
福田里香「五色豆のお茶受は、雲のような木の器で」私が器を使うなら vol.16
2022年10月26日

by 煎茶堂東京編集部
使う人によって、全く違う表情を見せるのが、器の面白いところ。一緒に使うカトラリー、テーブル、部屋に入る光の加減……。もちろん、どんなスイーツやお料理を載せるかもその人のチョイス次第。
今回は、煎茶堂東京オンラインで販売している、南裕基さんの『茶托』を、菓子研究家・福田里香さんに使っていただきました。
五色豆のお茶受は、雲のような木の器で
五色に輝く雲は、古来より吉兆とされ、 瑞雲(ずいうん)と呼ばれています。
軽やかな雲のような木の器に、京都の豆菓子の老舗「豆政」の「夷川(えびすがわ)五色豆」を盛り付けました。
木彫りの器は、南裕基(みなみ・ゆうき)さんの作品です。ひとつひとつ違う、丁寧な鑿(のみ)跡につい見惚れてしまいました。本来は「茶托」なのですが、ちょこっと何か食べたいときのお茶受け皿にもぴったり。
南さんの茶托は1枚から購入できますが、色違いで4~6枚揃えると、お取り皿としても使えて素敵。「夷川五色豆 木桝入」はお値段も手頃で、蓋を開けた瞬間に場が華やぐこと請け合いです。
五色豆は宮中の五彩色を表現した縁起物で、豌豆(えんどう)に5色の糖衣をかけた豆菓子。白は金、青は木、赤は火、黄は土、黒(肉桂風味の褐色)は水を表し、合わせて大地を象徴しているそうです。
色が3色あるのは、木材の種類や塗装が異なるからです。
左上の濃いめの木肌はクルミ材。
右上の淡い色の木肌は楓材。
下段の黒い茶托は、その時期に入手できる木材を使用した黒漆仕上げ。
長径は約10cm、短径は約7cm。底面の平らな部分は長径約7.3cm、短径約4.6cm。なにかと使いやすい大きさです。茶托として使う場合は、高台が直径4cm以下の小ぶりの茶器にサイズが合います。
甘・旨・苦のバランスが取れた煎茶堂東京の「045 おくみどり 霧島」は、豌豆にまぶした糖衣とも相性が抜群です。
鯉のぼりの吹き流しも5色ですし、「♫五色の短冊」と歌われる七夕の節句など、5色は日本の祝いの色。慶事の席にもおすすめです。
今回使用した器
今回使用したお茶
京都夷川 豆政「夷川五色豆」
価格 | 230g木桝入 1,080円(税込) |
販売期間 | 通年 |
販売場所 | 〒604-0965 京都府京都市中京区六丁目264 その他店舗、オンラインでも購入いただけます。 |
営業時間 | 月-土曜 8:00-18:00 |
定休日 | 日曜定休 |
電話番号 | 075-211-5211 |
URL | mamemasa.co.jp |
福田里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学卒。『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『民芸お菓子』(Discover Japan)など料理・お菓子に関する著書多数。Instagram:@riccafukuda
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