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ジャスミン茶とはどんなお茶?香り高き花茶のあれこれ

2021年03月29日

by 煎茶堂東京編集部

淹れた瞬間に立ち上る花の香りが印象的なジャスミン茶。芳しいフレーバーから、「花茶のクイーン」と言われるほど人気の中国茶です。ジャスミン茶は、ジャスミンの花から抽出されるものだと思っている人も多いかもしれませんが、実際には緑茶の一種。

そこで今回は、香り高き中国茶であるジャスミン茶について徹底解説していきます。

人気の中国茶 ジャスミン茶はどうやって作られる?

最近ではペットボトル飲料でもよく見かけるジャスミン茶ですが、どうやって作られているのか知っている人は少ないかもしれません。実は、ジャスミン茶は緑茶をジャスミンの花で香り付けしたもの。あくまでも、花の香りを付けた緑茶なのです。

中国では、緑茶などに花の香りを付けたお茶、花そのものを原材料としたお茶のことを花茶(フアチャー)と呼びます。ジャスミン茶は、数ある花茶の中でも代表格と言えるお茶です。

ジャスミン茶では、緑茶の中でも釜炒り茶を使用することがほとんど。釜炒り茶とは、茶葉を釜で炒って酸化発酵を止めるお茶のこと。日本で作られる煎茶は茶葉を高温で蒸すことによって酸化発酵を止める蒸し製ですが、中国の緑茶は釜炒り茶が一般的です。

ジャスミン茶の製造工程

それでは、ジャスミン茶の製造工程を順番に見ていきましょう。

1. 釜炒り茶の製法で荒茶(あらちゃ:最終的に販売する茶葉になる前の一次加工品)を作る

2. ジャスミン花のつぼみを一輪ずつ手で摘み、蒸れないように広げておく

3. つぼみの中でも、特に香りの高い咲きかけのつぼみだけを選別する

4. 1で製造した荒茶と、選別したジャスミン花のつぼみを交互に積み重ねる

5. 数時間堆積して荒茶にジャスミンの香りをつける

6. ジャスミン花の呼吸によって温度が上昇するため、一定の温度になったら堆積を崩して熱を冷ます

7. 温度が下がったら、香りが均等になるように混ぜ合わせる

8. 香りが薄まったジャスミン花を取り除いて軽く乾燥させる(荒茶に十分な香りがつくまで4〜7をくり返す)

9. 新鮮なジャスミン花を加えて見た目を整える


簡単にご紹介しましたが、とても手間のかかるお茶だということがわかりますよね。なお、中国国内で消費される高級ジャスミン茶の場合、工程9は省略され、花の入っていない状態で出荷されます。

8〜10月収穫のジャスミンは香り高い

ジャスミン花とジャスミン茶の主産地は、中国南部の福建省や広西チワン族自治区。毎年5〜10月にかけて生産されます。

主産地の中国南部は5〜8月にかけて降水量が多いうえ、気温も高くなるため、ジャスミン花の成長スピードが早まります。生産量は増えますが、花は水分をたっぷり含むので香りが薄め。この時期の製品は比較的安価なため、ペットボトル飲料やグレードの高くない日常使いのお茶に使われます。

一方、晴天が多くなる8〜10月にかけて生産されるジャスミン花は、水分量が少なく香り高いのが特徴。高品質なうえに花の生産量が少なくなるため、この時期に製造されるジャスミン茶は高級品となります。


かつては、福建省産のジャスミン花を使って福建省で製造されるジャスミン茶が広く流通していましたが、近年の都市開発・経済発展により、福建省におけるジャスミン花の生産量は激減。今では、中国南西部の広西チワン族自治区が最大の生産地となっています。

広西チワン族自治区の中でも、横県(現・横州市)はジャスミン茶の世界的生産センターとして知られ、2016年時点でジャスミン花・ジャスミン茶の中国国内生産量の約80%、世界生産量の約60%を占める一大産地です。
(参考:response.jp「南寧市横県のジャスミン産業は180億元の価値と認定 中国ブランド価値評価会議」)

香りによるアロマ効果が期待できるジャスミン茶

緑茶の一種であるジャスミン茶は、カテキン・テアニンといった緑茶成分が含まれており、緑茶と同様の健康効果が期待できると言われています。

また、伊藤園の研究結果によると、ジャスミン茶の香りにはリナロールという物質が深く関わっていることが判明しました。リナロールは鎮静作用・抗不安作用・抗菌作用などがあるとされ、化粧水や香水などにも用いられる成分。

ジャスミン茶にはリナロールの他にも香気成分が多く含まれることから、アロマテラピー効果が期待できるとされているのです。

ジャスミン茶のおいしい淹れかた

最後にジャスミン茶のおいしい淹れかたをご紹介。中国では茶壷(チャーフー)や蓋椀(がいわん)といった茶器を使用することが多いですが、ここでは急須を使った淹れかたを見ていきます。

1.急須に熱湯を注いで温めたら、カップに注いでカップも温めてお湯を捨てる
2.温まった急須にジャスミン茶の茶葉を3〜5g入れる
3.80〜90℃の熱湯を茶葉に注ぎ淹れ、30秒〜1分ほど抽出する
4.カップにジャスミン茶を注ぐ
ジャスミン茶は3〜4煎ほど味わうことができます。煎を重ねるごとに、抽出時間を長くしていくのがポイントです。

フレーバー豊かなジャスミン茶を煎茶でも

もともとは品質の落ちたお茶をおいしく飲むために考えられたと言われるジャスミン茶ですが、今では香り高き花茶の代表格として人気です。ペットボトル飲料だけでなく、時には茶葉から淹れたジャスミン茶の豊かなフレーバーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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