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箱の蓋を開けりゃあ、香りで川根のお茶だって分かる 「009 おくひかり」農事組合法人あすなろ 小林基さん・小林孟司さん・大井川農業協同組合 向井洋一郎さんインタビュー

2021年01月22日

by 煎茶堂東京編集部

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茶の産地として代表的な静岡の川根は、大井川鐵道で有名な大井川流域にあります。


この地域のお茶の歴史は非常に古く、記録されているのは江戸時代に「年貢」としてお茶を納めていたそう。そのため少なくとも室町時代には産地として成立していたと考えられ、鎌倉時代に聖一国師が宋から茶の種を持ち帰った際に川根に広まったなどの諸説が考えられています。

今回訪れたのは「天空の茶園」と呼ばれる、途中に清流と絶景を望む標高350m以上の茶畑。非常に高いクオリティで茶葉を作り続けるこの地のキーパーソン3名にお話を伺いました。

話し手:農事組合法人あすなろ 元組合長 小林基(もとい)さん・元役員 小林孟司さん・大井川農業協同組合 中川根営農経済事業所 事業所長 向井洋一郎さん 聞き手:谷本幹人



―――とにかく工場がでかいですね!
小林基さん:平成8年度かな、この工場を設立しました。その当時から経費節減っていうかさ。いろんな面から考えてまとまってやる方がいいんじゃないかって考え方でね。呼びかけてね。それが平成5〜6年頃だね。

当初はそんな大勢集まると思ってなかったもんで。敷地からなにから準備する時さ、大勢になりすぎちゃってさ。急遽地主さんとも話をして出来る限り広くここ確保してさ。そしてギリギリいっぱいできる範囲でやりました。

向井さん:この工場は小林さんが組合長の時に農林大臣賞とってるんですよ。平成18年の一番茶を、全国のお茶の品評会に出品して農林大臣賞受賞で。

小林基さん:うちの工場はさ、二回もらったからね、大臣賞。一回は経営コンクールってのがあってさ、平成13年かな。静岡県の。それで最優秀賞になってさ。


―――川根のお茶の特徴はどういうものですか。
小林基さん:やっぱりあれだね。この辺は香りだよね!香りがやっぱりいいっていうことになってて、川根のお茶は香りだって香気だって昔っから言われててさ。お茶屋さんなんかでも箱の蓋開けりゃあ名前を見んでも川根産のお茶だっての分かるって言われてたぐらいのとこでさ。

―――香りがいいというのは土地の影響でしょうか。
小林基さん:土地がらとか寒暖差の関係とか、夜間と昼間のね、色んな気象状況とかもあったと思うけどさ。まあ同じようにやってきゃ確かに良くなると思うよ、ここの地域のお茶は。僕らいろんなところのお茶飲んでみるけどさ、やっぱり同じ金額ならどこにも負けないっていう感じするで!僕ら飲んでも。

―――昔と今でお茶の環境って変わったりしたものですか?

小林基さん:やっぱりね、一番問題は、人口減少とか今言われてるけどさ、後継者の問題だよね。跡継ぐ人がいなくなっちゃったもんでだんだんジリ貧状態、この工場もそうだけどさ。後継者いないとやっぱりねいくら理想を掲げてやってもさ。

向井さん:私が農協に入ってもう30年近く経つんですけども、お茶がこの川根地域の基幹作物なもんですから。地形的に言うと非常に厳しい状況だと思います。機械化が出来ないもんですから、南部の方へ行くと平坦地で、常用摘採機がバリバリ走っているところだと思うんですけど、ここらへんはとても。傾斜地なんかは常用摘採機が入らないものですからね、非常に生産条件は厳しい状況にあると思います。

―――それは作業する方の負担が大きいですね。
向井さん:そうですね。負担が大きいと思います。皆さん、先ほど小林さんが言ったように、後継者がいらっしゃらない。若い人だと馬力があるもんですから作業できるんですけど、みなさん歳をとるものですからね、なかなかこういった傾斜地では作業が厳しいと言ってお茶を諦める方もいる。まあ80代くらいの方もいらっしゃいますし。

小林基さん:僕78歳。ワッハッハッハッ!

向井さん:ここの川根本町が、過疎化率もそうですし、高齢者比率が県下でも多分トップクラスなんですよ。なので65歳以上の方がほとんどなもんですから、お茶をやられている方も若い方はほとんどいらっしゃらないですね。

―――「おくひかり」とあすなろさんのつながりというのは?
小林基さん:おくひかりは、この工場作った時さ、やぶきたとおくひかりを奨励をしてさ。要するに、まともな等級・金額で生葉買取りますよという意味で。おくひかりを増やそうと思ってやったからなんですわ。そのおかげでここがあるんだよ。

この天空のお茶産地もさ、大臣賞とった時、経済連でなんか褒美でやってくれるっていう話でさ。そしたら僕たちは、あすなろ以外でもこの川根の範囲内で、標高350m以上のところで栽培したのなら、全部この天空の茶産地に該当しますよっていうことにしてさ、そしておくひかりを作ってやろうってことになってさ。

でも経済連はあすなろだけでいいって。でも僕たちはそんな小さいこと言ったってダメだと思ってさ。「それでいいのか」なんて経済連の人が余計なことをもう(笑)!

