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【試飲茶会】2023年新茶『茂2号』を飲んでみました!
2023年04月24日

by 小野寺友麻
東京茶寮・バリスタ 埼玉生まれ。大学では日本語教育を学び、日本語の先生をしていたことも。日本をもっと知りたい、と東京茶寮へ。カレーと紅茶がマイブームです。
煎茶堂東京で取り扱っているシングルオリジン煎茶は50種類以上。(2023年4月時点)その中でも、通年販売している茶葉と、期間を限定して販売している茶葉があります。
今回は、2023年5月25日(火)から数量限定販売を開始する新茶『茂2号』をご紹介!
煎茶堂東京 銀座店ティーコンシェルジュ・四本と、東京茶寮バリスタ・小野寺が試飲してお茶会を行った様子を写真と一緒にお伝えします。
「たくさん種類があるけどどんな味なの?」「どう違うの?」「私が好きなお茶はどういうもの?」など、お茶を選ぶときの参考にご覧ください。
新茶 茂2号(鹿児島県産)
特徴 | 舌触りに重量感を感じるずっしりとした味わい。深い森の中で重厚な滋味と余韻を楽しむようなお茶。 |
小野寺:
「おはようございます。いよいよ2023年、今年の新茶が届きました!」
四本:
「まずは鹿児島県頴娃のお茶が到着しましたよ。取り扱いは少し久しぶりの『茂2号』という品種です」
小野寺:
「『032 つゆひかり 頴娃』や『027 CA278』も作ってくださっている下窪健一郎さんのお茶なので、ファンの方も多いのではないでしょうか。巻紙は坂内拓さんの夏のイラストに、2023年はレインボーの箔押しになっています!」
四本:
「今年の新茶、早速味わいを体感していきましょう」
フレッシュで青々しく、重厚感のある味わいです。2023年新茶「茂2号」
四本:
「どのお茶もそうですが、特に新茶は袋を開けた瞬間の香りから楽しんで欲しいですね。袋を開けると、甘〜い香りがします。少し白桃を感じるような…青のりのような旨みを感じる瞬間もあります」
小野寺:
「たまに桃やマンゴーのような果物を想わせるトロピカルな雰囲気を感じるお茶があります。
個人的には九州のお茶で感じることがあるのですが、このお茶も鹿児島から来ているのでそのひとつでした。この香りも淹れていくとどうなっていくでしょうか」
四本:
「私も下窪さんファンのひとりなので今年のお茶、飲むのが楽しみです…!」
小野寺:
「茶葉は深蒸しなので比較的細かめですが、大きな部分もありますね。それにしても新茶だからでしょうか、茶葉がフワフワとしています。私の感覚にはなりますが、“美人さん”という見た目をしています(笑)」
四本:
「繊細さや柔らかさが伝わってきますね。お湯を注いでどのように開いていくでしょうか」
小野寺:
「今日は最初なので、基本のレシピで淹れていきましょう。茶葉4g、一煎目は70℃のお湯を120㎖注いで1分20秒待ちます」
四本:
「茶葉がゆっくり開いていきます。お湯を注いでも変わらず茶葉が柔らかそう…」
小野寺:
「淹れているときは、塩味を感じるような旨みの香りがします。乾燥の茶葉からは香りも変化してきました」
四本:
「1分20秒経ちました。急須からお茶を注いでいくと、甘みと旨みの香りが広がります。そして一煎目から水色が濃く出てきますね。茶葉がとてもフレッシュです」
小野寺:
「いただきます。……味わいがどっしりとしていますね、香りの青々しさには新茶らしさを感じます。甘みと旨みが口の中に広がりますが、苦みも味わえます」
四本:
「甘みと海苔を感じるような旨みがあり力強いです。フレッシュで爽やかさも感じるのですが重厚感があります」
小野寺:
「相反する感覚とも思えるのですが、それらを同時に味わえます。欲張りな一杯ですね」
四本:
