6,000円以上で送料無料! 11:30までの注文で当日出荷いたします。

佐藤径「枝折」第一話 - TOKYO TEA JOURNAL 巻頭小説

2026年01月29日

by 煎茶堂東京編集部

TOKYO TEA JORUNALの巻頭小説を飾る、お茶を傍らに、ふと深呼吸をしたくなるような短編の連載、始めます。
ブックデザイナー・しおりが過ごす、人生の小休止のようなひととき。全六話。

枝折 第一話

 土間に足を入れると、砂が小さく鳴いた。空港から母の車で戻ったばかりの体は、座り癖が腰に残っていた。母は玄関の籠に鍵を置き、流しで手を洗ってから、やかんを火にかけた。背中はいつもの場所にあり、蓋にそっと手を当てる仕草が見えた。
「しおりも、荷物を下ろしたら手ぃ洗って」
 母は振り向かず、声はまっすぐで、急かす調子はない。私は玄関先に上着と鞄を置き、そのまま流しの前へ向かった。水を出し、石鹸を泡立てて手のひらを擦る。家の空気に指先が馴染んでいく。脇に用意されていた手拭いは、端が少し冷たかった。
 居間に入ると、卓には白い湯呑。湯気は細く立ちのぼり、ふちの内側が曇っている。私は椅子を引かず、立ったまま近づいた。湯気の層に顔を寄せ、鼻で受け取る。知覧の香りがゆっくり立ち、木の匂いに重なって層を作った。口へは運ばない。今はまだ香りだけにしておく。変わり映えのしない室内を見渡し、熱さがやわらぐのを待った。
 台所では、金物の触れ合う音、束子でこする低い音が交互に続いていた。母の背中は流しの前にあり、まな板は脇に立て掛けてある。背が見えるだけで、家の中が普段の調子に戻った。私は卓の端に指を置き、木目のさらりとした面をなぞった。外から持ち込んだ歩幅が、部屋のリズムに合っていく。息がひと呼吸ぶん深くなった。
 戸口から庭のほうを見ると、軒の下に影が伸びている。黒い猫。
体を地面に延ばし、低い構え。こちらをちらと見ただけで目を閉じた。濡れた土が匂い、風はほとんどない。足音も、葉の擦れる音もなかった。
「さっき、黒いのがおったね」
「野良よ。いつの間にか居ついちょっ。餌はやらんでも、ここが気に入っちょっみたい」
 母は水を止め、布を流しの下に掛けた。卓を目で拾うと、戸棚の取っ手に手をかけた。私は椅子を引いて腰をおろした。
「父さんは」
「工房。窯の火を見ちょっ」
 母は体をこちらに傾け、声を寄せた。
「それより、本の仕事は休んでよかけ?」
「校了待ちだから、今週は手が空いてる」
 指を温めるように湯呑を両手で包み、ひと口含む。香ばしさが広がり、ふと肩の力が抜ける。もうひと口。余韻とともに、内側のこわばりがほどけていく。母は戸棚から小さな豆皿を出して置き、火を止めた。
 工房へ続く通い廊下の引き戸が開く音がした。ほどなくして、乾いた足音が縁側を渡った。
「ただいま」
「おう」
 父はひと言だけ置き、上着を脱いだ。煤の匂いが廊下でほどけ、台所の湯気に紛れる。
 私は卓上に置いた端末に視線を落とした。

関連記事

Based on 1202 reviews
75%
(898)
17%
(210)
5%
(55)
3%
(31)
1%
(8)
うれし、愉し、蓋碗。

器を見るときは
まずここに何を盛り付けるか考える。

楚々として
おおらかな
器や料理がいい。

高木剛さんの蓋碗から
イメージしたのは
季節の野菜と豆腐を
出汁で軽く煮て
トロリとした餡に仕立てた
やさしい味わいのもの。

冬は温かく
夏はひんやりと。

盆に乗せ
背筋を伸ばして
手を合わせて頂く
そんな情景。

空っぽでも
つい幾度も開けたり閉じたり 笑

持っていると嬉しい器。

TOKYO TEA JOURNAL
佳奈 齋藤
おいしいお茶が届く楽しみ

以前から気になっていて今回思いきって申し込みました!お茶の量が多すぎず少なすぎずちょうどいい
新しいお茶の発見ができました
次はどんなお茶が届くのか楽しみです

光藤佐さんの器

光藤さんの器が好きで少しづつ集めていました。
亡くなられたことが本当に悲しいです。
大事に使いたいと思います。

料理が映える

料理が映えるお皿です。縁が安心感あります。優しい色合い、肌触り、もう少し買い足したいです。現状、在庫無しで、残念

TOKYO TEA JOURNAL
大砂漠
毎月、セレクトされた良質なお茶を届けていただき、ありがたいです。

毎月、セレクトされた良質なお茶を届けていただき、ありがたいです。

まろやか

新茶は初めて注文しました。渋みが無く口当たりが良いです。これからの季節はアイスにしても美味しく頂けると思います。

TOKYO TEA JOURNAL
おはな
旬に出会える素敵なサブクス

以前から緑茶を飲むのが好きでしたが、詳しく知る機会が普段の生活になく、スーパーで買うのがお決まりといった感じでした。ですがこのサブスクを知って申し込んだ決め手が「一回分ずつ試せる」というところです。お気に入りに出会えて無駄がなく、そして旬を楽しめる。日常のひと息つく時のお供になっています。和紅茶やほうじ茶など緑茶以外も飲めて、日本って本当にいいなぁって思いました。

