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福田里香「冷茶で愉しむ、モノの形の器とお菓子」− 私が器を使うなら。vol.07

2022年06月08日

by 煎茶堂東京編集部

使う人によって、全く違う表情を見せるのが、器の面白いところ。一緒に使うカトラリー、テーブル、部屋に入る光の加減……。もちろん、どんなスイーツやお料理を載せるかもその人のチョイス次第。

今回は、煎茶堂東京オンラインで販売している、亀田文さんの『貝がら小皿』(白釉)を、菓子研究家・福田里香さんに使っていただきました。

冷茶で愉しむ、モノの形の器とお菓子

器とお菓子の類似点は、モノのカタチを模した造形が散見されることです。
これは昔から器やお菓子に、個人の嗜好を満たす遊び心を求めるひとが多いからだと思います。
模倣の元ネタの例を挙げると、動植物や自然の造形物にはじまり、人間が造った人工物までと多彩。
亀田文(かめた・ふみ)さんの二枚貝を模した小皿や、「越の雪大和屋」のクレヨンを模した和菓子もその系譜です。

粘土や石を焼成する技法が未発達な原始時代では、山間地域で暮らす人々の器は大きな葉っぱだっただろうし、海が近い地域なら器は二枚貝だったでしょう。
そのような太古から続く器の歴史を踏まえれば「陶器で貝がらを模す」という時系列反転の意匠は、純粋に優美でありながら、非常にコンセプチュアルな小品といえます。

手のひらに収まる長さ11.5 cm、幅8.5cmというサイズ感にも貝がらの*アーキタイプを感じました。

*アーキタイプ:人の心の中に普遍的に存在していると考えられる「イメージパターン」のこと。

越の雪大和屋の「おいしいおえかき」は、クレヨンを模したかわいい和菓子。
和三盆糖のお干菓子にゆず、さくら、まっちゃ等8種類のフレーバーで色彩をつけてあり、口に含めば、はらりと解けます。
まるで絵を描くように味覚を彩る名菓です。

煎茶堂東京の「001 はるもえぎ」の冷茶を合わせてみました。
わたしのいれ方は、茶葉4gに300~400mlの水を注ぎ、冷蔵庫で冷やすだけ。
そんな簡略なやりかたでも、とてもおいしい冷茶になりました。
蒸し暑い季節には、水分補給をこまめにしたいもの。
すごく薄めのお茶をたくさん飲むのもおすすめです。

越乃雪本舗大和屋「おいしいおえかき」

価格 8本入り 1,782円(税込)
販売時期 通年
販売場所 越乃雪本舗大和屋 本店
〒940-0072​
新潟県長岡市柳原町3-3

ほか、オンラインストア等でも購入可能。詳しくは公式サイトをご確認ください。
電話番号 0258-35-3533
営業時間 9:00-17:30
URL https://www.koshinoyuki-yamatoya.co.jp

福田里香(ふくだ・りか)さん

菓子研究家。武蔵野美術大学卒。『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『民芸お菓子』(Discover Japan)など料理・お菓子に関する著書多数。Instagram:@riccafukuda

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