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麻生要一郎「10月は、栗の思い出。」- TOKYO TEA JOURNAL 巻頭エッセイ

2023年10月13日

by 煎茶堂東京編集部

TOKYO TEA JORUNALの巻頭を飾る、料理家・麻生要一郎さんのエッセイ。季節を感じながら、毎日のちょっとした幸せを見つけられるような麻生さんのエッセイをお楽しみください。月に一度更新予定。

10月は、栗の思い出。

 子供の頃から、栗が大好きだった。洋菓子ならモンブラン、和菓子ならば栗饅頭、生栗を茹でてから半分に切ってスプーンで食べるのも好きだった。お節料理の栗きんとんは、大人になったら独り占めして、山盛り食べたいと心に決めていた。ほとんど僕が、食べていたというのに。しかし、いざ大人になったら、そんなにたくさん食べるものではないと気付く。それほど、好物なのである。

 栗ごはんは定番だけど、大人になれば、渋皮煮、栗ジャムなんていうのも加えて美味である。鬼皮ごと揚げるのも、美味しいらしい。百貨店の地下にあるフルーツパーラー特製のマロンプリンも、食べたくなる。

 秋になると、地元・茨城に住んでいる仲良しのけいちゃんが、自宅の栗畑で拾って、鬼皮がピカピカした栗、それから使いやすいようにと、几帳面に皮を剥いてアク抜きしてくれた栗をたくさん送ってくれる。「けいちゃんから、栗が届いたよ! 」と言うと、チョビも一緒に箱を覗き込んでは、嬉しそうに尻尾を左右にふっている。実際に食べはしないけれど、茹でた栗の匂いを嗅いで、秋を堪能している。

 今年もそろそろ、栗が届く頃。届いたらまずは栗ごはんを作ろうかなあ。皆さんの、栗の思い出のお便りを是非お寄せ下さい。

麻生要一郎

あそう・よういちろう|1977年1月18日生まれ。茨城県水戸市出身。料理家・随筆家。 家庭的な味わいのお弁当が評判となり口コミで広がる。雑誌への料理・レシピ提供、食や暮らしについての随筆を行う。初の単行本『僕の献立 本日もお疲れ様でした』(光文社刊)を刊行。2022年1月には第2弾『僕のいたわり飯』(光文社刊)も。

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Illustration:fancomi

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