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代々木上原「セララバアド」の四季と物語を感じる料理に出会う | 橋本宏一さんインタビュー

2022年11月14日

by 煎茶堂東京編集部

代々木上原から少し歩いた、閑静な住宅街に佇む「セララバアド」。ここは、“世界一予約の取れないレストラン”として知られるスペインの「エル・ブリ」で経験を積んだ後、マンダリンオリエンタルホテル「タパス モラキュラーバー」で料理長として活躍した橋本宏一さんがオーナーシェフとして腕を振るうレストランです。

橋本さんのつくりだす料理の数々は四季をテーマに構成されており、一皿ごとにストーリーを感じられるクリエイティビティあふれるメニューに次々と出会えます。

オーナーシェフの橋本宏一さん

そんなセララバアドでは、コースの最後に東京茶寮オリジナルブレンドの煎茶をいただくことができます。そして、煎茶を淹れるのは急須ではなく、東京茶寮でも利用している煎茶用ドリッパー。

お茶とドリッパーについて、橋本さんは「はじめて見たとき、セララバアドのコンセプトにぴったりだと思いました」「料理の後に、ここでしか飲めない煎茶を楽しんでほしい」と言います。

セララバアドのお料理が私たちに見せてくれるストーリーと味わいの面白さは、東京茶寮がお茶を通してお客様に伝えていきたいお茶の新しい魅力と何か通づるところがあるように感じます。

今回は橋本さんに、セララバアドの料理のコンセプトやお店への思い、そしてお茶の話を伺います。

新しいテクニックを使って、四季と物語を一皿に

季節感や物語を感じられるセララバアドの料理ですが、橋本さんがメニューを作る上で大切にされていることは何なのでしょうか。

新しいテクニックを使って自然を表現したいと考えていますが、特に日本の季節や原風景のようなものを表せるといいなと思っています。

自然を表現したいという思いが、どのようにして生まれたのか気になります。

若い頃にダイビングをやっていた影響で石垣島で暮らしたり、パーマカルチャーの本を読んだりしていた頃もあったので、自然にはもともと興味はありました。

1番のきっかけとなったのはマンダリンオリエンタルホテルのタパス モラキュラーバーで働いていた頃でした。タパス モラキュラーバーは日本における「分子ガストロノミー(分子調理)」の先駆けとなるレストランで、そこでは液体窒素やエスプーマを用いたメニューを多く作っていました。

ですが、そういった化学的なものを突き詰めていくうちにふと、自分が元々興味のあった、もう少しナチュラルなことをしたいという思いが強くなってきたんです。そこで独立と共にもっと自然や素材の持ち味を生かした料理を作っていこうと決めました。

橋本さんが季節を切り取るとき心がけていることがあれば教えてください。

ストーリー性や情景、香り……それを料理と合わせて表現することでしょうか。たとえば秋の時期にお出ししている一皿は、落ち葉の森のようなイメージです。

プレートの上に並ぶのはトリュフをイメージした豚のコロッケや、巨峰に見立てたレバーのムースにぶどうソースを合わせたものです。

それぞれのモチーフを並べて、ストーリー仕立てにしています。真ん中の「おっとっと」のようなものは豚の形になっていて、豚がトリュフを掘り出している様子を想像して作りました。

思わず微笑んでしまうような、あたたかいストーリーを感じながら楽しめるのですね。他にはどんな料理があるのでしょうか?

森の朝をイメージした一皿も、秋のシーズンの料理としてお出ししています。これは下に冷えたドライアイスが敷いてあって、提供時に森の香りのエッセンスをかけると、ドライアイスから煙が出てきます。エッセンスはヒノキなどの香料を混ぜて、森にいるような香りを演出しています。

ドライアイスから出る煙が、朝霧のように柔らかく立ち上がってきてまさに「森の朝」ですね。お料理としてはどんな素材を使っているのでしょうか?