向井さん:天空の赤黒。商品を作ったんですよね。

小林基さん:あれはさ、ウイスキーのジョニーウォーカーの黒と赤がある、あれを参考にして、黒ラベルと赤ラベルにして作ったんだよ。

向井さん:硬い普通煎茶(浅蒸し)の方と、ちょっと深蒸しにしたおくひかりを作って。

小林基さん:本当は天空の茶産地もさ、最初はおくひかりでもやぶきたでも、もっと国外にやればいい、ブランドとしてその方がいいなと思ったけどさ。もうそこまでやらんないな?俺やめたもんでよう言えたもんじゃないな。

小林孟司さん:私はおくひかりを推奨したあの頃に、個人で5反歩(約50アール)ぐらいおくひかりを植えてやってきたんですが、もう足も悪くなってできなくなったもんだから、みんなにやってもらってるんですよ。もともとが林業だから農業じゃなかったものですからね、それでもみんなと一緒にならにゃあと思ってね、山を切り開いて茶園を作ったりしたんですよ。

―――山を開くところからご自身でされたんですか?
小林孟司さん:そうですそうです。機械好きだから。自分でねユンボ乗ったりして。やったんですがね。でもやっぱり歳は毎年一つずつとってくもんだからできなくなっちゃって今は。

ここは小さい沢がいっぱいあるんですよ。ちょっと天気悪いともう霧がね、ばーっと上がってくる。あの霧がいいっていう話ですからね。土は、どこにも負けないと思うんだよな。土質っていうか。お茶に合っている土だろうなというふうに思っています。

私が開墾したところも、もう15~20年ぐらい前ですが、もうすぐからね、いい茶園になりましたよ。

―――川根の土は、どういうところがいいんでしょうか。
小林孟司さん:やっぱり傾斜地だから排水はいいしね。あんまり粘土質じゃない。まあお茶も何でも作物は皆そうでしょうが、排水がよくなきゃね、根が張らない。やっぱりこの土だけは誰も真似できんからね。どっか持ってって、というわけにいかんからやっぱりこの土地じゃなくちゃできないんじゃないかなと思いますね。

―――すごい柔らかいですよね。ふかふかしてる。
小林孟司さん:そうでしょう。これから何年やっていけるのかっていうのはようわからんけどね。でも川根からお茶取ったら何もなくなっちゃうもんね。なんとかしてもらわんといかんな。

お茶の話を「TOKYO TEA JOURNAL」 でもっと知る

このインタビューは、「観て飲む」お茶の定期便 "TOKYO TEA JOURNAL"に掲載されたものです。毎月お茶にまつわるお話と、2種類の茶葉をセットでお届け中。

お茶の定期便「TOKYO TEA JOURNAL」

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お茶の個性を知る。

この冊子を読むと、煎茶の味わい深さや、個性が分かるので、煎茶堂東京銀座店でお茶を買った暁には、読み返したりしています。
デザインや文字のフォント。見やすくて好きです。
また、3種類のお茶を飲む時も、是非、冊子を開いて、読みながらやって頂くと、より楽しめます。

香りもお茶らしくて癒されました。

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スッキリした後味でとても美味しくいただきました。

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シンプルなデザインで私好みでした。

シンプルなデザインで私好みでした。

抹茶椀
ユミ マツバラ
一目ぼれして〜

丸っこいかたちに一目惚れして「お抹茶を立てて飲みにくいかな?」と思っていましたが、その心配は全くなく最後のひと口まで美味しく吸い切れます。お抹茶茶碗はいくつか持っていますが、お気に入りの1つになりました。

大満足です。

掲載写真とおりの素敵なカップで大満足です。たっぷりのアメリカンコーヒーやカフェエレ、熱々のほうじ茶などを飲むにもちょうどよい大きさです。大きさの割に軽いのもうれしい点です。大切に愛用したいです。

今回も美味しいお茶をありがとうございます😊

今回も美味しいお茶をありがとうございます😊

m
TOKYO TEA JOURNAL
meganeningen
半年くらい利用してみて

普段買わない和紅茶など、煎茶以外のお茶も届くので、月1のお試しとして楽しみにしています

再入荷待っていました。

ぷっくりとしたフォルムに手触りも滑らかで暖かみのあるトレーはとても特別感が増して気分がとても上がります!