「苦みだけを切り取ると鋭さを感じるのですが、そこに旨みと甘みがあるのでバランス良く味わえます。いつもなら二煎目でお菓子と合わせたくなりますが、一煎目から味わいがしっかりとしているので、ここで合わせてもいいかもしれません」
小野寺:
「羊羹など王道のお菓子は間違いなく合うと思います!でも今回は特に新茶を味わいたいので、素材の味を楽しめるようなお菓子がいいのかなと思います」
四本:
「この春、摘んだ新芽です。柔らかさも感じます。今年は桜の開花も早かったですが、新茶も例年よりは早かったそうですよ」
小野寺:
「一煎目の茶葉はいつもより空気を含んでいるような印象を受けます。改めて農家さんはもちろん、パッケージをされて店頭に届くまでに携わった方々には本当に感謝の気持ちでいっぱいです」
四本:
「淹れている瞬間はどのタイミングも見逃せないですね」
小野寺:
「二煎目はさらに水色が濃くなりました!目が覚めるような緑。美しいです…」
四本:
「茶葉の香りは二煎目を淹れた後の方が甘くなりました。お湯をさす前の、乾燥の茶葉の香りに近づいたような…」
四本:
「水色鮮やかな二煎目、強味かと思いましたがスッキリしますね。重厚感があるのは一煎目。二煎目は味わいのバランスが絶妙です。このように比べると、新茶のフレッシュさを存分に味わえるのは一煎目かもしれません」
小野寺:
「そうですね、二煎目は甘みと苦みがバランス良く味わえます。それにしても水色が鮮やかですね、濃緑に引き込まれそうです」
四本:
「一煎目と二煎目、飲んでいる時もそうですが後味も全然違いますね。一煎目は余韻も長めでずっしりとした味わいが口の中に残っていくのですが、二煎目はスッと歯切れが良く軽やかになります」
小野寺:
「二煎目の余韻はスッキリですが、口の中に甘みが残ります。本当に、同じお茶?と疑いたくなる変化ですね。あくまでも好みにはなりますが、やはりこのお茶は珍しく、二煎目はお茶だけで飲んで、一煎目でお菓子と合わせたいと思いました」
四本:
「少し温度が落ち着いてくるととうもろこしのような、穀物感があるかもしれません」
小野寺:
「改めて茶葉を見ると、柔らかそうで繊細…新芽を摘んでいるのが伝わってくるようです。初めての表現するかもしれませんが、ふかふかしています」
四本:
「このしっかり深蒸しは玄米茶にしても間違いないはずです…!」
小野寺:
「二煎目ほどではないですが、三煎目も水色が鮮やかです!玄米茶も引き続きスッキリした印象です」
四本:
「私は程よく苦みも感じます。今朝お茶漬けを食べたのですが、このお茶はお茶漬けにしても合いそうです」
小野寺:
「さっきは羊羹などあんこ菓子がいいかもと話しましたが、白米とも相性が良さそうですね」
四本:
「煮物など出汁で炊いたもの、日本食と合わせたいです。味わいが濃いめだったり、多少脂っこい料理にも負けないお茶だと思います」
小野寺:
「改めて今年も新茶シーズンが始まりました。気持ち新たに、個人的にもまた沢山のお茶に出会いたいと思いますし、店頭やオンラインなどに来てくださるみなさんにも沢山のお茶との出会いをしていただけたら嬉しく思います」
四本:
「そうですね。多くのみなさんに“美味しいお茶がある暮らし”を体感していただけると嬉しいですね。引き続き店頭でもみなさんのご来店をお待ちしております」
2023年新茶「茂2号」の味わいノート
・一煎目、味わいはどっしり。香りの青々しさには新茶らしさを感じる。甘みと旨みが口の中に広がるが、苦みも味わえる
・二煎目、甘みと苦みがバランス良く味わえる。余韻もスッキリだが、口の中に甘みが残る
・玄米茶は二煎目と引き続きスッキリした印象。程良く苦みも感じる
・羊羹などのあんこ菓子やお茶漬け、煮物など日本食と合わせたい
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