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泥臭く、科学的に。お茶の木は木だから、木の状態で作るんじゃ 「012 あさつゆ」西製茶工場 西利実さんインタビュー

2020年07月19日

by 煎茶堂東京編集部

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鹿児島県霧島市に、25年も前からオーガニックの茶葉を生産する茶園があります。

西製茶工場の西さんは、3代目の農家。お祖父様の時代から自分たちの手で商売を広げ、ひたすらに理論と実践を繰り返し独自の茶づくりを確立しています。そこにたどり着くまでのストーリーと、代々引き継がれてきた想いを知ると、「012 あさつゆ」の旨さの秘密を知ることができるのではないでしょうか。

話し手:西製茶工場 西利実さん 聞き手:谷本幹人


―――西製茶工場について、教えていただいていいですか。
場所は鹿児島県の北部にあります、霧島市というところ。宮崎県と鹿児島県をまたがる霧島連山っていう山がある、高千穂の峰だとか、まえに爆発した新燃岳(しんもえだけ)とか。ああいうところがあるところの裾野にある場所で、お茶を作っております。

スマート農業じゃないというか何というか。泥臭く。「あの山を制覇しろ!」みたいなそんな感じですね。

ただ、うちの親父が非常に頭のいい親父でですね、もう亡くなってしまったんですけれども。お茶の作り方っていうのを科学的なものにだいぶ置き換えた感じで、理屈を作りながらお茶を作っていくというような流れを、ずっと昔から実践していました。それを自分たちが引き継がせてもらって、毎年どうやったらいいお茶が作れるのか、できないことをどうやったらできるか、っていうことをずっと続けてるっていう感じです。

インタビュー当日、西さんのおばあちゃんの手作りのランチでおもてなしして頂く。

―――開拓精神というか、そういうことの積み重ねですね。
そうですね。畑のシステム作りっていうのも、一朝一夕でできたものではなくて、毎年コツコツ、もらったお金をまたお茶の仕事に費やしていくので、暮らしが全く良くなっていかないっていう。昔からずっとそんな感じだったんですよ。

―――いま茶業界で突出した存在感があるのは、それがあったからこそ...。
今みなさんにちょっと認めてもらえるようなものになってきたんじゃないですかね。僕で3代目になります。一族お茶を作ってたんですけど、自分の爺ちゃんがですね、戦争から帰ってきて、一族と別れてここを始めることになったんですよ。まあかくかくしかじかってのがあるんですけど。

―――最初はお茶農家から始めたんですか?
いや、畑は一つも持ってなくて、小さな六貫機一つ持ってきて、いろんな人から生葉を買って、作ったお茶を市場に出す、製造から始まったんですよ。

で、うちの爺ちゃんが一番苦労したというか。当時、一族から分家したわけですよ。本家もお茶を作っていて、その一族と競争することになるわけ。自分では畑も持ってないので、生葉の取り合いをするんですよ。そうなると本家が勝つんですよね。分家を困らすために山を売ったりとかしながら生葉を高く買っていく。



―――山を売って...生葉の取り合いですか。
こっちは同じようにしてたんじゃ生葉を買えないと。鹿児島の市場に出すと同じような値段になってしまうから、どこか他の消費地に持っていかないとならない。それで、爺ちゃんはステテコ一丁でお茶を売りに出るんです。その当時に鹿児島の市場に出さずに、県外にお茶を売りに出るんですよ、汽車で。

でまあ、ある人に「じゃあ私がお金を先に渡すから、これで生葉を買って、お茶を作って私に売ってください」という問屋が現れて、それでずっとお茶を続けることができた。爺ちゃんは商売人だったんですよ。何とか売らなきゃ、何とか買わなきゃみたいな。その名残として、西製茶は市場に出さない。ずっと、県内・県外のお茶屋さんとかと直接商売する。これに繋がってるんですよ。ごく最近の流れじゃなく、もう60〜70年前の話から、今のこの流れが続いてるっていう。

で、うちの親父になって、茶畑を持たないといずれジリ貧になっていくと考えた。自分の好きなお茶を作りたいっていうのもあって、僕が10歳の頃から茶畑を増やし出すんですよ。それまでは六反歩(60アール程)しか持ってなかったんです。

系列の農家さんが100軒ぐらいあって、その人たちがちまちま摘んだやつ持ってくる。そのときに製造が上手になって、とにかく品質の高いのを、おいしいお茶をみなさんに提供するというような感じになってくるわけですよ。ずーっと、研究研究というか。お茶を高値で売っちゃ畑に投資みたいな感じで。全然儲けが残らない。それから親父が「五万本運動」っていうのを始めるんですよ。自分で立ち上げるんですけど。

―――マニフェストみたいですね。目標を掲げたと。
毎年一町歩(100アール=1ヘクタールほど)ずつ増やしていくっていう。山を一町歩切り開いて、一町歩植えるってなると、こんな急傾斜を平らにしていくので、すごく大掛かりな作業になるんですよ。造成費用っていうのが半端なくかかって来る。とにかく自分たちで、ブルドーザーもユンボも乗ってやっていく。お茶が終わったら僕らもう土木作業員です。基礎を打ったり、測量をしたり。機械を据え付けしたり、電気配線をしたり、レンガ組んだりもする。作業的なものでできないことって…パソコン仕事くらいか。

