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「春、動き出す季節」- TOKYO TEA JOURNAL 巻頭コラム

2025年03月21日

by まどか 神

煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。最近の趣味は中国茶と茶道具収集です。

TOKYO TEA JOURNALの巻頭コラムをご紹介。お茶のこと、うつわのこと、お茶菓子のこと。
私たちが企画した商品やよいと思った品に、向き合って、改めて見つめてみて思ったことや考えたことをお伝えします。

春、動き出す季節

毎年恒例の『さくらの煎茶』を、今年も私たちから皆さまへ。

季節定番のお茶はいくつかあるけれど、特にさくらの煎茶は “季節のお便り” のようだ。厳しい冬を越し、今年もまたお届けできることが嬉しい。

そんな『さくらの煎茶』は、白地にさくら色の箔押しがされたパッケージと、イラストレーター・坂内拓さん書き下ろしイラストのパッケージの二種類がある。普段は缶に巻かれているので、坂内さんのイラストは全容がわかりにくいかもしれないと思い、今回の一枚に選んでみた。

ピンク色に染まった谷の中、元気いっぱいな黄色の線路の上を走る列車──。

私はこの絵を見ると、どこかに行きたくなる。そうだ、春って色んなものが動き出す季節だ、と心の雪が融けてゆく。

この季節、親元から独立する人もいれば、暖かな気温の中で旅を楽しむ人も多いだろう。雪国の人は、やっと天気を気にせず車を走らすことができる喜びを感じたりする。静の冬が終わり、動の春が来る。

数年前は、暖かい季節になっても、春らしい健やかな気持ちを感じづらい日々が続いていた。ようやく街にも人の賑わいが戻ってきたこの頃。季節が変わり、外に出て陽の光の暖かさを感じる。そんな当たり前のことは、実はとても幸せなことなんだと気付かされる。

桜には、春の訪れを感じ取る人それぞれの物語が詰まっている。誰かは新生活への期待を、誰かは旅への憧れを、また誰かは日常の小さな解放感を。この一杯に込められた春の香りが、皆さまの「動き出したい」気持ちに寄り添えることを願っている。

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