
福田里香「苺と桜は、春の味覚です。」− 私が器を使うなら vol.01
2022年03月09日

by 煎茶堂東京編集部
使う人によって、全く違う表情を見せるのが、器の面白いところ。一緒に使うカトラリー、テーブル、部屋に入る光の加減……。もちろん、どんなスイーツやお料理を載せるかもその人のチョイス次第。
今回は、煎茶堂東京オンラインで販売している、亀田文さん作陶の『オーバル面取鉢』(さくらベージュ)を、菓子研究家・福田里香さんに使っていただきました。
苺と桜は、春の味覚です。
亀田文(かめた・ふみ)さんのさくらベージュの器は、桜の花が含んでいるほんの微量の灰味や、光によっては青ざめて見える作用まで、そのまま器に写し取ったような色合い。
どうやって色を作り出しているのだろう?と、つい“魅入って”しまいます。
ご紹介する12角のオーバル皿は1人分のごはんでも、家族分のおかずを盛り付けるにもちょうどいいサイズ感。
柔らかに光を返す艶消しの釉薬は、どんな料理も美しく受け入れてくれますが、案外フランス菓子も似合います。
「Aux merveilleux de Fred(オー・メルベイユ・ドゥ・フレッド)」の生成り色に焼けたサクサク軽いメレンゲに、少量のお砂糖で和えてシロップをまとわせた苺、ゆるく泡立てた生クリームを添えれば「パブロヴァ」の出来上がり。
きっちり盛り付けても、ラフに崩しても、かわいいなんて明らかに器のおかげです。
煎茶堂東京の春限定「さくらの煎茶」と一緒にどうぞ。
洋菓子にお茶?と思うかもしれませんが、淡雪寒をはじめ、富山の「玉天」や「月世界」、岐阜の「雪たる満・都鳥」等、和菓子にもメレンゲの銘菓があります。
メレンゲと日本茶は、しっくり馴染む組み合わせです。
目跡もデザインのひとつ。
ポッチがなんとも愛らしい。
色合いの次は、器の底面にも“魅入って”しまいます。
*目跡(めあと)とは、火入れをする際に溶けて流れた釉薬が窯板に熔着するのを防ぐために、陶磁器と窯板の間にかませた粘土の痕跡のことを指します。李朝の器等にも見られる古来から続く製法です。
Aux merveilleux de Fred「メレンゲ」
価格 | 1個 150円(税込) |
販売期間 | 通年 |
販売場所 | 〒162-0805 東京都新宿区矢来町107-2 |
電話番号 | 03-5579-8353 |
営業時間 | 9:00-19:00 |
URL |
公式Instagram 公式サイト |
福田里香(ふくだ・りか)さん
菓子研究家。武蔵野美術大学卒。『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『民芸お菓子』(Discover Japan)など料理・お菓子に関する著書多数。Instagram:@riccafukuda
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