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作り手のことば「器の魅力は自然を食卓に取り入れられること」陶芸家・亀田文さんインタビュー

2021年11月05日

by 神まどか

煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。最近の趣味は中国茶と茶道具収集です。

とろんとしたテクスチャーが美しい表情を魅せる「亀田文」さんの作品たち。

大分県別府市にて夫婦で作品づくりを行う亀田文さんの器は、手に取るとなぜか心穏やかになれるような不思議な力を持っています。

亀田文さんについて

1973年神奈川県生まれ。2013年より大分県別府市に移住し築窯を始める。
公式サイト:https://susuke.jp/


作品を作っていて一番気分の上がる瞬間はどんなタイミングですか?

思い描いたうつわやオブジェを製作して、削り出しをして仕上げた時ですね。工房のあるこの場所は温泉が多く、自然豊かで恵まれた土地です。普段から自分が感じたこと、経験したことや見たもの、好きなことを素直な気持ちで取り入れていけたらと思っているので、そんな作品づくりの過程が楽しいです。

陶芸の面白いところ、難しいところはどんなところでしょうか?

土や釉薬、焼き方などが無限にあり、実験のようなところは面白いですね。

でも、いつもと同じような製作工程を踏んでも、窯を開けたら思い描いていたものと違うものに焼き上がっていることもあるところは、何年経っても難しいなぁ…と思います。


現在の作風や、作品について教えてください。

西洋のアンティークのうつわが好きなので参考にしている部分も少しあります。ですが、その中で自分らしい色が出せたら…と思って制作しています。

「白釉花形オーバルリム皿」は、とろりとした柔らかい白色に仕上げたのですが、メインプレートとしても使えて、のせる食材や料理を引き立たせることができる器です。

「︎貝がら小皿」は名前の通り貝をモチーフにしています。貝は私達の身近にあり、自然を感じられるもののひとつ。そんな貝の形のうつわを食卓や身の回りの生活道具として取り入れていけるということが、このうつわの魅力じゃないかなと思っています。

「白釉オーバル面取鉢」は、ゆったりした線のうつわが多い中で、規則的な面の取り方をしているんです。でも、かっちりした印象になりすぎないよう、その中にふんわりとした雰囲気を出せたらと思ってこだわって作っています。

作品を作る際の落とし込み方はどのように行っているのでしょうか?

私にとって、作品を作るということはとても楽しいことなんです。経験したことの落とし込み方は……方法的な説明はすこし難しいのですが、直感や潜在的に頭にあることがまとまった時に自然と形になるのだと思います。

私の作品には、モノトーンのカラーと「さくらベージュ」という、うっすらピンク色のカラーがあります。

これは名前の通り桜の色をイメージして作った色なのですが、桜の花は遠くから見ると花びら達が集まってピンク色に見えますよね。

でも、一つ一つの花びらをよく見ると、どちらかと言うと白に近いほんのりとした桜色。その何とも言えない趣のある薄い桜色をうつわでも表現してみたいと思い、できた色です。

貝がら小皿の魅力の話でもありましたが、こんな風に自然の美しさや儚さをテーブルの上で楽しめることは、とても嬉しいことだと思いますし、それがうつわの魅力だなと思います。

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