可愛い

小さい茶器にピッタリでした。もっと数が欲しいので再入荷をまっています。

萩原千春 ポット
おちゃこ
安心なカタチ

萩原さんの急須をサイズ違いで持っていたので大きいものが欲しくなり購入しました。持ち手と注ぎ口な安定していて、どんなお茶でも対応してくれる万能な急須です。購入できてうれしいです。

薄さが素晴らしいまさに一煎目のための器

以前購入したものを割ってしまい買いなおしと追加で購入しました。
薄い器ですが名前のとおり一煎目の温度であれば手に伝わる熱さも問題なく、その薄さゆえにお茶の風味を自然に感じることができます。
長く使っていると白かった器が徐々に色づいてきますがそれもまた器の味として楽しんでいます。

家庭用

二級品とは思えない品でした。家庭用で購入したので、本当に十分です。

002 KOUSHUN 香駿
繪深 座間
香駿は、東京茶寮がオープンした時から一番好きなお茶でした。久しぶりに飲んでみましたが、やはり香りの良

香駿は、東京茶寮がオープンした時から一番好きなお茶でした。久しぶりに飲んでみましたが、やはり香りの良さとフルーティーな感じが素晴らしいです。茶葉が柔らかいので、三煎目は少し印象が薄いかもしれませんが、シングルオリジンらしいお茶ですね!

とても良い

父親に贈る用で通常の商品を、自分用に二級品を購入しました。よく見てみると底に傷がありましたが、よく見なければわからないくらいで使用には全く支障ないので、とてもレベルの高い二級品だと思いました。磁器製の急須を処分してこちらに変えたので、食器棚もスッキリしておしゃれになり気分も上がりました。大事に使いたいと思います。

お茶の奥深さ

むさしかおりを頂いて。
一煎目、まあるい旨味とコクを感じる美味しさ、大好きな口当たりでした。
二煎目 心地よい苦味、
    そして新緑の様な爽やかさ
一煎目とは大きく違う味わいを感じ
お茶好きとしてお茶を頂く楽しみを味わえます。シングルオリジンならではの茶葉本来の味を実感します。

TOKYO TEA JOURNAL
やっちんぐ
美味しい緑茶に出会えるのが楽しいです

紅茶党だった私が、「美味しい緑茶が飲みたい!」と思い、始めてみました。毎月色々なお茶(たまに和紅茶や烏龍茶も入っていてなお嬉しい)が手元に届き、今まで難しいと勝手に思い込んでいた緑茶が一回分ずつ3種類も入っているので、気軽に美味しいお茶が楽しめて私の中でのお茶の世界が広がりました。どんな緑茶に出会えるのか、これからも楽しみです。ありがとうございます。

TOKYO TEA JOURNAL
にしし
毎回のお茶を通じて、その産地を知る…

まずはお試し〜ができる個包装が有難い!
届いたお茶を通じて各地のことを調べるのも楽しいです。

TOKYO TEA JOURNAL
清水拓也
注文から購入、発送、到着まで心配りが行き届いています。茶もおいしくいただきました。

注文から購入、発送、到着まで心配りが行き届いています。茶もおいしくいただきました。

可愛い

亀田文さんの面取り鉢と同時購入しました。形の可愛らしさと柔らかな感じが気に入り、実際手元に届き、やはり形の綺麗さ、可愛らしさに満足ですが、思ったより底面積が小さいので、薬味やタレ、プチ菓子(練り切り1つ)を入れるサイズ感で、ワンプレートに乗せる豆皿のようにも使おうと思っています。

重宝しています!

亀田文さんの器は前々から購入を考えていて、今回決心して家族分購入しました。
本当に使い勝手がよく、なかなかこの深さでこの形は見かけず、和・洋・中・デザートまで、何にでも合わせられます。買って良かったと思える優秀な器です。
とてもしっかり梱包していただきあ、また適宜メールでのご連絡もあり、信頼できるお店でだと思います。
また、機会があれば宜しくお願い致します。

香ばしい

黒豆も生姜も香りや香ばしさが際立っていて美味しくいただいています。豆乳ティーにしても香ばしさが残って楽しんでいます。今後も購入すると思います。

抜群の癒し系

どんなときも、まちがいなく癒されます。

待ちに待ったティーポットを購入する事が出来ました。 早速お茶を淹れてみました。 とても美味しく淹れる

待ちに待ったティーポットを購入する事が出来ました。
早速お茶を淹れてみました。
とても美味しく淹れる事ができました。
素敵なティーポットで大変気に入りました。

友人へのプレゼント

お茶好きの友人へのプレゼントで購入しました。
見た目の美しさはもちろん大きさもちょうどよくとても喜んでもらえました。
1日のなかで素敵なティータイムを過ごしてもらえそうです。