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わたしの茶道具「かけがえのない価値」ペインター/吉田紳平さん

2021年11月11日

by 神まどか

煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。最近の趣味は中国茶と茶道具収集です。

お茶のある暮らしを楽しむうちについ増えてしまう茶道具たち。でもお気に入りの逸品があると、お茶はもっと楽しくなる。センスのよいあの人が、そんな愉悦にどっぷりつかってしまった茶道具をご紹介。

ペインターの吉田紳平さんは、淡く、消え入りそうな人々の肖像を描く今注目の若手アーティスト。日頃よくお茶を飲み、素敵な茶道具をたくさんお持ちの吉田さんに、とっておきの茶道具のお話を伺いました。

かけがえのない価値

肌寒い冬の朝、熱いお湯を注いだポットから立ち籠める湯気が、窓から差すやわらかい光に照らされて、白く、ふわっと輝いている。何気ない、ほんのわずかなじかん。
そんな消えてなくなってしまいそうな静かな瞬間に、はっとさせられることがある。

今から7年前、制作と仕事に追われる日々に息苦しさを感じていた頃がありました。少しでも違う景色に触れたくて、当時あまりにも身近で他人事のように思っていた“故郷”である奈良の土地に意識を向け始めたのです。

そんな時にふと目に留まった、『鹿の舟』で行われていた岩田圭介さんの展示会へ足を運んだのが、私にとって、茶道具の魅力と出会ったきっかけでした。

このポットを両手でそっと抱えたとき、手の先に伝わる質感やゆるやかな曲線は、初めて触れたはずなのに、なぜか懐かしさを思い浮かべるような感覚を覚えました。その時に、「頭では忘れていたはずの記憶を手は覚えているのかもしれない」と、そう思えたのです。

岩田さんの器の魅力の一つは、使う度に深みが増す貫入のうつくしさにもあります。器の内側に刻まれた痕跡は自分の行為によって生まれるはずなのに、その瞬間を目の当たりにすることはできず、ふと気がつくとたしかな変化や味わいが生まれている。使う度に生まれる痕跡が、気がつくと愛着になる。

それが道具を使う喜びなのだと、このポットを通して知ることができたのです。

同じく奈良の土地にある『空櫁』で出会ったのが、河合和美さんの作品でした。

岡山の山中に暮らし、豊かな自然の中で作陶を続けられている河合さん。まるで山並みのような伸びやかな輪郭をもつ器たちは、ため息が出るほどうつくしい佇まいで、それらはまるで、目には見えない自然の循環や、抱えきれないほどの大きな時間の流れを思わせます。

作り手が日々眺めていたはずの山々を想像することは、お茶を味わうことの豊かさをより際立たせてくれるし、この湯呑み一つにしても、偶然生まれたはずのその形がなぜか自分にとって大切でならない、かけがえのない愛おしさがあります。

長年暮らしてきた故郷を離れ、現在の東京へ移り住んで3年が経ち、中国茶を趣味で始めるようになってからはより茶道具を集める楽しみも増えました。中国茶に使われる茶海(いわゆるピッチャーの役割で、抽出された茶の味を均一に保つことができる道具)を探し求め、横浜からほど近い『teon』にて、棚橋祐介さんの展示会へ伺いました。

棚橋さんの茶海は、洗練されたシャープなフォルムに自然と背筋が伸び、茶の時間を静謐なものにしてくれます。

何よりすばらしいのはその器に現れる影の美しさで、天気の良い日には窓際に机ごと移動して、窓から差す自然光に照らし、影の表情をじっくり眺めたりします。その時間は残らないとしても、自分が選ぶ道具との向き合い方がわかる気がするのです。

茶道具の魅力の一つは、使うことの手間にあると思います。

ただお茶を飲むにしても、お湯を沸かし、湯冷ましをかけ、茶葉から旨みが出るのを待つなど、少しばかりの手間と時間がかかります。だからこそ気持ちに余白がうまれ、普段なら見過ごしてしまいそうな日常のなかの小さな変化に触れることができるのかも知れません。