そこに写真がありますけど、もともと畑は一枚もなかった。これ平成12年なので、もう18年も前か。全部自分たちで造成して拓いた。このときからもっと広がってますよ。

―――これは想像がつかない。大変な作業ですね…。
よくうちの親父は、農業指導員と喧嘩をしていたんですよ。こんなんでいいものができるわけがないと。お茶の木の仕立てかたっていうのはすごく大事で、ハサミをどこで入れるのかで、お茶の良し悪しがほぼ決まるっていうぐらいのレベルを持ってるんですけれども。

―――ハサミの入れ方ひとつでそんなに出来が変わるものなんですか!?
一年目でどうやっていれる、二年目でどうやっていれる、三年目でどうやっていれる。お茶ができ始めたらどうやっていれる。根っこをたくさん出すためにどうする、っていうのを、科学的に話をしていって、理論が出来上がった。だからいま、スタンダードになってる。

けれども、昔は静岡のやり方が当たり前だったわけで、その静岡のやり方っていうのを根本からひっくり返して「お茶の木は木だから、木の状態で作るんじゃ」と。木の状態で作れば、力強い木になるはずやと。

―――木の状態…というのは、どういうことでしょうか?
昔のやり方っていうのは、ハサミをいっぱい入れてたんですよ。そこから芽がでる。ハサミを入れると二つに分かれるんですよ。入れれば入れるだけ分かれていくじゃないですか。それを、一番最初の方からずっとぱちぱちぱちって切ってくると、脇芽がどんどん増えていくので、最終的な木ってこういう状態になるんですよ。細い脇芽が横いっぱいに広がった形。

それを、親父はこうやって作れっていう。こうじゃなくて。こうやって作れと。

―――…え?こう?どうやったらこうなるんですか?
切らないんですよ。とにかく首(幹)を太く、根っこからたくさんの養分を取れるようにする。この作り方を40年前からやりだして。そうすると、お前のやり方は間違っとると言われるんですよ。でもいま、それがスタンダードになってきてます。そういうのをずっとやってきた人で、だからまあ、力強い味のあるお茶ができると。

そして、今から25年くらい前にオーガニックを始めて、技術でどれだけ美味しいものを作れるのかというチャレンジを始めたんです。農薬を使いたくなかったからとかそういうことじゃなくて、美味しいのが作りたいと。そういうことから始めたので、コンセプト的にはその当時の流行とはちょっと違ったんですけど、だいぶ早かったと思います。コツコツと害虫に強い畑を作るにはどうしたらいいかと考えて、言ってたのは樹液濃度が上がれば、病気や虫に強い畑ができるはずだと。

樹液濃度っていうのは、水っぽくならないように樹液を養分の多い状態に保っていたら、木自体も強いはずだという話です。Phはこれくらいに保ちましょう、マグネシウム・カルシウムはどういう風に使いましょう、みたいなのまでですね。果てはイオンだとか、酵素だとか。そういう話も駆使して、美味しいオーガニックを作っていくんだと。

それまでは、肥料も農薬も使わないくらいの方が、木自体が弱って病気や虫もつきにくくなるっていうことがスタンダードだったのを、いや違うんじゃと。美味しいものを作るためには肥料もたくさんやらんといかんし、管理もしっかりしないといかんと。

有機栽培っていうのは、微生物栽培なので、どれだけ微生物を活性化させて肥料に置き換えていくのか。そのための環境づくりっていうのをどうするのか。畑の中の微生物が住みやすい水分率を作るために畑をどれだけ湿らせておけるか。

―――全部サイエンスに置き換えてやっていったんですね…。
俺ね、難しいこと言い出したらいくらでも言える(笑)。

お茶の話を「TOKYO TEA JOURNAL」 でもっと知る

このインタビューは、「観て飲む」お茶の定期便 "TOKYO TEA JOURNAL"に掲載されたものです。毎月お茶にまつわるお話と、2種類の茶葉をセットでお届け中。

お茶の定期便「TOKYO TEA JOURNAL」

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透明急須 二級品
カテキン
傷もまったくわからなかった。

傷もまったくわからなかった。
どこが二級品?となるくらいの綺麗なものが届いて大満足。傷があっても美味しいお茶を淹れられればいいとは思っていましたが、浮いたお金で和紅茶を一緒に買わせていただきました。

可愛いくて気に入りました。大きいサイズも欲しいです

可愛いくて気に入りました。大きいサイズも欲しいです

好きな作者さんです。

優しい形、色、大きさがとてもいい感じです。

1人用煎茶にピッタリ

1人用煎茶にピッタリ

活躍の幅が広い大きさ◯

とても温かみのある色合い、手触り、見た目の質感です◯お客様へのお茶とお菓子の受け皿として、朝のフルーツを盛る器として、1人用のサラダ皿として、色々なシーンで使わせていただきます❁ご紹介くださりありがとうございました。

粉引の質感良し

楕円皿はいくつか持っていて購入を迷いましたが 買ってよかったです。大きさ・フチの立ち上がりの感じもいい感じです。また 粉引の質感も土も魅力たっぷりです。

TOKYO TEA JOURNAL
恵里子 菅谷
ちっとしたお返しになり、旅行などにも持って行きます。

ちっとしたお返しになり、旅行などにも持って行きます。

毎月楽しめる!

