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ほうじ茶の効能は?リラックス効果のある香りと味でほっとひと息
2020年10月13日
by 煎茶堂東京編集部
香ばしい香りと素朴な味わいが、どこか心をほっとさせる「ほうじ茶」。苦み・渋み成分のカフェインやカテキンが少ないほうじ茶は、子どもから年配の方まで幅広い層に親しまれています。
カフェインの減少により利尿作用も弱まるため、水分補給のお茶にもぴったり。茶葉を焙煎した香りがリラックス効果をもたらすため、仕事の合間のお茶時間にもおすすめです。
今回は、ほうじ茶の種類や体にうれしい効能など、身近な存在でありながら実は奥深いほうじ茶の世界をご紹介します。
飴色のほうじ茶は緑茶のひとつ
ほうじ茶とは、煎茶や番茶、茎茶を焙じて(ほうじて)香ばしい香りを引き出したお茶です。茶葉を高温で焙煎したほうじ茶は、独特の香りと飴色に透き通る水色(すいしょく)が特徴。他の日本茶と異なる趣を持つほうじ茶が、実は緑茶の一種ということに驚かれる方も多いかもしれません。
緑茶のひとつである煎茶のきれいな緑色は、「殺青」(さっせい)と呼ばれる製造工程で茶葉を加熱することで生まれます。茶葉は摘み取った瞬間から酸化が進んでいくため、早い段階で蒸すことで酸化による変色をストップさせるのです。
その後、茶葉を揉んだり、細くよって乾燥させたりと、数々の工程を経て煎茶はできあがります。一番茶を刈り終えた後、次に育つ芽で作るお茶が番茶。葉ではなく、茎の部分だけを使用したものが茎茶です。
ほうじ茶の飴色は、それらをさらに高温で焙煎することで生まれます。焙煎に使われる焙煎機は、赤外線のほか、ガスや炭火を燃料にしたものなど工場によってさまざま。焙じる温度によって味や香りが左右するため、ほうじ茶の製造には高度な技術が必要となります。
高温で焙煎する過程でカフェインが昇華(固体から気体へ変化)するほうじ茶は、苦みが少なくすっきりした味わい。脂っこい食事とも相性がよく、どこかほっとするやさしい香りは家族の団欒の場にもぴったりです。
近年はお菓子やラテに使用されることも多く、味と香りに加え、使用用途の広さや体にやさしい成分が人気を集めています。
茶葉や地域で異なるほうじ茶の種類
比較的リーズナブルなものが多く、全国各地で古くから親しまれてきたほうじ茶。ほうじ茶は、使用する茶葉や製法、地域によって以下のように種類が異なります。
ほうじ煎茶
その年に初めて摘み取る一番茶や、その後に芽を出す二番茶を焙煎したほうじ茶です。早い時期に摘み取られる茶葉は甘みが強いため、ほうじ茶も煎茶の個性が生きたまろやかな香りに仕上がります。
ほうじ番茶
新芽を刈った後に育つ葉を用いた「番茶」を焙じたお茶です。番茶には、新芽の後の二番茶、三番茶のほか、選別後に残った大きな葉も使用されます。
関東地方では、これらの茶葉を使用した煎茶を「番茶」と呼び、その水色は緑色です。一方、北海道や東北地方、関西などでは「番茶=ほうじ番茶」を意味します。
若い芽ほどカフェインが多く含まれているため、成熟した茶葉を原料とする番茶はカフェイン少なめのからだにやさしいお茶。その番茶を高温で焙煎したほうじ番茶はよりさっぱりと飲みやすく、日常に寄り添うお茶として親しまれています。
京番茶
京番茶は、玉露や碾茶(てんちゃ)といった上質な茶葉を摘み取ったあとに残る、かたい葉や枝を焙じたお茶です。葉が大きく揉むことができないため、葉の形のまま乾燥させ、大きな鉄釜を用いて焙煎します。
京番茶最大の特徴は、落ち葉や煙にも例えられるスモーキーで香ばしい香り。玉露や碾茶の産地として知られる京都府の宇治では、お茶屋の軒先に焙煎機が置かれることも多く、街並みに京番茶の香ばしい香りが漂っています。
雁ヶ音ほうじ茶
高級茶である玉露の茎の部分だけを集めて焙じたお茶です。雁ヶ音(かりがね)は関西を中心とした呼び名で、地域によっては白折(しらおれ)、棒茶(ぼうちゃ)とも呼ばれています。
お茶の茎には、茶葉の旨味成分や甘み成分のもとであるテアニンが多く含まれています。そのため、雁ヶ音ほうじ茶はより一層まろやかで、甘みのある香りに仕上がるのが特徴です。
加賀棒茶
雁ヶ音ほうじ茶と同じく、一番茶の茎の部分だけを焙じたお茶です。加賀百万石とも言われた金沢で棒茶が誕生したのは、明治35年頃。煎茶の製造過程で捨てられていた茎がもったいないという考えから、茶の茎を焙じる加賀棒茶が生まれました。
加賀棒茶は浅炒りのものが多く、くせのない旨味が特徴。お茶本来の旨味を残しながら、ほうじ茶特有の香りを引きだした上品な味わいです。
煎茶堂東京おすすめ・香り高い「棒ほうじ茶」
体にやさしいほうじ茶の成分と効能
