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【後半】試飲茶会 2023年11月販売のシングルオリジン煎茶3種を飲み比べてみました!
2023年11月06日

by 小野寺友麻
東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。
煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は60種類以上(2023年11月時点)。その中でも、通年販売している茶葉と、期間を限定して販売している茶葉があります。
今回は、2023年11月から販売を開始するシングルオリジン煎茶3種をご紹介!
煎茶堂東京 銀座店ティーコンシェルジュ・四本と、東京茶寮バリスタ・小野寺が試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。
「たくさん種類があるけどどんな味なの?」「どう違うの?」「私が好きなお茶はどういうもの?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。
前半の記事はこちら
濃厚な旨みと甘み、程よい苦み。「020 さえみどり」
小野寺:
「次は鹿児島県のお茶、王道の味わい『020 さえみどり』です。ファンの方も多いお茶ですね」
四本:
「少し久しぶりですね。茶葉もきれいですよ!乾燥の茶葉の香りは甘め、旨みも感じられて、海苔感もありますね」
小野寺:
「先程の『061 てんみょう』も海苔感を感じたので比べてみるのもいいですね。『020 さえみどり』は気分やシーンに合わせて温度を変えてもいいですが、今回は基本のレシピで淹れていきます。茶葉4g、70℃のお湯を120㎖注いで1分20秒待ちます」
四本:
「そういえば農家さんは異なりますが、『アールグレイティー』のベースの茶葉も『さえみどり』ですね!」
小野寺:
「そうでしたね。『アールグレイティー』は浅蒸し茶で、今回の『020 さえみどり』は中蒸し茶です。そして先程の『061 てんみょう』とも茶葉の様子や緑の具合が全然違います」
四本:
「淹れているときから落ち着く香り。旨みと甘みと青々しさと、香りだけでも既に美味しいと感じます」
小野寺:
「一煎目です。味わいは程よく苦みがありますが、特に旨みを感じますね。まろやかさに安心しますし、“王道の味わい”と言われることにも頷きます」
四本:
「後味には海苔を感じます。『020 さえみどり』も旨みがあって余韻があるお茶ですが、『061 てんみょう』と比べると余韻は短いと思います。こうやって比べてみると、『061 てんみょう』の飲む程に増幅するような味わいに気付かされます」
小野寺:
「『さえみどり』という品種は、優良品種の『やぶきた』と天然玉露の『あさつゆ』の交配でできた品種で、日本茶界のサラブレッドとも言われています。そしてこのお茶はオープンからお世話になっているお馴染みのお茶でもあるので、一煎目からお菓子が欲しくなってしまいます(笑)」
四本:
「二煎目も淹れていきますが、お湯を注いだ瞬間から緑が冴えていますね! 水色の変化も美しいです」
小野寺:
「個人的にはあまり濁らないような浅蒸し茶が好みではありますが、秋冬は特に緑が濃いお茶がいいな、と感じます。気持ちが明るくなる気がします」
四本:
「二煎目、茶葉の香りは旨みが減って爽やかないぐさっぽさを感じます。一煎目の余韻がまだ口の中を漂っていますが、二煎目をいただきます。……じんわりと苦みが増しました。今日の一杯目が繊細な『061 てんみょう』だったからでしょうか。いつもより濃く感じます」
小野寺:
「濃厚な味わいではありますが、やはりコンディションによっても感じ方は異なります。改めて対比が面白いですね。『020 さえみどり』はお煎餅もいいですが、あんこなど甘いものと合わせたくなります。でもご飯のお供にもいいですよね。照り焼きなど少し甘じょっぱいものとも合うと思います」
四本:
「これからの時期だと、ブリなどの魚、鶏、豚など食材を問わず楽しめそうです。このお茶は少しこってりしたものとも合わせたい! お鍋だったらすき焼きも美味しそうです。タレの焼き鳥も良さそうです…鹿児島は地鶏も有名なので、産地のペアリングもできますね」
小野寺:
「新米が出回っている時期でもあるので、定食にしていただきたいですね。やはり『020 さえみどり』は洋のものよりは和のものとの相性が良さそうですね。茶葉も繊細できれいです」
四本:
「和食と相性がいいので、三煎目の玄米茶にも期待してしまいます…。でも和だけではなく、以前いちごのフルーツサンドとも合わせたことがありましたよね。クリームともフルーツとも合わせられます」
小野寺:
「王道であるからこそ、どんなものとも合わせられる万能さがありますね」
四本:
「玄米茶もいいですね。お茶と玄米のバランスが絶妙です。はぁ〜と息をついてしまうお茶です」
小野寺:
「改めて『020 さえみどり』は淹れ方を変える毎に色々な表情を見せてくれます。水出し、急冷茶、今回の70℃・80℃・玄米茶。それぞれお好みを見つけるのも楽しそうです」
四本:
「どのお茶にしようか悩んだら、このお茶を基準にしてもっと甘いもの、苦いものと選んでみてもいいと思いますよ」
「020 さえみどり」の味わいノート
