
1ミリの僅かな差が仕上がりを変える。南裕基「隅切り盆」
2022年04月01日

by 神まどか
煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。よく飲みよく食べよく眠る。好きな食べ物は「豆花」。突拍子もなく大きい声で歌うのが好き。朝に弱いけど早起きに憧れます。
シャープな線と手仕事の温かさが同居する南裕基さんの木工作品。その上品なラインは、南さんの琴線に引っかかった寺院などの建築物からインプットを得ることも。
今回は、南裕基さんが制作する「隅切り盆」の魅力と、実際に使った時のイメージについてご紹介します。
販売開始:2022年4月6日(水)11時
南裕基さんについて
南裕基「隅切り盆」
2016年から、愛知県蒲郡で木工作家として活動する南裕基さん。煎茶堂東京でも早くも人気の高い南さんの作品の中には、茶道具が多く見受けられます。
中国茶を趣味として始めたのをきっかけに台皿や茶さじ、茶托やお盆を作るようになったそう。
作品のインプットを聞くと、神社や寺などの建物のディテールで琴線に触れたものを落とし込んでいることもあると教えてくれました。
「隅切り盆」は、幅150mm・奥行300mmのお盆。隅切り盆の形を決めていく際は、縁の“厚み”が重要だったと話します。
「ぽこっと膨らんでいる縁は4ミリの厚さにしていますが、それが5ミリとか6ミリでは全く違う雰囲気になってしまうので、色々試して最終的に4ミリがバランスのいい感じになりました。1ミリの差が表情をガラッと変えてしまうんですよ。」
僅かな差が雰囲気を大きく変えてしまうため、作品の仕上がりが一番バランスの良いところを見極める“目”にかかっている。大変細やかな技術です。
そして、テーブルとの接地面と、立ち上がりの削ぎ落とされた印象。そして表面の彫り目に見られるニュアンスが見て、触って楽しい。愛でるうちにどんどん手の脂が馴染んで味がでてきますよ。
お茶時間にちょうどいいサイズの「隅切り盆」は、「透明急須」を置くとこんな感じ。中国茶の小さな茶器を並べても素敵です。
陶芸家・中村豊実さんの「輪花茶杯」との相性もぴったり。自宅でゆっくり自分のために使う時間が、さらに愛おしくなりそうです。
販売開始:2022年4月6日(水)11時
スタイリング:
フードスタイリスト・鈴木愛
2007年よりフードコーディネート、テーブルスタイリング、レシピ開発など活動中。最近は、家族で小さな畑の野菜作りをはじめました。
公式サイト:https://www.odd.holiday
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