緑茶を焙煎するほうじ茶は、茶葉本来の栄養素を含むお茶です。高温で加熱することでそれぞれの栄養成分は増減し、体にうれしい効果をもたらします。
「カフェイン」少なめのほうじ茶
ほうじ茶の特徴のひとつが、カフェイン含有量の少なさです。抽出したお茶100gあたりのカフェイン量を比較すると、玉露が160mgであるのに対しほうじ茶は20mgと、わずか1/8に抑えられています。
これは、焙煎する工程に加え、ほうじ茶に使用する茶葉本来の質に由来すると考えられます。 カフェインは成熟した茶葉には少なく、一番茶で作る抹茶や玉露に多く含まれる成分。ほうじ茶に使用される茶葉は「番茶」が多いため、必然的にカフェインが少ないお茶に仕上がるのです。
茶葉本来の繊細な味わいや香りを楽しむ玉露に対し、ほうじ茶は焙煎で生まれる香りやさっぱりした味わいが魅力のお茶。焙煎の過程でお茶本来の香味は飛んでしまうため、ほうじ茶の原料には番茶が多く利用されているのですね。
覚醒作用のあるカフェインが少ないほうじ茶は、就寝前のリラックスタイムにおすすめ。カフェインの持つ利尿作用も抑えられるため、日々の水分補給のお茶にも適しています。利尿作用のある飲み物は水分とともに塩分を排出し、かえって脱水症状を引き起こす可能性があるからです。
また、カフェインはお茶の味の要素である苦み成分のひとつ。どなたでも飲みやすい苦みを抑えた味わいも、カフェインの少ないほうじ茶ならではと言えるでしょう。
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
「ピラジン」で体ぽかぽか、ほっとリラックス
ほうじ茶の香ばしい香りには、焙煎の過程で生まれる「ピラジン」という成分が含まれています。ピラジンの特徴的な作用が、脳をリラックスさせる効果。ほうじ茶を飲むとほっと心が落ち着くのは気のせいではなく、きちんとした理由があったのですね。
また、ピラジンには血管を拡張し血流を良くする働きもあると言われています。ほうじ茶を飲むと、体がぽかぽか温かく感じられるのはこのため。北海道や東北のような寒い地域でも、体を温めてくれるほうじ茶は生活に根付くお茶として好まれています。
リラックス効果倍増「テアニン」
ほうじ茶のリラックス効果のもうひとつの要因が「テアニン」。アミノ酸の一種である旨味成分テアニンには、心身をリラックスさせる働きがあると言われています。
テアニンもまた、カフェインと同様に玉露のような一番茶を使うお茶に多く含まれる成分。土壌の窒素化合物を吸収し、テアニンなどのアミノ酸を合成して成長することで栄養価の高い新芽が育っていくからです。
一番茶ではない番茶を多く使用し、さらに高温で加熱するほうじ茶は、玉露などに比べテアニンの少ないお茶。しかし、同時に覚醒作用のあるカフェインも減少するため、テアニンのリラックス効果は得やすくなります。
心をほっと落ち着かせてくれるほうじ茶は、仕事の合間や一日の終わりにひと息つきたい時にもぴったり。温かい湯気から立ち上る香りを楽しめば、ピラジンとの相乗効果でよりリラックス効果が高まります。
「カテキン」で生活習慣病予防
日本茶は、苦み・渋みをもたらす「カテキン」と呼ばれるポリフェノールが豊富なお茶です。焙煎の工程で含有量は減少するものの、ほうじ茶にもまたカテキンが含まれています。
カテキンの代表的な効果が抗酸化作用。細胞の酸化を防ぎ、老化・がん・生活習慣病予防が期待できると言われています。
カテキンは高温で抽出されやすい成分ですが、カテキンの少ないほうじ茶は、熱いお湯で淹れても苦みや渋みが抑えられるのが特徴です。ほうじ茶に含まれるカテキンの効果を最大限に引き出しつつ、さっぱりとした味わいを楽しむことができますよ。
ほうじ茶の美味しい淹れ方
ほうじ茶をより美味しく楽しむには、沸騰したお湯を使い短時間で抽出するのがポイントです。ほうじ茶の香ばしい香りは、あつあつのお湯で淹れることでより一層引き立ちます。渋みが出ないよう、蒸らし時間は30秒程度を心がけましょう。
保管していた茶葉が古くなってしまったという時には、自分で茶葉を炒って自家製ほうじ茶を作るのもおすすめです。湯気から香りが立ち上るあつあつレシピと、ごくごく飲める水出しレシピ。ぜひお好みの飲み方で、ほうじ茶を楽しんでみてはいかがでしょうか。
お茶のもうひとつの楽しみ方「ほうじ茶」の世界
茶葉や茎を高温で焙煎するほうじ茶は、心をほっと和ませてくれる体にやさしいお茶です。香りを立たせたあつあつのほうじ茶は、ひと息つきたいリラックスタイムに。水出しにすれば、日々の水分補給にも適したお茶になります。
ぜひお好みのスタイルで、日常に寄り添うほうじ茶のやさしい味わいをお楽しみください。
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