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福田里香「カリッとろっ絶品カヌレを粉引きの器で」私が器を使うなら vol.024

2023年03月01日

by 煎茶堂東京編集部

使う人によって、全く違う表情を見せるのが、器の面白いところ。一緒に使うカトラリー、テーブル、部屋に入る光の加減……。もちろん、どんなスイーツやお料理を載せるかもその人のチョイス次第。

煎茶堂東京オンラインで販売している器やカトラリーを、菓子研究家・福田里香さんに使っていただきました。

カリッとろっ絶品カヌレを粉引きの器で

荒賀文成(あらが・ふみなり)さんの「ヒビ粉引き取り皿」で、COFFEE KIOSK ROASTERの「カヌレ」をいただきました。

Cannele(カヌレ)はフランス・ボルドー地方の伝統菓子です。だから、とても西洋的なかわいいフォルムだと感じていましたが、それは思い込みでした。

和の器に盛り付けたら、するとどうでしょう。途端に黒砂糖系の和菓子のようにも見えてきました。そう、カヌレ型の紋様は、日本の伝統柄「菊文様」にそっくりです。特に真上から見ると「菊文様」にしか見えません。

ふたつの類似するデザインの源流は一体何処から来たのだろう?……そんなふうに、思考をうんと遠くに飛ばせるのが、よいお茶の時間なのだと思います。

ヒビ粉引き取り皿」を真上から見たところ。

ほぼフラットな底面なので盛り付けやすく、直径13cm、高さ4cmと使いやすいサイズ感が魅力。不規則に入る貫入(ヒビ模様)や釉薬の流れはそれぞれ異なり、1枚として同じものはなく窯変の美を感じます。

底面にはかわいい目跡(めあと)が4つ。目跡とは、火入れをする際に溶けて流れた釉薬が窯板に溶着するのを防ぐために、陶磁器と窯板の間に嚙ませた粘土の跡のこと。李朝の器等にも見られる、古来から続く焼成法です。

*窯変とは、作為的ではなく窯内の炎の力により、器の形や釉薬などが思いがけない変化を起こすこと。

高台の内側にも釉薬が掛けられた裏面。表面と同様に、1枚として同じ景色のものはなく、無作為の美を感じます。

coffee kiosk roasterのカヌレは、外側のカリカリに焦げた味わいと、モチモチでとろりと柔らかい生地の対比が絶妙でとてもおいしいんです。

焦げが特徴のお菓子ですから、同じく火の入った煎茶堂東京の焙じ茶『「やぶきた」シングルオリジン棒ほうじ』がよく合います。熱湯で、しっかり1分ほど置いていただくのがコツです。

今回使用した器

今回使用したお茶

COFFEE KIOSK ROASTER「カヌレ」

価格 380円(税込)
販売期間 通年
販売場所 〒151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-6-7-1C
営業時間 月曜、水曜-金曜 9:00-18:00
土曜 10:00-17:00
火曜、日曜、祝日休み
URL bagn-coffeekiosk.com

福田里香(ふくだ・りか)さん

菓子研究家。武蔵野美術大学卒。『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『民芸お菓子』(Discover Japan)など料理・お菓子に関する著書多数。Instagram:@riccafukuda

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