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福田里香「焼きの美しい菓子は、彫りが美しい器で」私が器を使うなら vol.032

2023年10月19日

by 煎茶堂東京編集部

使う人によって、全く違う表情を見せるのが、器の面白いところ。一緒に使うカトラリー、テーブル、部屋に入る光の加減……。もちろん、どんなスイーツやお料理を載せるかもその人のチョイス次第。

煎茶堂東京オンラインで販売している器やカトラリーを、菓子研究家・福田里香さんに使っていただきました。

焼きの美しい菓子は、彫りが美しい器で

「ダックワーズ」は「フランス菓子 16区」オーナーシェフの三嶋隆夫(みしま たかお)さんが1979年に考案した銘菓です。

三嶋シェフは伝統的にアントルメ(デザート)の底に敷く脇役として使われていたアーモンド入りのメレンゲ生地を主役に据え、キャラメルクリームをサンドしたお菓子を創造しました。

詳しくは下記のお菓子の栞をご覧ください。

木工作家の堀宏治(ほり こうじ)さんの「カップトレイ」に「ダックワーズ」を盛り付けてみました。焼き目模様の美しさと彫り跡の手仕事が呼応して品のいい佇まい。

両端の縁が高く、脚や高台がないフラットな意匠には、お菓子を重ねて盛り付けて高さが出すのがコツです。

「カップトレイ」を拡大したところ。

横幅23cm、奥行き12cm、高さ1.8cm。表面は細いラインが見えるような繊細な彫りです。

対して斜めに立ち上がる縁の彫りは、鑿(のみ)の跡を残した素朴な彫りと絵筆の筆致を変えるように彫りのタッチを変化させています。またトレイの断面に注目すると「継ぎ目が無い」ことに気が付きます。

本品は、そう、一枚板をくり抜いた贅沢な造りのトレイなんです。

堀さんの技術が冴える美しい彫りは底面にも施されていますから、ひっくり返して使っても素敵。

トレイの縁が脚になり、高さのある器に変身しますから、お菓子は平らに並べて盛り付けてみました。

「カップトレイ」の底面を拡大したところ。

表面とはまた違う柔らかいタッチの彫り模様にうっとり。縁の立ち上がりは鑿跡を残さないなめらかな仕上がりです。

パリッとした外側に歯を立てると、フワッと弾力のある生地が舌に心地よい。不思議と和菓子のようにも感じる美味しさです。

「煎茶堂東京」のティーコンシェルジュさんのおすすめは、味わいがしっかりしていて、香ばしい香りの『006 ゆたかみどり 霧島』。一煎目は80℃で1分蒸らし、二煎目は80℃で15秒で注ぐのが、香りを立たせて苦味を出すレシピだそうです。

今回使用した器

今回使用したお茶

フランス菓子 16区「ダックワーズ」

価格 3袋入 1,566円(税込)〜
販売期間 通年
販売場所 〒810-0022 
福岡県福岡市中央区薬院4丁目20-10
他、オンラインストアでも購入いただけます
営業時間 10:00-18:00
月曜定休(月曜祝日の場合は営業し、翌火曜お休み)
詳細はホームページをご覧ください。
URL www.16ku.jp/index.html

福田里香(ふくだ・りか)さん

菓子研究家。武蔵野美術大学卒。『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『民芸お菓子』(Discover Japan)など料理・お菓子に関する著書多数。Instagram:@riccafukuda

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