
チーズと○○、ペアリングを考えるコツとは?チーズ専門店に聞いた3つの法則
2021年10月08日

by 神まどか
煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。最近の趣味は中国茶と茶道具収集です。
発酵や熟成によって、原料である生乳のタンパク質が、グルタミン酸をはじめとした旨味のもと、アミノ酸へと分解される。これがチーズの旨味の正体です。
その量は、出汁に使われる昆布の旨味にも近しいそう。出汁と同様に旨味が強く、和食の良さをしっかりと引き出す飲み物である煎茶を、チーズと合わせてみたら?お茶の定期便「TOKYO TEA JOURNAL」VOL.30では、そんな味覚の冒険にチャレンジ!
今回は、東京・三軒茶屋に本店を構えるチーズ専門店「LAMMAS(ランマス)」さんに、ペアリングのコツを教えていただきました。
教えてくれたのは…チーズ専門店「LAMMAS(ランマス)」さん
フランス、イタリアを中心にヨーロッパ各地のチ ーズを取り扱う専門店。フランスのチーズ熟成士のもとで管理と熟成を学んだオーナーが、本当においしいと思ったものだけを販売しています。オリジナルのショーケースとセラーで、状態管理に気をつけているので、本場の味わいを楽しめるのが魅力。
https://www.lammas.jp/
法則その1/
同じ故郷のものは間違いなし!― 土地の味を満喫する―
法則その1 は、「同郷のもの同士を合わせる」こと。たとえば、カマンベールチーズの元祖「カマンベール・ド・ノルマンディ」は、同じくノルマンディー産の「シードル」がよく合います。また、その土地で愛される組み合わせを真似するのもおすすめ。
外皮を塩や酒で洗いながら熟成させるウォッシュチーズの一種「マンステール」は、生産地のアルザスでは、やはり個性的な芳香のクミンシードと合わせます。外皮の強い香りを抑えつつ味わいを引き立てる組み合わせは、さすが地元の味!
法則その2/
フレッシュなものには、フレッシュなものを ― 似たもの同士の組み合わせ―
チーズには、深い熟成を経たものだけではなく、熟成させないタイプのものもたくさんあります。モッツァレラやリコッタなど、生乳に乳酸菌や酵素を加え固めたフレッシュチーズがそう。
軽い酸味とさわやかな風味、くせのない味わいが特徴ですが、このタイプにはジューシーな旬の果物や、新鮮なオリーブオイルが合います。
また旨味が強く香ばしいゴーダチーズなどは、同じく香ばしさのあるものを。味の方向性が近いものを合わせると、素材同士の良さを高め合ってくれるのです。
法則その3/
相反するものだからこそ、引き立て合う ― 対照的な味わいとの組み合わせ―
その一方で、一見相反するような組み合わせが驚くほどよく合う場合もあります。ゴルゴンゾーラとはちみつのように、塩気の強く濃厚なブルーチーズは、はちみつやジャムなどの濃厚な甘味がよく合います。
フレッシュなフルーツよりも甘味が凝縮したドライフルーツも◎。良いペアリングとは、お互いの旨味や甘味を引き出して、味の相乗効果が起こるもの。軽いものと濃いものを合わせると、どちらかが負けてしまいますが、濃厚なものと濃厚なものなら、良い組み合わせになります。
煎茶とチーズを合わせるなら?
チーズと組み合わせる飲み物といえば、やはり頭にはワインやブランデーなどが浮かびます。しかし旨味や甘味を含む煎茶は、組み合わせ次第ではワインにも負けない素晴らしいペアリングになります。
組み合わせを考える場合、煎茶×お漬物が好相性のように、やや塩気があったり、香ばしい風味があったりするものを選ぶと◎。どちらかというと、フレッシュなものよりも熟成の進んだものの方が合いやすい傾向にあります。
旨みの強いハードチーズ「パヴェ・ド・ノー」は、煎茶の旨みとの相乗効果が起こり、引き立て合う組み合わせ。お醤油のような香ばしさもあるので、どことなく和を感じられて抹茶入り玄米茶などにもぴったりです。
しっかりと熟成が進み、ややクセと塩気が強くなるミルキーなブリーチーズも煎茶との相性がぐんとよくなります。「カマンベール・ド・ノルマンディ」にはシャンピニオン(きのこ)の風味があるため、煎茶の旨み成分と調和して絶妙な組み合わせになりますよ。
煎茶堂東京がおすすめするペアリング
「パヴェ・ド・ノー」×「004 やぶきた やめ」
「カマンベール・ド・ノルマンディ」×「005 おくみどり」、「052 さえあかり」
「ブリー・ド・モー・ア・ラ・トリュフ」×「056 やぶきた 臼杵」
ペアリングについては「煎茶堂東京パーラー」で詳しくお話しています!
https://anchor.fm/senchadotokyoparlor/episodes/29-e172hfk/a-a6g3njr
LAMMAS 三軒茶屋本店
所在地 | 〒154-0002 東京都世田谷区下馬2-20-5 |
電話番号 | 03-6453-2045 |
@lammas.cheese |
LAMMAS 六本木ヒルズ店
所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木6 丁目12-1 六本木ヒルズレジデンスA 1階 |
電話番号 | 03-6447-0120 |
@lammas.cheese.r |
このインタビューは「TOKYO TEA JOURNAL」VOL.29に収録されています。
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