道具がもたらしてくれる、豊かな余白。そんなかけがえのない価値を、私はこれからも静かに受け止めたいと思っています。

ペインター
吉田紳平さん

1992年奈良県生まれ。京都芸術大学で油絵を学び2014年に卒業。卒業後にハンブルクのアーティスト・ラン・スペースFRISEにてアーティストインレジデンスに参加。帰国後は東京を活動拠点としている。ポートレートの絵画を中心にドローイング、文章、インスタレーションを制作し国内外で発表。主な展示に、2021|「That star at night is closer than you think / 夜のあの星は、あなたが思うよりも近くにある」keiokairai gallery(京都)などがある。Instagram:peyysd

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TOKYO TEA JOURNAL
可奈 松下
日本茶が身近になりました。

毎月、3種類の日本茶が届きます。産地や製法によって、味が違うのがおもしろかったり、和紅茶や烏龍茶などもあったりと、日本茶が身近になりました。
いれる時間から、香りや色を味わって、飲んで癒されてます。

TOKYO TEA JOURNAL
ジョンドゥホ
満足してます

ずっとコーヒーを飲んできて、お茶の理解を深めるためにサブスクリプションしました。3カ月ぐらいしてますが、色々と飲めて楽しいです。

TOKYO TEA JOURNAL
総子 日比生
試飲するのに便利で毎月楽しみです

普段から何の気なしに頂くお茶ではありますが、普段使いの域を出ないのもお茶だと思います。
お接待で頂くお茶の美味しさに感動するも、なかなか好みのお茶探し迄はたどりつけず…。
でも、このtokyo tea journal 毎月楽しく3種類お試しでき、気に入れば購入も出来るので、美味しいというレビューだけど…どうかなぁ?や、買ってみたけど口に合わない〜の心配もないのが素敵です。
更に届いたお茶とのマッチングや説明まで綺麗な写真や絵も添えられた冊子も届き、至れり尽くせりです。
こんなに大切に届けて頂け、自分好みのお茶に出会える、毎月の楽しみです。

TOKYO TEA JOURNAL
貴子 東
月1のお楽しみ

毎月季節に合わせたお茶が3種類届くので楽しみにしています。煎茶、ほうじ茶、和紅茶など、おいしさの発見があります。日常使いではついつい一杯分を少な目で飲みがちですが、適量(思っているよりかなり多め)の確認もできます。路面店にもぜひ伺いたいと思っています。海外の方々にも日本茶のおいしさをアピールしてほしいです。

毎月の楽しみにしてます

毎月ちょっとした小話とお茶と何をあわせるか、のコラムがついており、一緒に届くお茶をどう、なにとあわせて飲もうか…と楽しんでいます。日常の中のつかの間のゆったり自分時間を作るのにとても役に立ってくれています!これからも楽しくお茶生活できたらと思います!

TOKYO TEA JOURNAL
奈央子 中峯
いろんなお茶との出会いが楽しいです

冊子にお菓子とのペアリングも記載があり、毎回楽しみです

TOKYO TEA JOURNAL
太一 横手
和紅茶のサヤマカオリ

和紅茶のサヤマカオリを頂きました。はっきり、キリリとした中にも深い味わいがあり、烏龍茶のような香りが上品で大変に美味しかったです。

とても素敵な茶壷です

触れてホッとできる感じも大き過ぎず小さ過ぎないサイズ感もイメージ通りの茶壷でした.茶杯とセットで楽しんでいます.

抹茶 おくみどり
加代子 湯本
美味しいお抹茶

久しぶりにお抹茶が飲みたくなり購入しました。お抹茶をたててラテにしたり、アイスクリームにかけてみたり色々楽しんでいます。
とても美味しく頂いています。

お茶を淹れるのが楽しみになりました

美味しいお茶を自分の時間に、ホッと頂いています。お茶が美味しいだけでなく、見た目が美しく、癒し。です!!
お茶の解説を見ながらどれにしようと、選ぶのも楽しいです。
洗いやすいのもとっても嬉しい!
自分へのご褒美になりました(^^)
ありがとうございました。
大切に使います。