アボカドをベースにピスタチオ、煮詰めたオレンジジュースなどを混ぜたムースを、真空の器械にかけた後に凍らせます。この工程によって空気の泡が大きいムースになり、アボカドやピスタチオを食べているのに軽やかな印象になります。

コースメニューを作るとき、意識していることを教えてください。

料理を通して多くの人に伝えるためには、分かりやすさが必要だと思っています。なので、結構ベタなテーマを組み合わせていきます。

新しいアイデアも、ネットでワード検索することも多いですし、雑貨屋さんに行って「あのディスプレイ、料理にも取り入れられるな」とか考えながらストーリーを組み立てていきます。

セララバアドという店名は宮沢賢治の書いた物語に関連しているとのことですが、お料理それぞれから文学性を感じ、なんだか納得しました。店名にはなにか特別な思い入れがあるのでしょうか。

宮沢賢治の『学者アラムハラドの見た着物』という物語に登場する少年の名前です。未完の、あまり有名じゃない話なのですが……小学校の時に読んでからずっと覚えていて。久しぶりに見たら「この物語好きだったな」と思い、名前を借りました。

なぜ、その少年の名前を?

学者のアラムハラドが生徒たちに「火がどうしても熱いように、水がどうしても下に落ちるように、小鳥が啼かずにいられないように、魚が泳がずにいられないように、人が何としてもそうしないでいられないことは一体どういうことだろう?」と問いかけるんです。

色々な答えがある中で、アラムハラドの期待していた答えは「人はいいことをせずにはいられない。」でした。でもセララバアドは「人はほんとうのいいことが何だかを考えないでいられないと思います。」と言うんです。その言葉に共感したし、この仕事にも通ずるものがあるなと感じました。

カジュアルだけど、ここでしか飲めない特別なお茶を

セララバアドは東京茶寮のドリッパーをお貸ししている唯一のお店なのですが、きっかけは何だったのでしょうか?

オープン前に、なにか料理に応用できるアイデアがないかと雑貨ショーに行ったのがきっかけです。そこで東京茶寮がドリッパーを出していて、うちのお店のコンセプトにぴったりだと思いました。その場で「お茶のコンセプトをお店に入れたい」と相談して、後日お店にも行かせてもらいました。

どんなところがコンセプトに合ってると思われたのか、気になります。

うちはカジュアルに楽しんでいただきたいお店なので、抹茶よりも煎茶の気楽さのほうが合っているなと思ったのが1番です。

ハンドドリップでお茶を淹れるという切り口の新しさやデモンストレーションの際のライブ感、ワクワク感も、セララバアドの「新しいテクニックを取り入れた料理」と相性がいいなと感じました。

同じ茶葉から一煎目と二煎目、2つのカップに淹れてお出しするのですが、それぞれ全然味も香りも違うのも発見がありますね。出会った時に「これだ」と思いました。

お茶は季節ごとに、特別ブレンドしたものを使っていただいていますが、ブレンドにした理由は?

ここでしか飲めないものを出したいと相談した際に「じゃあ、ブレンドだね」という話になって毎シーズン作り変えて頂いています。いつも3種類ぐらい送ってもらった中から、その時の季節やコースの気分に合うものをひとつ、選んでいます。

3種類の中からひとつ選ばなくてはいけないのは、悩ましいですね。

夏は爽やかなもの、冬はすこし甘みがあるもの、という感じで選んでいます。どれを選んでも間違いじゃないけれど、その中でも1個決めなきゃいけないから……最後は直感です。

秋シーズンのお茶はどんな雰囲気で決められたのでしょうか。

どれも美味しかったのですが、当たり障りないものよりも個性的な、ここでしか飲めないものを選びました。

その季節っぽさと味の構成が合っているか、苦味や旨味のバランスがいいか、そういうところだと思います。

お茶はコースの1番最後にデザートと一緒に出されるのでしょうか。

お茶菓子とあわせて、煎茶、コーヒー、ハーブティーの中から選んでいただいています。ハンドドリップは煎茶だけなので、一番手が込んでいます。

煎茶だけハンドドリップなんですね。

コーヒーのハンドドリップも導入を検討したことがありますが、煎茶のコンセプトがぼやけてしまう気がして。煎茶にちゃんと光が当たるように、ハンドドリップは煎茶だけにしています。

カウンターで煎茶を淹れていますが、ハンドドリップで淹れているときにお客様から反応はありますか?

