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お茶の栽培方法と製造法。茶園から美味しいお茶が届くまで
2020年08月06日

by 煎茶堂東京編集部
「お茶の栽培」というと、一面に広がる茶畑と茶摘みのシーンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 お茶が挿し木で育つことや被覆(ひふく)と呼ばれる栽培法、摘採(てきさい)した茶葉が日本茶になるまでの作り方などは、知られることの少ない部分でもあります。 それぞれの地で根を張り、育った茶葉が手元に届く過程から見えてくるのは、茶園の日々の努力とお茶に込められた想い。今回は、いつものお茶をより味わい深いものにしてくれる、お茶の栽培方法や製造工程についてご紹介していきます。
お茶が栽培されている地域
お茶の原料となるチャノキ(茶の木)は、ツバキやサザンカと同じ仲間の植物で学名を「カメリア・シネンシス」と言います。お茶の花は白色、ツバキは赤やピンクと色は異なるものの、花や葉、実の形はよく似ているのが特徴です。
比較的温暖な地域を好むチャノキですが、「北限のお茶」として古くから栽培を続けているのが青森県や秋田県。自家用のお茶栽培の他、現在は保存や復活に向けた取り組みも行われています。
また、新潟県と茨城県を結ぶラインから南側は、商業生産のためのお茶栽培が盛んな地域。お茶の三大産地と呼ばれる静岡県や三重県、鹿児島県をはじめ、日本最南端となる沖縄でもお茶は栽培されているのです。
お茶の栽培に適した環境とは?
チャノキは、温暖で一定の雨量のある場所で育つ亜熱帯性の植物です。世界でも年間平均気温13℃以上、年間降水量1,300ml以上の地域で栽培されています。
そのため、日本国内でも年間平均気温が14~16℃。夏の最高気温は40℃を超えず、冬場の最低気温は-5~-6℃より下回らない環境がお茶栽培には適しています。
また、栽培から茶摘みの時期にかけて適度な降水量があり、台風や霜の心配がないことも大切なポイントです。
このような気象条件の他にも、お茶の品質を大きく左右するのがチャノキが根を張る土壌。
降り注いだ雨水と養分をしっかりとたくわえる保水性と保肥力、また空気や水が通りやすい通気性を兼ね備えた土壌が、チャノキを力強く健やかに育てます。
永年作物であるチャノキは、一度植えると数十年はその場で栽培しなければなりません。チャノキは植物には珍しく酸性の土壌を好む「好酸性植物」でもあるため、栽培を始める際には気候や地形とともに、土壌選びが重要な要素となるのです。
挿し木で増えていくチャノキ
チャノキは本来、採取した種子をまいて増やすものでした。しかし「自家不和合製植物」(じかふわごうせいしょくぶつ)であるチャノキは、異なる品種の花粉同士でなければ種子ができないという特性を持っているのです。
つまり、できあがった種子には、必ず他のチャノキの性質が含まれているということ。
お茶の生産が広まり品質を一定に保つことが必要になった現在は、チャノキの繁殖には「挿し木法」と呼ばれる方法がとられています。
生育の良い枝から採った「挿し穂」を苗床で1~2年育て、茶園に定植しても、一定量の茶葉が収穫できるようになるまでには7~10年。実に長い年月をかけ1本のチャノキは成長するのですが、質の良い茶葉を収穫するためには、農家の更なる努力と工夫が必要となります。
お茶を寒さから守る農家の努力
前述したように、亜熱帯性植物であるチャノキは寒さに強くありません。日中は気温が上昇し始める春先でも、遅霜で茶葉が害を受けてしまうことがあるのです。
そこで考えられたのが、上空にある温かい空気を茶園へ吹き下ろし、放射冷却で冷えた葉を温める「送風法」。お茶畑で目にする背の高い扇風機は防霜(ぼうそう)ファンとも呼ばれ、霜で茶葉が枯れるのを防ぐために建てられているのです。
また、霜が付く前にあえて茶葉を凍らせてしまうのが「散水氷結法」。茶の木に水をかけて凍らせることで潜熱と呼ばれる熱を発生させ、茶葉自体が0℃以下になるのを防ぎます。保温効果を出すためには一定量の散水が必要となるため、農家の経済的負担も大きくなる方法です。
お茶の個性を生み出す2つの栽培方法
お茶の栽培には、日光を浴びて茶葉が育つ露地栽培と、覆いをかぶせて日光を遮断する被覆栽培2つの方法があります。それぞれの方法により、仕上がりのお茶の種類も次のように異なります。
露地栽培
新芽が出てからお茶を摘むまで、茶葉全体に日光を浴びせしっかりと光合成を行わせる栽培法です。光合成によって、お茶の甘み成分であるテアニンが渋みのもととなるカテキンへ変化。程よい渋みと爽やかな味わいを持つお茶ができあがります。
煎茶やほうじ茶、番茶に使用されるのも露地栽培で育った茶葉です。
被覆栽培
新茶を摘み取るまでの一定期間、茶葉全体に覆いをかけて日光を遮断する方法です。覆下(おおいした)栽培と呼ばれることもあります。
