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お茶の時間です vol.1「金木犀の香りで思い出す、あの曲とあの街」

2022年09月13日

by 煎茶堂東京編集部

はじめまして、苅田梨都子です。ritsuko karitaとして服を作っています。新しい連載として、短いエッセイを書くことになりました。お昼ご飯を食べて、また仕事をして、ふうっと息つくこの時間。ちょっと手を止めて、お茶でも飲んで、休憩してほしい。そんな気持ちから誕生したお茶時間専用エッセイです。あなたのティーブレイクに合わせて午後3時更新。

さあ、お茶の時間です。

金木犀の香りで思い出す、あの曲とあの街

金木犀は、夏の終わりから秋の始まりに咲きます。我が家の庭にも金木犀の木がポツンと立っていて、まろやかな橙色の小さな花びらがほろほろと咲きます。外に出ると風に乗った香りから秋を感じたり。

金木犀の香りを嗅ぐと、私はちょっぴり切ない気持ちになります。暑い夏なんて早く終わって欲しい。けれど、カラッとした日差しが急に無くなるのも恋しい。そんな風に思います。

そして、金木犀の香りで思い出すのは、バンド・きのこ帝国の「金木犀の夜」という曲がリリースされた年の秋のこと。その頃住んでいた街の金木犀の香りが漂う帰り道を、イヤホンでこれでもかというほど聴きながら歩いた記憶がこびりついています。

その時は、もう会えなくなってしまった人のことや夏が終わってしまうことなどを考えました。こういう気持ちに浸ること、実は結構好きです。そんなきっかけを金木犀は自然とプレゼントしてくれるかもしませんね。

今日いただいたのは、金木犀が入った釜炒り茶。渋みの中に金木犀の柔らかな甘さが仄かに漂うので、洋菓子にも合いそうで、少しフルーティさも感じられるお茶です。

お茶も、身体がじんわり温まる感覚や独特の苦味やうまみ、お供したお茶菓子のこと、誰かとお茶した時間などが記憶に残るものではないでしょうか。お茶は、記憶を閉じ込める飲み物。そんな風に考えた午後3時でした。

今回ご紹介したお茶

「ritsuko karita」デザイナー
苅田梨都子
1993年岐阜県生まれ。バンタンデザイン研究所卒業後、梨凛花を6年間手掛け現在はritsuko karitaとして活動中。2022年4月より母校にて講師として勤務。洋画専門チャンネル『ザ・シネマメンバーズ』にてコラム連載中。Instagram:@ritsuko627
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