人によっては立ち上がって見にいらっしゃる方もいます。茶葉は東京茶寮と同じく、天秤と分銅を使ってはかっているのですが、スタッフが道具を出す時に「懐かしい」と盛り上がったりします。

好奇心と期待に応えられる店であり続けたい

お客様は、どんな方が多いのでしょうか?

リピーターの方が多いですが、中には若い人も来てくれます。そういった料理への好奇心で来てくれることは、うちのレストランにとって最も嬉しいことのひとつです。セララバアドの料理を見て、食べて、ワクワクしてほしいというのが、1番の願いではあります。

新しい体験を、期待して来てくださるお客様、嬉しいですね。そんなセララバアドの今後の展望を教えてください。

今までも「自分のできる範囲はこれぐらいの大きさだろう」みたいな感じでやってきましたが、それはこれからも同じなんじゃないかなと思います。

その中でセララバアドは、手間をかけつつできるだけカジュアルに楽しんで頂きたいという思いでやってきていて、言ってしまえば非効率的なやり方ではあります。

物価も上がって厳しい世の中なので、何もせずに今のままを維持しつづけることは難しいと感じています。ですが2万円を握りしめて来てくださるような方をはじめ、今のセララバアドを好きでいてくださるお客様を裏切らないようにやっていかなきゃという思いがあります。

この世界観を楽しみにワクワクしてくださるお客様と、長くお付き合いしていきたい。

どこかを効率化していきながら、今来てくださっているお客様を、今までと変わらず大切にしていきたいですね。

セララバアド
住所:東京都渋谷区上原2丁目8-11 TWIZA上原1F
定休日:日曜日、月曜日
WEB:https://www.celaravird.com/

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私はお菓子を入れるのに購入しました。まるで宝箱です😊好きなお菓子を詰め込みたいです。余ったスペースには紅茶のティーパックも入れました。いい気持ちです。

使い勝手のよい素敵な器

口に当たる部分が少し湾曲していて、口触り(?)が良いところ、透明急須一杯分がぴったり注げる大きさなところ、がとても気に入っています。
テラを購入しましたが、淡い水色のお茶やヨーグルトがよく合います。とても可愛らしくて、他の色も揃えたいです。
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季節を感じる

温暖化の影響でハッキリとした四季をあまり感じなくなりました。
この定期便申込んでからそれぞれの季節のお茶が送られてくるのでそこで四季を感じています。

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定期的に届く色々な種類のお茶は、飲みきりサイズなので、一息つきたい時にうってつけ。付属のフリーペーパーに載る、届けられたお茶の情報をノートに貼り、美味しいと思ったものを記録している。次第に自分の好みが浮き彫りとなっていくのが面白い。
欲を言えばお茶の小袋に、何度のお湯で何分、という情報を明記してもらえるとありがたい。

お茶がますます好きになりました。

届くたびにワクワクする内容で、毎回新しい発見があります。
味わいや産地の背景、淹れ方のコツまで丁寧に紹介されていて、お茶の奥深さを感じられました。
特に季節ごとの特集が素敵で、自宅でのティータイムがもっと豊かになりました🍵
初心者にもわかりやすく、お茶が好きな方にはもちろん、これから知りたい方にもおすすめです!

TOKYO TEA JOURNAL
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毎月、美味しいお茶が届くので楽しみにしています
ポスト投函なので、なかなか帰省できない
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望加 大塚
彩り

tea journalを初めてから生活に新しい彩りが増えました。
お茶と一緒についてくる読み物を読みながら、季節のお茶にどんなおやつに料理を合わせようか、どんな茶器を合わせようかと考える時間がすごく楽しいです。
お茶を飲んでゆっくりする時間を与えてくれるtokyo tea journalが私は好きです。

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TOKYO TEA JOURNAL
幸博 渡部
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毎朝、煎茶を淹れて職場に持っていくんですが、これまで知らなかった銘柄が毎月届くので本当に楽しみで仕方ありません
煎茶も勿論ですが、ほうじ茶や烏龍茶などもとても美味しく頂いています
これからも毎月楽しみにしています

TOKYO TEA JOURNAL
秀文 永洞
お茶

小袋 お茶 3個付いてお茶の飲み方「ふーんこんな飲み方があったか?」次やってみようか、これは面倒じゃなどと読み終わりの方にお菓子の話し出てくるんだけどこれが好き!