自称”くいしんぼう”の陶芸家、千田稚子(せんだ・わかこ)さん。食べるのも、作るのも好きだという彼女は、料理からインスピレーションを受けて器を作ることも多いそうです。食事を支えるための皿、調和しながら静かに彩ってくれる器を作っています。
千田さんは地元のテレビ局に一度就職したあと、大学時代から憧れていた陶芸の世界へ足を踏み入れました。
2000年から岡山県中区藤崎に「陶工房ゆうらぼ」を開き、活動されています。工房を共同で主宰されている陶芸家の三宅史家さんは、岡山大学教育学部特美、陶芸科を同じ年に卒業された学友とのこと。個々に制作、発表をしながら、器展を共同開催したり陶芸教室を営んでいます。
シンプルかつ機能的でありながら、素朴な個性が光る千田さんの作品。今回は「灰釉縁立皿」をご紹介します。
料理の盛り付けを考えたくなる「灰釉縁立皿」
縁が内側に向けて立ち上がっているボウルのような形状で、サラダや汁気のある煮込みの料理、どんな料理も受け止めてくれます。
灰釉のやさしい表情も、色のある料理を引き立てる役割を果たしてくれます。どんな料理を盛り付けようか、誰と一緒に楽しもうか。そんな楽しい想像が働くような器です。
自分の料理だけではなく、母や祖母が作ってくれた料理の原風景も、彼女の作品に息づいています。また自宅と工房が隣接していて、作陶の合間にも自宅に戻り、家族のために食事を作ることが制作のリフレッシュと新しいアイデアに繋がっているそうです。
同じものを食べて飲んで、話をする。大切な家族や友人たちとテーブルを囲む時間が深く濃く彩られるものである。だからこそ料理を作る人の想いが映える器、使う人の気持ちに寄りえるような器でありたい。そんな千田さんの願いが込められた作品は、日々の愛しい食卓をささやかに彩ってくれます。
千田稚子さんの作品一覧
作り手のことば
「器は料理だけでなく、作った人の気持ちまで盛るもの」陶芸家・千田稚子さんインタビュー
器づくりの話に移りますが、器を作る工程の中で、千田さんが好きな工程と理由を教えていただけますか。
ろくろで水引きしたものを削るときです。頭の中や紙に描いてイメージしていた形が、実際に立体として浮かび上がってくるのが好きですね。
ポットや茶壺はパーツが多く、組み立ての工程も多くなります。いざ完成しても水切れが良くないなどリスクも多いアイテムなんですが、なぜか作るのが好きなんですよね…。時間に追われているときにポットを作るのは、なかなか苦しいのも事実なんですけど。
千田さんは「いっぷく」という言葉を大切にされていますよね。お茶を飲んで「いっぷく」する瞬間は、千田さんにとってどんな意味を持つひとときなのでしょうか?
うーん…忙しいときや行き詰まっているときに自分を「よしよし」となだめる時間でもあるし、集中モードに入ろうとしている自分を励ます時間でもあるし…。あと、ひと仕事終わったときには、頑張った心身をリラックスさせてあげる時間でもありますね。
「いっぷくしたいな」と思ったら、身体が深呼吸を求めているんだなと判断して、いそいそとお湯を沸かします。
「いっぷく」の良いところは、時間がそんなに長くないこと。ダラダラと休まず、スッと背筋を伸ばして、それまでの流れの中にまた戻っていけるのが「いっぷく」なんです。
目の前の人が疲れていたり、根を詰めていたりするときも「お茶入れるからいっぷくしよう」と声をかける。これは「休んだ方がいいよ」「無理しないで」といった言葉とは少し違って、その人のやる気を邪魔せず、優しく寄り添う感じがするのが素敵だなと思ってます。
千田さんが考える、器を作るうえで一番大事なことを教えてください。
「余白」です。
私の場合、器ができるきっかけは「この料理をこんな風に盛りたい」という具体的なイメージです。料理を盛ったときに器の上にできる余白や、器の周りにできる空間、空間における佇まいなど、実際に使っている状況をイメージしながら制作することになります。
飽きずに使えて、他のものとなじみやすいシンプルな器を作りたいので、使われているところをイメージするのが大切。そのイメージが、デザインしすぎず余白を持たせるという、抑制にもつながっているんだと思います。
お買い物前に
・ひとつひとつ、手作業で型から形を起こしています。釉薬の加減や色合い、大きさなど全て同じものではございません。それぞれの表情をお楽しみください。
・同じものを複数個ご購入いただいた場合でも、サイズや釉薬が完全に揃わないことがございます。特に形は手で作られているものですので、ご了承くださいませ。釉薬に関しては、釉薬は自然物を使用しています。また、窯の中で変化する温度によって、釉薬の色が変化する場合がございます。工業品とは異なる性質のものですので、ご理解の上ご購入いただきますようお願い申し上げます。
・初めてのご使用の際には、必ず水かぬるま湯で洗ってください。
・お使いになった後の汚れは早めに落とし、よく乾かしてから保管をしてください。
・重ねる時は薄紙を一枚間に挟む優しさでキズがつきません。
・食器洗い機のご使用については、あまりお勧めいたしません。詰め込みすぎは破損の原因となります。ご注意ください。
・底面処理をしておりますが、もし裏返してざらざらしていたら、目の細かい紙ヤスリで軽くこすりなめらかにしておくのをおすすめいたします。
・イメージが異なるなどお客様都合での返品は受けつけておりません。
避けてほしいこと
・研磨剤・研磨剤入りの洗剤・クレンザー・金属たわし等のご使用。(強くこすると表面に傷がつくことがありますので、ご使用は避け、柔らかいスポンジで洗ってください。)
・冷蔵庫から取り出した直後の電子レンジのご使用。(ヒビや割れが生じる恐れがありますのでお避けください。)
・ひびや亀裂が入った時のご使用。
・テーブルがキズつく事がありますので器を引きずらないようにお気をつけください。
・作品によっては、釉薬の違いで長時間水につけておくと、シミになることがあります。長時間の放置はお控えいただくことをお勧めします。
商品仕様
原産国・地域 | 岡山県中区藤崎 |
仕様・混率 | 半磁器 |
重量 | 約394g |
外寸(高さ) | 約40mm |
外寸(直径) | 約170mm |
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