
作り手のことば「操作出来ない部分から生まれる美しさを掬い上げる」陶芸家・三浦ナオコさんインタビュー
2022年12月16日

by 煎茶堂東京編集部
岐阜県多治見市で活動している、陶芸家の三浦ナオコ(みうら・なおこ)さん。デザインを勉強する中で触れた古物をきっかけに陶芸の道に進まれました。
器づくりも、デザインと同じで収集と研究の繰り返しだと話す三浦さん。作品に対する想いを伺いました。
三浦さん、本日はよろしくお願いします。三浦さんは最初から陶芸を目指したわけではなく、最初はデザインを学ばれてたんですよね。
はい、桑沢デザイン研究所という専門学校に入学した後に器に興味をもつようになって、多治見市陶磁器意匠研究所に入学し、現在は多治見市で作陶しています。
器に興味をもつようになったとのことですが、きっかけは何だったんでしょうか?
デザインを学ぶ中で、生活の中にある道具に興味を持って、作りたいと思ったのがきっかけですね。蚤の市などで出会った昭和初期頃の机や器が素敵に見えて。昭和初期のものって量産品が多かったのですが、そんな中に手の跡が残っている吹きガラスや、釉薬にムラがある焼き物などに魅力を感じました。
器作りとグラフィックデザインで通ずる部分はありますか?
デザインは、まず収集して研究し、さまざまな実験を行い、そこから作り上げていく工程があります。そこは器やデザインだけでなく、全てのものづくりに共通していると思います。
三浦さんが器作りで大切にしていることはありますか?
制作過程の中で焼き物ならではの「操作出来ない部分」から生まれる美しさを掬い上げることです。完璧にまっさらに綺麗なものというよりも土の有機的な動きがいいと思っているので、そういう部分を制作に繋げています。
作品をつくっていて一番気分の上がる瞬間はどんなタイミングですか?
やはり、窯出しです。一度手を離れたものと対面する瞬間が好きです。
作品を作るときのインプットはありますか?
多素材のアート作品や、古物などは参考になる部分が多いです。
現在活動している場所の好きなところを教えてください。
岐阜県の多治見市には、ご存知の通り器を作る作家がたくさんいます。仲間がたくさん居て、情報交換が出来る。土の産地なので原料や道具が手に入りやすく、業者さんに相談出来る点は、ここならではの良さだと思います。
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