チャノキは覆いからこぼれるわずかな光で光合成をしようと、葉の面積を大きく広げます。結果的に、葉緑素を増やした濃緑色の大きな茶葉に成長。旨味成分テアニンも増加し、渋みの少ないまろやかな旨味のお茶ができあがるのです。
中でも、茶園全体をすっぽり覆うように棚を組む「棚がけ被覆」は、質の高い玉露やてん茶(抹茶)を育てる際に用いられる栽培法。寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれる資材の他、よしずや藁(わら)を使用し、約3週間日光を遮断します。茶葉は全て棚の中で手摘みするため、手間とコストのかかる製法です。
また、玉露より短い約1週間、直接茶葉に覆いをかけて育てられるのが「かぶせ茶」。短期間だけ日光を遮断するかぶせ茶は、煎茶のように爽やかでありながら玉露を思わせる「かぶせ香」を感じられるお茶です。温度の違いによる、味の変化を楽しむこともできます。
チャノキの葉が手元に届く「お茶」になるまで
長い年月をかけて成長した茶葉は、そこから数々の工程を経てわたしたちが口にするお茶へと変化します。摘み取ったばかりのみずみずしい生の葉の含水率は、実にその固体の4倍にもあたる量。お茶の味と香りを引き出し、短期間で抽出できる状態にするためには、そこから2~4%まで含水率を下げる必要があるのです。
その工程ひとつひとつも、農家のこだわりと個性が現れる部分。ここからは、一般的な茶葉の製造方法をご紹介します。
栽培
育てた挿し木を土地に定植し、4年以上の歳月をかけ摘み取りができるまでに育て上げます。土地の開墾や肥培管理、防霜対策など、自然が相手の1次産業とも言われる部分。この時点の生葉の質が、お茶のできあがりを決定付けます。
収穫
茶葉にとって最善な時期を見極め、茶葉を刈り取ります。あまり早い時期に摘むと旨味や香り成分が少なく、かといって遅くなると茶葉が固くなり品質は低下してしまいます。そのため、ベストなタイミングを見極めることは茶園にとって重要な仕事。現在はごく一部で手摘みが行われており、機械での収穫が主流となっています。
萎凋(いちょう)
萎凋とは、収穫した茶葉を風通しの良い場所に放置し、酵素による微発酵を促す方法です。紅茶や烏龍茶など造る際にとられる製法ですが、一部の生産者はあえて時間をおくことで特有の香りを引き出しています。
蒸し
加熱することで酸化作用を抑え、揉みやすくするために茶葉を蒸す工程。殺青(さっせい)とも呼ばれ、青みを飛ばす作用もあります。蒸し時間により浅蒸し・深蒸しに分かれ、お茶の味わいや水色、茶葉の形状に大きく影響します。
葉打ち
蒸しの工程を終え冷却された茶葉は、粗揉に向け葉打ちされます。表面の露を取り除きながら乾燥させることで、茶葉の色味や香りを引き出す効果もあります。
粗揉(そじゅう)
粗揉とは、茶葉に適度な圧力をかけ中の水分を揉みだす工程のことです。熱風を送り込み、表面に出てきた水分を同時に乾燥。茶葉のかさや水分が大きく減少する、非常に重要な工程です。
揉捻(じゅうねん)
加熱をせずに、圧力を加えながら茶葉の水分をさらに揉みだします。茎内の水分も表面に揉みだし、茶葉の水分量を均一化することが目的。この時点で水分を出さないとムレたお茶になってしまうため、揉捻は仕上がりに大きく影響する工程です。
中揉(ちゅうじゅう)
揉捻でかたまりになった茶葉を、細くよりながら乾燥させていきます。この後の精揉工程で揉むために、ちょうどよい状態の茶葉にするのが目的です。粗揉機と似た構造の機器を用いて行います。
精揉(せいじゅう)
人が手で揉むように、一定方向に力を加えながら茶葉を細い針のように整える工程。下から熱して乾燥を進めるため、時間が長いと香りが飛んでしまう恐れもあります。精揉をしない勾玉のように丸い形のお茶は、ぐり茶や玉緑茶と呼ばれています。
乾燥
精揉で水分含有量が10~13%になったお茶に熱風を当て、約5%まで乾燥させます。この工程まで行ったものが、荒茶と呼ばれるお茶。荒茶の段階ではまだ長さや大きさ、形が不ぞろいの為、長期間保存するにはさらなる仕上げ加工が必要です。
選別
それぞれの形状に合わせた最適な火入れを行うため、荒茶を大きさや部位によって選別します。ふるい分けや風による選別、葉と茎の色の違いをレーザーで見極めるものなど方法もさまざま。荒茶をまとめて火入れしてから分別する「先火方式」もあります。
焙煎
お茶の旨味を引き出し火香(ひか)をつけるために焙煎します。選別した部位ごとに遠赤外線で焙煎することで、均一な旨味を持つお茶に仕上がります。
長い工程を経て手元に届く一煎の「お茶」
栽培される環境や土壌、製品になるまでの作業工程の違いによって、大きく味の違いをみせるお茶。一煎のお茶ができあがるまでには、長い年月と手間ひま、そして農園ごとに受け継がれた創意工夫が必要となるのです。
煎茶堂東京の扱うシングルオリジンのお茶は、まさに農園の目指すお茶の個性そのもの。
美しい色合いや湯気から立ち上る香り、口の中に広がる味わいを感じながら、お茶が手元に届くまでの道のりに想いをはせてみてはいかがでしょうか。
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