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ニュージェネレーションのお茶。華やかな余韻に癒されてみませんか?『065 きらり31』【2024年6月試飲茶会】

2024年06月01日

by 小野寺友麻

東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。

煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は60種類以上(2024年6月時点)。その中でも、通年販売している茶葉と、期間を限定して販売している茶葉があります。

今回は、2024年6月から販売を開始するシングルオリジン煎茶をご紹介!
煎茶堂東京 銀座店ティーコンシェルジュ・四本と、東京茶寮バリスタ・小野寺が試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。

「たくさん種類があるけどどんな味なの?」「どう違うの?」「私が好きなお茶はどういうもの?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。

065 きらり31(鹿児島県産)

販売時期 6月〜7月
特徴 新緑を思わせる芳しい香りが口いっぱいに広がる。あとから深く沈み込むような香りの余韻が見事。

小野寺:
「おはようございます。早いもので6月です。先日、鹿児島県産の新茶に続いて静岡県産の新茶も入荷しましたね」

四本:
「おはようございます。あっという間に1年の折り返しが目の前です。暑い日も増えてきましたので冷たいお茶を飲みながら過ごしたいですね」

小野寺:
「今月のお茶は初めての紹介ですが、実は年末年始に特別デザインで登場していたお茶です」

四本:
「まだまだ新しい品種のようなので、みなさんとも味わい共有していきつつ、仲良くなっていきたいお茶ですね」

飲み終えた後の余韻が美しい。鹿児島県産「065 きらり31」

小野寺:
「この『065 きらり31』は鹿児島頴娃、下窪領太さんのお茶です。頴娃は下窪さんという苗字の方が多いですね。
今までだと『001 はるもえぎ』などの下窪康介さん、『005 おくみどり』の下窪英仁さん、『032 つゆひかり 頴娃』などの下窪健一郎さんなどもう既に3名の頴娃の下窪さんにお世話になっています」

四本:
「頴娃のお茶はそれぞれ人気があるお茶が多いですよね。今回の『065 きらり31』も楽しみです。茶葉は中蒸しのかぶせ茶です」

小野寺:
「中蒸しですが、茶葉は比較的細めです。明るい部分もありますが、かぶせ茶なので茶葉の色も緑が濃いですね」

四本:
「乾燥の茶葉は比較的甘めの香りがします。鹿児島のお茶らしいですね。甘い香りの中にい草っぽい爽やかな香りも感じます」

小野寺:
「先日の『2024年新茶 茂2号』で感じたマンゴーのような、南国フルーツを想わせる香りは独特だったのだと実感します。今回は初めての紹介なので、基本のレシピで淹れていきましょう」

四本:
「この『きらり31』は品種としても新しめのお茶で、2016年に品種登録がされています。『さえみどり』と『さきみどり』の交配です。『020 さえみどり』と『035 さきみどり 彼杵』とで親子の飲み比べもできそうですね」

小野寺:
「登録からまだ10年も経っていない…若い世代のお茶ですね。元々は宮崎県で登録された品種だそうですよ。落ち着く香りがしてきました。旨みも甘みも強すぎず、ホッとするような香りです」

四本:
「乾燥の茶葉のときはあまり感じなかったのですが、今は少し華やかさを感じます。なんだか優しくなれそうな香りです」

小野寺:
「澄んだ水色ですが、緑が鮮やかですね。香りは穏やかな印象ですが、味わいはどうでしょうか。いただきます」

四本:
「旨みも苦みも感じますが強すぎず、最初に旨みを感じてから苦みが後から追ってきます。飲み終わった後の香りの余韻が結構ありますね」

小野寺:
「苦みが残る訳でもなく、まろやかさを感じるくらいで味わいとしての余韻は香りほどは残らないです。
『きらり31』の品種名の由来ですが、太陽(SUN=3)の光をい(=1)っぱいに浴びながらすくすくと芽を伸ばし高品質な茶がいっぱい生産されきらりと光る品種となることを期待して命名されたそうです」

四本:
「元々『宮崎31号』というところも由来の一つですね。店舗でも“サン(3)をい(1)っぱいに”とお話できる機会をたくさん作れたらいいな…。クスッと笑える、誰かに話したくなる由来ですね」

小野寺:
「数字に意味がある品種はたまにありますが、調べてみると由来が面白いものがありますね。『はると34』も元々宮崎34号というのと、み(3)どりが良(4)という由来があります。全てではないですが、この謎解き感が味わえる由来がいいですね」

四本:
「二煎目も淹れていきます。水色が濃くなりそうですよ。このお茶もかぶせ茶ですが、鹿児島のお茶は比較的水色がよく出ます。もちろん深蒸し茶ほどではないですが、このお茶も緑がよく出ています」