Perfect

As usual everything is nice. Teas are great and the service is a+

デザインが素晴らしい

他の茶器とも合わせやすいシンプルさながら、印象に残るデザイン。
容量を考えるとかなり軽く、注ぎやすい。

程よい甘みと苦味

先ず茶葉から、フレッシュな緑茶の香りが漂っていて癒されてます。
1杯目だけでなく、2杯目も甘みをより感じられる気がしました。とても美味しいです。

透明急須 安心して使えます

二級品ということで試しに二つ購入しました。どちらも難点はここかな?という程度で全く気にならないレベル、商品規格に厳しん基準を設けている姿勢に信頼が増しました。
少し青みはありますが陳腐なプラスチック感が無いのも良く、茶回り品を集めていると場所を取らずスタッキング出来るのはとても助かります。
こちらで紹介される他の器にも注目していますが、作家の方の器を増やして行っても不思議と調和してくれる急須です。
今後も色々な器のご提案を楽しみにしています。

色々は種類のお茶請けに都松庵の黒豆グラッセ

外は白っぽく少しシャリッと糖化していて噛みごたえがあります。
少し小粒なものの中はもちっとした食感も少し楽しめます。
ラム酒の風味が程よく効いているので、日本茶に限らず紅茶や中国茶にも合うと思いました。コーヒーにも良いと思います。
黒豆絞りは好きなお茶請けでしたが、こちらはこれまでに無い風味で気に入りました。
もう少し大粒だとなお良かったです。

透明急須 二級品
智子 堀井
透明急須二級品_用の美とはまさにこのこと

齢50を過ぎ、物欲がだんだんとなくなってきた分、余計に使い勝手や手触り、見ての美しさなどが気になるようになってきました。
そこでずっと気になっていた透明急須の二級品、今回清水の舞台から飛び降りて購入してみました(大げさ
二級品と言いながら全然どこに不良があったのかと思うくらいきれいな品でした。
また、形もシンプルで使いやすく、洗いやすく、そしてテーブルに置いておいても様になる、まさに用の美の極致ともいえる形で、使っていてとても幸せな気分になります。買って良かったです。

ちょうど良い

中国茶用の小ぶりのものを探していたところちょうど良いものが見つかり注文しました。
香りも立ちやすく、これからもたくさん活躍して貰える茶器です。

美味しいお抹茶

程よいバランスの苦味と甘味があり、とても美味しかったです。

プレゼント用に

自宅で愛用しており、今回お茶好きな友人のプレゼント用に購入しました。
見た目もスタイリッシュでかわいい・使いやすい・洗いやすいところが気に入っているのですが、友達も全く同じ感想で毎日使ってくれているようで嬉しくなりました。
本格的な急須やティーポットでゆっくりティータイムも好きなのですが、自分一人の時はもうこれが楽で一番です。日本茶も中国茶も紅茶もすべてこれで飲んでいます。

2025新茶ブレンド これからが楽しみです

爽やかな香りがしつつ、ほどよい渋みとしっかりとした苦味が広がり、深みのある味わいでとても美味しかったです。

TOKYO TEA JOURNAL
智美 西田

読み物もお茶も月に一度のとてもよい楽しみになります。緑茶以外もまぜてもらえるのもいいですね。梱包もコンパクトでポストインもありがたいです。

TOKYO TEA JOURNAL
俊晴 小原
意表をつく冊子

お茶とセットで届く冊子は、お茶に合う食事やお菓子を解説……してくれるのですが、その内容が「え、そこ?」となるラインナップです。
今回はしらす丼やカモミールなど、確かに旬を感じる一品が並びますが、定番をズラしたセレクションになっているところが面白いです。全国あちこちの季節を感じさせてくれるので、飛行機の機内誌のような雰囲気も感じます。

個人的な要望としては、煎茶堂東京さんは日本茶の専門店ゆえに難しいところもあるかと思いますが、最近、ブームになりつつある和紅茶のセレクションがどうなるのかに興味があります。どうかご一考を!

気に入っています

お茶が大好きで、こちらのお店とご縁がありとっても嬉しいです。冊子は読む度にほっこりします。お茶とお菓子、器の使い方も学べて、実践はなかなか難しいですが、自分流にアレンジしながら自分時間を楽しんでいます。

TOKYO TEA JOURNAL
明子 長縄
BENIFUKI 烏龍茶

たいへん香りがよく深い味わい。
柏餅の餡にも合い、何煎でも飲みたくなるお茶でした。

毎月楽しみです

色々な日本のお茶を楽しむ事ができ、毎月楽しみです。
付録の読み物も読んでいてとても癒されます。