の影響でハッキリとした四季をあまり感じなくなりました。
この定期便申込んでからそれぞれの季節のお茶が送られてくるのでそこで四季を感じています。

試着のように飲めるお茶

定期的に届く色々な種類のお茶は、飲みきりサイズなので、一息つきたい時にうってつけ。付属のフリーペーパーに載る、届けられたお茶の情報をノートに貼り、美味しいと思ったものを記録している。次第に自分の好みが浮き彫りとなっていくのが面白い。
欲を言えばお茶の小袋に、何度のお湯で何分、という情報を明記してもらえるとありがたい。

お茶がますます好きになりました。

届くたびにワクワクする内容で、毎回新しい発見があります。
味わいや産地の背景、淹れ方のコツまで丁寧に紹介されていて、お茶の奥深さを感じられました。
特に季節ごとの特集が素敵で、自宅でのティータイムがもっと豊かになりました🍵
初心者にもわかりやすく、お茶が好きな方にはもちろん、これから知りたい方にもおすすめです!

TOKYO TEA JOURNAL
美子 冨永
毎月楽しみ

毎月、美味しいお茶が届くので楽しみにしています
ポスト投函なので、なかなか帰省できない
実家にも送っています
同封の冊子も、いつもとても綺麗です

TOKYO TEA JOURNAL
望加 大塚
彩り

tea journalを初めてから生活に新しい彩りが増えました。
お茶と一緒についてくる読み物を読みながら、季節のお茶にどんなおやつに料理を合わせようか、どんな茶器を合わせようかと考える時間がすごく楽しいです。
お茶を飲んでゆっくりする時間を与えてくれるtokyo tea journalが私は好きです。