冷酒も冷茶もおいしく

薄くて軽くてしっとりとした触り心地。色合いも透けるような白が自然光にも映える。冷酒も冷茶もおいしくいただけます。

TEA JOURNAL

表紙と裏表紙がさりげなくカレンダーになっているのがかわいい
お茶以外にお菓子や食べ物のこともかいてあるのがうれしいし、参考になります
そろそろ届くかな?と思って季節を感じられるのでこれからも楽しみにしています

良い

毎月届くのを楽しみに待っています。
何煎も楽しめて 味の変化も楽しんでいます。
冊子も毎号素晴らしいです。

TOKYO TEA JOURNAL
和哉 近藤
毎回いろいろな茶葉が届くので、楽しみです。 産地も様々で知らないことを知る感じがあるので、勉強にもな

毎回いろいろな茶葉が届くので、楽しみです。
産地も様々で知らないことを知る感じがあるので、勉強にもなります。
非常におすすめてす。

角がなくまろやかな味わい。渋みがなくスッキリしています。美味しいお茶ですよ。

角がなくまろやかな味わい。渋みがなくスッキリしています。美味しいお茶ですよ。

アウトドアなので持ち運びも強いし扱いやすいし、形の収まりも良く大変気に入っています

アウトドアなので持ち運びも強いし扱いやすいし、形の収まりも良く大変気に入っています

小ぶりですが飲み口の形状が全て違ってどこで飲むかで口当たり、感じ方が違うので楽しいです。同系色ですが

小ぶりですが飲み口の形状が全て違ってどこで飲むかで口当たり、感じ方が違うので楽しいです。同系色ですが思った以上に茶の色もわかるので全体的に気に入ってます。

毎月の私の楽しみのひとつです。

YouTubeでこちらのサブスクを紹介している方がいらっしゃって、それがきっかけで始めました。毎日色々なお茶を飲むので個包装の飲みきりの量ですごく便利。飽きずに続けることができます。茶器や器も色々あって今度はどれを買おうか悩んでしまいます。これからも魅力的な商品の紹介をお願いします。楽しみにしています。

TTJジャーナルの継続出来るよう頑張ってください

TTJジャーナルをいつも楽しみにしてます。運営大変かと思いますが、継続しても良いなと思う企画の一つなので頑張って続けていただきたいです。残念ながらまだ現役で余裕の中、ゆっくりとしたお茶タイムは出来ませんが、引退後ゆっくりとジャーナルを読みながらお茶を飲む日が来るのが楽しみです。

月一回のご褒美

緑茶が好きです静岡のじゃぶじゃぶ飲む茎茶を地元のおばちゃんにいただいた時の衝撃が忘れられません😆高級玉露は静かな夜中に飲みたいと感じます眠れなくなりそうですが😅今は番茶にハマっています時々美味しいお茶が飲みたくなる時月一届く一杯分のお茶は最高の贅沢です😊封を切った時の香りがとても楽しみです😅茶摘み休暇があったお茶が身近にあった静岡は今泊まり込みで茶摘みのバイトはあるのかな?私の近くにも古内という藤井川沿の地に茶が栽培されている所があり子供の頃に飲んでいたので最近美味しく懐かしく感じるようになりました☺️娘、妹も月一の封を切る瞬間を楽しんでいます☺️届いた?とラインしながら😁今月はアスパラも立派な物がリーズナブルに出てくるようになったのでつくりやすかな?

使いやすい

汁気があるものにも使えるし、小鉢として大活躍です。色違いで揃えたいです。

素敵です

小鉢やデザート用として使ってます。全てろくろを使って手作りされてるので、微妙に形や大きさが違うところもいいです。

アイスクリームに!

バニラアイスクリーム(バニラの香りの強くないミルク主体のもの)少しふりかけていただきました。本当に美味しいです。友達にお願いされたので、お裾分けしました。これから暑い季節のスイーツにいろいろ試してみたいです。素晴らしい味と香りです

レモングラスの爽やかな香りが癒やされる煎茶

レモングラスの爽やかな香りとさやまかおりのまろやかさが最高でした!

レモングラスの香りに負けないくらい煎茶の旨味も感じられる1品でさすが煎茶堂東京さんの煎茶だなと感じました!

推奨されてないかもですが水出しでも飲みましたが爽やかでとても美味しかったです!
これからの季節にピッタリだと感じました

おしゃれな急須

朝の食事後の一息にちょうど良く、2個目の購入です。

お気に入り

前回購入した透明急須がへたってきたので購入しました。急須は大変気に入っています。

ていねいであたたかい手仕事

赤ちゃんの着ぐるみを連想させるような、ほっこりした厚みがあり、丁寧に愛情をもって作られているのが伝わってきました。大切に使わせていただきたいというきもちと、この作家さんの作品を集めたいなというきもちになりました。ありがとうございました。

日本茶をより好きになりました

おくみどりとshizu7132の対称的な2つを飲み比べました。
苦味のあるお茶がよく飲むものでしたが、旨味と甘みの強いお茶の魅力に気付かされました。
カジュアルにお話いただけて、とても素敵な時間を体験できました。
今回を機にお茶がもっと好きになり、お家でももう少しこだわって飲んでみようと思いました。