【お菓子とお茶】137年も愛される理由。銀座・空也の「空也もなか」と「054 あさのか」でサスティナブルについて考える

2021年05月28日

by 小野寺友麻

おいしいお茶を淹れると、お茶菓子が欲しくなる。おいしそうなお菓子を見つけると、どんなお茶を淹れようか想像してしまう。煎茶堂東京のお茶と過ごす日々の中で、ついつい誰かに教えたくなるペアリング菓子をご紹介します。

今回は、東京茶寮・バリスタの小野寺が煎茶堂東京のお客さまに教えていただいた、創業137年の今も銀座で愛され続けているお菓子とお茶のペアリングです。

空也の「空也もなか」

2021年5月、新しい生活様式を模索し始めてから1年以上になりますね。一人一人が当たり前を見直し、今まで以上に“進化”をしながら日々を過ごされているのではないでしょうか。

去年のちょうど今頃は、東京茶寮・煎茶堂東京 銀座店ともに一時休業をしていた、そんな時期でした。約2か月後の6月から営業を再開しておりますが、東京茶寮は現在も引き続き営業日を絞っての営業です。

東京茶寮の営業が毎日ではないので、私は昨年から銀座店にも立っています。銀座は、大学の卒業論文のテーマにゆかりがある場所があり、何度か訪れたことはありました。しかし馴染みのお店などはなく、銀座店のスタッフやお客さまに教えていただくことばかり。

今回の「空也もなか」(10個入り 1,100円税込)もお客さまに教えていただいたオススメお菓子の一つでした。何度かお店の前を通ったことがありましたが、毎回何組かお待ちの方が。電話で予約ができるとのことで、今回は予約をしてから伺いました。

明治17年上野池之端で開業、昭和24年戦災により現在の銀座6丁目にお店を移された空也。

私の年齢でいうと5倍の年月…戦争を経験しているのはもちろんのこと、なんと夏目漱石著『我輩は猫である』にも登場するのだとか。(今回取り上げた空也もなかではなく「空也餅」が一説に出てくるのだそう)

改めて、文字通り長年愛され親しまれているのだな、と知れば知るほど思い知らされます。そんなお菓子と同じ時代に生き、さらに口にできる喜びはひとしおです。

あんこを楽しむための、そしてサスティナブルな最中!?

まず、受け取った時の重量感。あんこがミッチリ詰まっているんだろうな、と思わざるを得ないズッシリ感。すぐに開けたかったのですが、お休みの日にゆっくり頂こうと逸る気持ちを抑えて翌日を待ちました。(その間も頭の片隅には最中がいました。笑)

翌日お湯を沸かし、遂に対面のとき…!早く開けたいのですが、丁寧に包まれた包装紙を乱暴に破きたくもない。そっと慎重に包みを開きつつ、だんだんと鼻に近づいてくる最中の香ばしい香り。蓋を開けると、箱いっぱいに並んだ丸い小ぶりな最中。

丸っこい「空也」の文字からは、昔ながらの趣と可愛らしさも感じられます。サクッと手で割ってみると思いの外、最中の皮が薄い!口に運ぶと、最中の皮を噛んだ感覚はスッと一瞬で、すぐにあんこに辿り着きます。あんこはしっかり炊かれているのですが、主張しすぎない小豆のゴロゴロとした存在感が嬉しい。

甘さもくどくなく、あんこの豆感も堪らない。もちろん最中の皮はなくてはならないのだけれど、あんこの良い引き立て役というか、兎にも角にも良い塩梅。一人でも一箱ペロリといけてしまうのでは…と思う程でした。

また、お店の説明書きには「ここ銀座で、安くて美味しく、体に優しい安全な和菓子をできる範囲でつくり、その日のうちに売り切るのが空也スタイル」ということが書かれていました。勉強不足の身ではありますが、これぞ正に、いま叫ばれている“サスティナブル”ではないかと感じました。

保存料や添加物等を使用していない=人間の健康に繋がる。ロスを出さない=環境保全にも優しい。そして何より美味しいお菓子は人の心を平和にすると思うんです。(ちょっと壮大でしょうか?笑)

「うふふっ」と笑みがこぼれるお茶時間。

空也もなかと合わせるのは、「054 あさのか」。熊本県産の深蒸し茶です。今回は、あんこを存分に味わえる最中には深蒸し茶を合わせたい!とお菓子を選んだときから決めていました。

実はもともと、“まあるく均整の取れた味”と表現される「036 みなみかおり」との合わせを想定していました。(まあるい味わいのお茶とまあるい最中のペアリングの予定でした。笑)しかし実際に合わせてみたところ、断トツでお茶が進んだのは「054 あさのか」。

甘みも苦みも感じられ、味わいも強すぎず、そっと寄り添ってくれるような味わいが、あんこの甘さや小豆のほっくり炊かれた豆感を引き立ててくれます。外側の最中がお茶とジュワッと広がるのもいい…。

結果的に、空也という屋号と「054 あさのか」の空色の茶缶で“空”色のペアリングが完成しました。

空也もなかは、保存料など余計なものは入っていませんが賞味期限が1週間と、日持ちするのもありがたいポイントです。そして購入してすぐは最中がサクサクで、数日経ってくると最中があんこに馴染んできます。次回は、自分が好きな食べ頃を見極めるのがたのしみの一つとなりました。

そしてもう一つやってみたいことが…「おしるこ」です。今回は他のお茶も淹れたりして、全てそのまま頂いたのですが、空也公式で「おしるこ」の提案もしてくれているのです。

「硬くなった最中につきましては、五〜六ケまとめて、手鍋に入れ、水を加えて、おしるこにして召し上がるのも一法かと存じます。」はい、やりたいです。でも、いざやる時には勿体なくて(そのままでも勿論おいしいので)ひたすら迷っている未来が見えます(笑)。

空也の「空也もなか」

価格 10個入り 1,100円(税込)
販売期間 通年
販売場所 東京中央区銀座6丁目7-19(並木通り)
03-3571-3304
営業時間 10:00-17:00(土曜は16:00まで)
定休日 日曜祝日
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