・一煎目、味わいは程よく苦みがあり、特に旨みを感じる。後味には海苔を感じる
・二煎目、じんわりと苦みが増す。濃厚な味わいだが一煎目よりはスッキリ
・玄米茶、お茶と玄米のバランスがいい
・あんこなど甘いもの、食事系だと照り焼き、すき焼き、焼き鳥(タレ)と合わせたい
ひとくちで、そして煎を重ねて変化します。「029 めいりょく」
小野寺:
「今月最後のお茶は静岡県産の『029 めいりょく』です。このお茶も少し久しぶりです」
四本:
「このお茶は飲む毎に印象が変わると言っても過言ではない一杯なので、今回どう感じるかも楽しみです!」
小野寺:
「そうですね。まずは茶葉が凄く濃い緑です。そしてこのお茶は中蒸しです。私はこのお茶の『ひとくちで味わいが3回変化する』という表現が好きです。本当かな?という感覚で飲んで欲しいです」
四本:
「乾燥状態の茶葉の香りはそんなに強くありません。少し青くて、ほんのり旨みを感じます。お湯を注いでからの香りが楽しみです。このお茶も基本のレシピで淹れていきます。茶葉4g、70℃のお湯を120㎖注いで1分20秒待ちます」
小野寺:
「茶葉の色も濃いので、茶葉の開きが見ていて美しいお茶です。先程の『020 さえみどり』も中蒸しだったので似ている部分もありますが、違いも見て取れます」
四本:
「淹れている瞬間からお湯に緑が移っていくようです。お茶を注ぐと旨みの香りが広がりました。茶葉がお湯に浸かっているときは香りがあまりしなかったので、香りを蓄えていたのかもしれません」
小野寺:
「旨みの香りから徐々に青々しさを感じるような香りに変化していきます。一煎目、いただきます。……味わいとしては甘みを一番感じます。でもやはり『029 めいりょく』は独特な風味があります」
四本:
「味わいと香りにギャップがあると思います。そして最初に青々しさ、次に穀物のようなほっこり感、最後に紅茶のような印象があります。正に一口で味わいが三回変化します。段階を踏んでいくように変化していく感覚です」
小野寺:
「わかります。飲み終えた後が華やかと言いますか、紅茶を思わせてくれます。味わい自体が強いわけではないのですが、個性を感じる一杯。なので記憶に、印象に残るお茶かもしれません…!」
四本:
「味わいはあくまでもバランス系ですが、香りや味わいに変化があるのが独特です。そして余韻も長いお茶です」
小野寺:
「これは二煎目での変化も楽しみですね! 二煎目は80℃で10秒ほど待ちます」
四本:
「水色がだいぶ濃くなりました。中蒸し茶ですが緑が深いです。二煎目は一煎目を飲んだ最後に感じたような華やかさを感じます」
小野寺:
「本当にいい色ですね。華やかさもありますが青さもあります。木々が生い茂っているような…森と表現したくなるような、深みを感じます。二煎目で苦みも出てきました」
四本:
「一口目より二口目…と増幅していくような、じわじわと広がる苦みです。苦みの蓄積はありますが、香りが鼻腔を抜けていく感覚があります。こうやって飲んでいくと、一煎目の個性が際立ちます」
小野寺:
「一口での変化とともに、煎を重ねての変化も楽しめるお茶ですね。茶葉もかさを増したかのように開きました。一煎目と二煎目、茶葉の開くスピードが全然違うのも見ていて面白いです」
四本:
「このお茶は個人的には洋菓子と合わせたいお茶ですね。ご飯系よりは甘いものでしょうか。フィナンシェなど焼き菓子と合わせたいです」
小野寺:
「香りで合わせたくなりますね。でも和菓子もやっぱりいいと思います。以前はつぶあんの最中と合わせたこともありましたね。段々変わっていく香りのどの部分に合わせようか考えたら、色々なペアリングができそうですね」
四本:
「今回は基本のレシピで淹れましたが、もっと低く淹れたり、逆に高くして淹れたりという違いでも組み合わせの幅が広がりそう。探求したくなるお茶の一つです。三煎目、玄米茶も淹れていきましょう」
小野寺:
「三煎目で水色は少し落ち着きました。玄米のいい香り〜そして美味しいです。香ばしさと青々しさがいい調和をしています」
四本:
「お米の甘さも感じます。二煎目程ではないですが、苦みもジワ〜っと広がります。このお茶は何と合わせましょうか?」
小野寺:
「あくまでも香りは活かしたいので、今川焼きはどうでしょう。あんこ、カスタード、チョコやしょっぱい系など色々な中身があるので、どれが合うかな…と試してみたいです」
四本:
「楽しそうですね。シンプルにジャムを塗ったトーストも美味しそうです。ジャムも苺、りんご、マーマレード、ブルーベリーなどあるので気分で合わせたいです」
小野寺:
「ペアリングの会話でトーストは初登場でしょうか、少し新鮮な組み合わせですね。厚めのトーストで喫茶店のモーニング気分で、素敵な朝を迎えていただけたら嬉しいです!」
「029 めいりょく」の味わいノート
・一煎目、味わいとしては甘み。段階を踏んでいくように、最初に青々しさ、次に穀物のようなほっこり感、最後に紅茶のように変化していく感覚
・二煎目、一煎目を飲んだ最後に感じたような華やかさ、そして青さも。苦みも出てくる。苦みの蓄積はあるが、香りが鼻腔を抜けていく感覚
・玄米茶、香ばしさと青々しさがいい調和。お米の甘さ、程よく苦みも感じる
・フィナンシェなどの洋菓子、今川焼きやジャムトーストなどとも合わせたい
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