小野寺:
「一煎目では甘さと華やかな香りがありましたが、二煎目は落ち着く香りに変わりました。青さがあって、甘み旨み苦みの具合が丁度いいです」

四本:
「茶葉の香りを直接嗅いだときより、飲んだ後に残る香りの余韻の方がしっかり香りを感じる気がします。面白い…。そしてこの香りの中に『さえみどり』の香りを感じます!」

小野寺:
「『さえみどり』と『さきみどり』の交配でしたよね。継がれた部分が見えると更に面白いです。二煎目は甘みとスッキリした印象です。苦みまではいかないですが青さがある中で、甘さが際立っています。むしろ一煎目の方が苦みがあったように感じます」

四本:
「一煎目は口の中に溜まるように、二煎目は鼻に抜けるような感覚で、感じ方が違うのかもしれません。香りの余韻が長く残りますね」

小野寺:
「一煎目、二煎目ともにまろやかさはあるのですが、二煎目の方がスッキリ。それにしても茶葉の緑の鮮やかさ、濃さは『さえみどり』を継いでいるのかもしれませんね。温度が落ち着いてくると味わいとしての苦みも感じやすくなってきました」

四本:
「このお茶は何と合わせたいかな…。今川焼きがいいかな。生地系が合いそうなのと、そして是非粒あんを合わせたいです。豆感を味わいながら、どら焼きやあんバタートーストもいいと思います」

小野寺:
「こしあんが欲しくなるお茶もありますが、このお茶は粒あんと合わせたいですね。甘納豆などお豆そのもののお菓子でも美味しそうです。カスタードクリームなど濃度高めのクリームとも良いと思いますよ。バターしみしみの焼き菓子だったり、バターサンドとも合わせてみたい…」

四本:
「ご飯だと、サーモンのフライなど少し脂が乗っている魚とも合わせたいです。このお茶の香りは口の中をスッキリとさせてくれそうです。合わせる食事の味が少し濃くても、お茶の香りは残ってくれそうです」

小野寺:
「揚げ物の連想ですが、とんかつソースとも合わせてみたいです。サーモンのフライはタルタルソースが良いかもしれませんが、とんかつやメンチカツとも合わせてみたいです。そういえば今まであまり思いつかなかったメニューですね(笑)」

四本:
「定食と一緒にあったら嬉しすぎる一杯ですね。少しカラシをつけていただきたいです。若干系統は変わりますが、肉豆腐とも合わせてみたいです。ご飯が進むメニューと合わせてみたです」

小野寺:
「お菓子も食事も少し味濃いめ、こってり油分が多めのものと合わせたいのかもしれません。でも是非お茶単体でも楽しんで欲しいものです」

四本:
「三煎目です。玄米茶にするとより甘みを感じます。玄米の甘さも引き立っています。二煎目で感じていた味わいの青さはなくなりました。玄米茶にすると急に穀物が凝縮されたような味わいになります」

小野寺:
「二煎目はこってり系と合わせたいと話していたのですが、三煎目はまた印象がガラリと変わります。更にスッキリ、サラサラと飲めるので食後にいただきたいです」

四本:
「このお茶は、今までの鹿児島のお茶で感じる南国フルーツ感や芋栗っぽさなどとはまた異なる香りの印象でしたね。『036 みなみかおり』もその傾向があるのですが、より華やかさを感じるお茶でした」

小野寺:
「『さえみどり』も『さきみどり』も青々しさや旨みを味わえるお茶ではありましたが、掛け合わせると新たな香りが生まれていますね。余韻だけでいうと、静岡県産のお茶のような雰囲気を感じられます。『きらり31』は新しめの品種、お茶界のニュージェネレーションですね」

四本:
「味わいや香りをみなさんと共有していきたいと思うとともに、6月16日には『和菓子の日』がありますので、お好きな和菓子を見つけてお茶時間を楽しんでいただけたらと思います」

「065 きらり31」の味わいノート

・一煎目、旨みも苦みも感じますが強すぎず、最初に旨みを感じて苦みが後から追ってくる。飲み終わった後の香りの余韻が特徴
・二煎目、甘みとスッキリした印象。苦みまではいかないが青さがある中で、甘さが際立っている。香りに『さえみどり』を感じる
・玄米茶、穀物が凝縮されたような味わいに。サラサラと飲めるので食後にいただきたい
・今川焼き、どら焼き、あんバタートースト、甘納豆、焼き菓子、バターサンドなどの甘味や、サーモンのフライ、とんかつ、メンチカツ、肉豆腐などご飯が進む系のおかずとも合わせたい

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