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〈 今月の表紙 〉紫式部も食した、 椿餅。 - VOL.58(2024年2月発行号)
2024年02月28日
by 神まどか
煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。最近の趣味は中国茶と茶道具収集です。
お茶の定期便『TOKYO TEA JOURNAL』の巻末『今月の表紙』をご紹介。毎月、イラストレーター・土居香桜里さんの素敵なイラストにちなんだ小話を掲載しています。
紫式部も食した、 椿餅。
椿の葉で道明寺を包んだ「椿餅」。冬から春に見かける、茶席でもお馴染みの京菓子です。平安時代に蹴鞠の間に食べる菓子として、日本で初めて(!) 生まれた生菓子なのだそう。
今は道明寺の中に餡が入っていますが、当時は甘葛(あまずら)が甘味として入っており、違う味わいだったとされています。紫式部の「源氏物語」の中でも、若者たちが蹴鞠をした後に椿餅を食する場面が出てきます。もちろん、紫式部自身も好んで食べていたのかもしれませんね。
時代を超えて、今の令和の世にもある大変珍しい菓子でありながら、手に入れやすい椿餅。ぜひ、召し上がってみてはいかがでしょうか。
文=神まどか
イラスト=土居香桜里
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