
美しい佇まいに、使い勝手もバツグン。中村豊実「茶海・円柱・白」
2022年01月28日

by 神まどか
煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。最近の趣味は中国茶と茶道具収集です。
どこか切なげで、儚い。柔らかな雰囲気をまとっているように見えて、その内側から眩いくらいの光を感じる中村豊実さんのうつわ。
今回は、中村豊実さんが制作する「茶海・円柱・白」の魅力と、おすすめの使い方をご紹介。
販売開始:2022年2月2日(水)11時
中村豊実さんについて
中村豊実「茶海・円柱・白」
佇まいが凛としている「茶海・円柱・白」。こちらも「輪花茶杯」同様、ひとつずつのニュアンスを楽しみたい一品。ろくろで回された手作業の跡や、釉薬が垂れた跡がその表情をぐっと引き出しています。
口に向かって広がっているのは、手に持った際に熱さをダイレクトに感じずに済むから。そんな「使い手」の勝手も考慮されているのは、中村さんが以前レストランを営んでいた経験に基づいています。
元々、ダイニングバーを経てギャラリーを併設したイタリアンレストランを営んでいた中村さん。当時は、レストランで使用する器が割れてしまったりすることが多かったと話します。(現在レストランの営業行われておりません)
そこで、欠けにくい器を作れないかと考えてご自身で器作りを始めたのがきっかけなのだとか。
欠けにくい器を作るには、器の縁は丸みを帯びるように成形すること。今は、縁にエッジを効かせたシャープな印象の作品も制作しているそう。
「僕は、何事も理屈ではなく感覚で動くタイプの人間なので、その時にいいと思ったことを形にしていますね。」
器づくりは、理屈ではない。だからこそ、思いがけないものが生まれるのかもしれません。
おすすめな使いかた
フードスタイリスト・鈴木愛さんに、「茶海・円柱・白」のスタイリングについて教えてもらいました。
数名でお茶を飲むときや、一人でも少し多めに飲みたいとき。茶海があるととても便利なんです。
急須から茶海に注ぐことで、温度や濃さを一定にすることができます。同じく中村さんが制作した「輪花茶杯」とセットで使ってみて欲しいですね。この茶器を使いたくて、お茶を飲もうという気持ちになるんじゃないかなと思います。
私たち煎茶堂東京のおすすめは、透明急須で、一煎目と二煎目を混ぜ合わせる使いかた。一煎分だと量が少ないという方にも、この淹れ方はオススメですよ。
販売開始:2022年2月2日(水)11時
フードスタイリスト・鈴木愛
2007年よりフードコーディネート、テーブルスタイリング、レシピ開発など活動中。最近は、家族で小さな畑の野菜作りをはじめました。
公式サイト:https://www.odd.holiday
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