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モクテル手帖〈 18時00分のさくらの煎茶といちご 〉page.6

2023年02月16日

by 煎茶堂東京編集部

“ドリンク作家”として活動するemmyさんが作り出す、ノンアルコールのカクテル=モクテル。それをひと口味わうと、お茶の新しい扉が開けるよう。今日も、そんな果物の甘美な魅力に酔いしれながらお茶と戯れる1日の時間を綴る。

18時00分のさくらの煎茶といちご

18時00分。

穏やかな陽にすっかりと春を感じるようになったが、夜が近づくとまだまだ凍えるように寒い。

冷えた腕をさすりながら真っ白な茶缶に手を伸ばす。

さくらの葉が加えられた茶葉はふわりと春の花が香り、蕾がほころぶ姿が見えるようだ。小鍋で煮ると、さくらを包むように煎茶の香りが立ち上がってくる。いちご、麹ウォーターを加え、少量の氷砂糖をじっくりと溶かす。

塩漬けのさくらの花を湯通しし、花を開かせておく。桜餅のような香りの茶を飲みながら、思い出すのは華やかな春の菓子達といつかの賑やかな花見。
さくらの花からはあの香りはしないのに、春の記憶を思い出すのは不思議だなとつくづく思う。

冷えた「さくらの煎茶」のシロップに香ばしいそら豆の味噌をほんの少し。花を入れ、カエデの樹液で作られた炭酸水を注ぐ。最後の仕上げに柚子皮で香りを引き締める。

待ち遠しい春の香りに、茶葉と麹のまろやかさがすぅっと喉を通っていく。いちごの爽やかな余韻を感じながらまだ名残りのある冬の夜風を迎える。

<さくらの煎茶といちご モクテル材料>
さくらの煎茶
いちご
麹ウォーター
氷砂糖
そら豆味噌
カエデ炭酸水
さくらの塩漬け
柚子

使用したお茶

ドリンク作家 emmy

ノンアルコールを専門とするドリンク作家。 物語のあるオリジナルドリンク制作のほか、企画、監修などを行う。建物と餡子好き。Instagram:@emmyemi_
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