毎月3種類お茶が入っているので、自分が買ったことない銘柄とかも楽しめて嬉しいです!

初めて手揉みの緑茶

初めて手揉みの緑茶をいただきました。
一煎目から煎を重ねるごとに変わってゆく風味と味わいの深さ、そして色合いの美しいこと!
また、飲み終えてからの茶葉を食べてみた時の美味しさに驚きました!!
早速、手揉み茶の魅力にハマってしまいました。他のお茶も味わうのが楽しみです。

和紅茶 香駿
カテキン
香駿が和紅茶ではまた違った味わいだった。

美味しかった。煎茶では良く飲む香駿が和紅茶ではまた違った味わいで、リピートしたいと思った。

カーブが有機的で、やや青い色と相まって、使ってときめく優しい器でした。

カーブが有機的で、やや青い色と相まって、使ってときめく器でした。

発送も早かった

思ったより小さく感じましたが、気にいりました。

多田佳豫 蓋碗
和明 藤田
造形の美しさと優しさが気に入っています。

造形の美しさに惹かれます。茶碗の膨らみや受け皿のへりにかけての曲面が、シャープでありながら優しいです。器の表面が滑らかな石膏のような素朴な手触りで、オフホワイトの色調と合って暖かみを感じます。
台湾茶を飲む時間が、日常生活の句読点となり、リフレッシュできました。

引き締まる逸品

重量感がある見た目に反して非常に軽く使いやすいです。いつものティータイムを引き締めてくれる深みがあります。これから使い込んでいって違った顔を見せてくれるのかと思うと楽しみです

とても美味しい!

思いがけず長く抽出してしまいましたが、渋みやエグ味等はなく、ただただ烏龍茶の華やかな香りが広がります。マスクしていても香ってくるくらいです。
味はコクがある中でも、癖がなく、さわやかなのでとても飲みやすいと思います。
烏龍茶の香りが好き!という方は是非飲んでみてもらいたいお茶です。

お正月に元旦用にと。ところが、着たら飲みたくなり試飲。 まろやかな味わい、もうひとつ購入悩み中、売れ

お正月に元旦用にと。ところが、着たら飲みたくなり試飲。
まろやかな味わい、もうひとつ購入悩み中、売れきれる前に

料理が映える

私は楕円のプレートが大好きです!
深さ有るものからとてもフラットな大小色々な種類を持ってますが、いざ購入して使ってみると、今ひとつしっくり来ない感覚でいました。。。
「児玉修治オーバルプレート」の画像を見た時に「これだ!」と思い、入荷待ちの末ようやく届きました♡
ベストサイズ・ふっくらした楕円・ニュアンスのあるホワイト・個性的マットな質感・リムの絶妙な大きさと立ち上がり寸法、ずっと求めてた全てを満たしてくれました。このプレートに盛ると、シンプルな料理がアートっぽく感じて毎日楽しんでいます!
ケーキやフルーツも素敵に見せてくれます。

旨み深い味

封を開けた瞬間の香りの良さ、1煎目の旨みと優しい口当たり、そして2煎目のより味わい深い旨みが緑茶を楽しむという事に対する満足感を与えてくれる一品となっております

こういうのほんと助かります。定期的に汚れたりしても安心。

こういうのほんと助かります。定期的に汚れたりしても安心。

素敵です

届いて手に取ってみると予想していたお品より更に素敵で大変満足しています。色も形も手触りも素材もとても好ましく ただそこにのっているだけで湯のみでもお菓子でも一輪挿しでも倍魅力的に見える気がします。大切に使わせていただきます。

お茶の個性を知る。

この冊子を読むと、煎茶の味わい深さや、個性が分かるので、煎茶堂東京銀座店でお茶を買った暁には、読み返したりしています。
デザインや文字のフォント。見やすくて好きです。
また、3種類のお茶を飲む時も、是非、冊子を開いて、読みながらやって頂くと、より楽しめます。

香りもお茶らしくて癒されました。

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スッキリした後味でとても美味しくいただきました。

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シンプルなデザインで私好みでした。

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抹茶椀
ユミ マツバラ
一目ぼれして〜

丸っこいかたちに一目惚れして「お抹茶を立てて飲みにくいかな?」と思っていましたが、その心配は全くなく最後のひと口まで美味しく吸い切れます。お抹茶茶碗はいくつか持っていますが、お気に入りの1つになりました。