お茶の定期便『TOKYO TEA JOURNAL』の巻末『今月の表紙』をご紹介。毎月、イラストレーター・土居香桜里さんの素敵なイラストにちなんだ小話を掲載しています。秋の実りは、人生と似ている今回は、実りの季節を映す「栗」と「柿」をかたどった饅頭と練り切りを描いていただきました。栗は、堅い殻に守られながら秋に実を結び、ほくほくとした甘さを与えてくれます。その姿は、忍耐の先に訪れる実りの象徴のようです。柿は、枝にたわわに実り、やわらかな光を帯びて色づいていきます。熟した実は人や動物に分け与えられ、豊かさや円熟を思わせます。実を結ぶまでの時間と手間を想うと、私たちの日々や人生もまた同じなのかもしれません。小さな積み重ねが、やがて形を変えて甘やかな実となる。お茶とともにいただきながら、その実りを静かに受けとめたいものです。文=神まどかイラスト=土居香桜里