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お茶特有のポリフェノール・カテキンってどんな成分?ポリフェノールを上手に引き出す淹れかたもご紹介

2020年05月28日

by 煎茶堂東京編集部

お茶には数多くの成分が含まれていますが、中でも含有量が多いのはポリフェノールです。お茶特有のポリフェノールはカテキン(タンニン)と呼ばれ、多彩な効能を持つ成分として注目されています。 今回は、日本茶に多く含まれるポリフェノール・カテキンの特徴をご紹介。カテキンと上手に付き合うための淹れかたもお伝えします。

抗酸化作用が期待できるポリフェノール

ポリフェノールは、ほとんどの植物の葉・茎などに含まれる色素成分。自然界に約5,000種類存在し、抗酸化作用があると考えられています。

私たちは、呼吸によって取り入れた酸素を使ってエネルギーを作り出しています。それと同時に、体の内部に発生するのが活性酸素。

乱れた食生活・ストレスなどで体内のバランスが崩れると、活性酸素が過剰に生成され、細胞が傷ついてしまいます。これが老化や動脈硬化を招き、生活習慣病やガンを引き起こすと言われているのです。



抗酸化作用とは、活性酸素によって細胞が酸化するのを防ぐ作用のこと。お茶からポリフェノールを摂取することで、抗酸化作用によって活性酸素の働きを抑え、老化・がん・生活習慣病などを予防する効果が期待できるというわけなのです。

カテキン(タンニン)がもたらすお茶ならではの渋味

数あるポリフェノールのうち、お茶に多く含まれるのがカテキン類です。日本茶に特有の渋味・苦味をもたらし、日本茶の味を決める大切な要素でもあります。

ちなみに、古くから植物に含まれる渋味成分全般を「タンニン」と呼んできました。お茶に含まれるタンニンはほとんどがカテキン類であるため、日本茶においてはカテキン≒タンニンとして考えられています。

お茶に含まれるカテキン類は、主に次の4種類です。
・エピカテキン(EC)
・エピカテキンガレート(ECg)
・エピガロカテキン(EGC)
・エピガロカテキンガレート(EGCg)

EC・EGCはおだやかな苦味、ECg・EGCgは強烈な苦味・渋味をもたらします。日本茶では、4つ目のEGCgがカテキン類全体の約半分を占めるため、特有のすっきりとした渋味を楽しめるのです。

テアニンが分解されてカテキンができる

ところで、日本茶のカテキンはどうやって生成されるのでしょうか。カテキンの材料になるのが、日本茶特有の旨味成分であるテアニンです。

チャノキの根で作られたテアニンは、葉へと運ばれます。テアニンを含む葉が光合成することで、テアニンが分解され、最終的に渋味成分のカテキンが生成されるのです。

このため、より多くの光合成を行った茶葉ほどカテキンの含有量は多め。例えば、同じ煎茶でも一番茶より二番茶の方がカテキンは多くなります。逆に、被覆栽培を行う玉露・てん茶(抹茶の原料)・かぶせ茶は、カテキンが少なくテアニンが多くなるため、旨味の強いお茶になるのです。

低温で溶け出しにくいカテキン

カテキンは、高温で抽出されやすく、反対に低温で抽出されにくいという特徴があります。特にECg・EGCgは、冷水ではほとんど抽出されません。高温でお茶を淹れると渋味が強くなるのは、カテキンのこの性質が原因です。

また、カテキンは比較的抽出に時間がかかるという特徴もあり、抽出時間を長くするほど多く溶け出します。低めの温度で抽出しても、長時間放ってしまうと渋味が強くなるため要注意です。

淹れかた一つで渋味をコントロール

カテキンの特徴を踏まえると、温度や抽出時間を調節すれば、お茶の渋みをコントロールできるということがおわかりいただけるでしょう。

渋味が少なく旨味の強いお茶を楽しみたい時は、低温で淹れるのがおすすめ。特に水出しの場合は、ほとんどカテキンが抽出されないので、渋味や苦味が抑えられたお茶になります。

なお、日本茶の持つ旨味・渋味を両方楽しみたいという場合には、煎茶堂東京がお伝えする基本レシピで淹れるのがおすすめです。

冷たくてすっきりとした渋味・苦味を楽しみたい時は、基本レシピを応用すればOK。程よくカテキンが抽出された冷茶を楽しめます。

カテキンを知れば日本茶をもっと楽しめる

ここまでご紹介した話を簡単にまとめてみましょう。

・お茶にも含まれるポリフェノールは、抗酸化作用が期待される成分。老化や生活習慣病、ガンの予防に効果が期待できる。
・お茶に多く含まれるポリフェノールがカテキン。日本茶ならではの渋味や苦味をもたらす、大切な味成分でもある。
・カテキンは低温で抽出されにくいので、淹れかたによって渋味をコントロールできる。

このようにカテキンの特徴を知れば、日本茶をより深く楽しむことができるのです。

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