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「歴史を紡ぐアールグレイ」- TOKYO TEA JOURNAL 巻頭コラム

2024年10月22日

by まどか 神

煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。最近の趣味は中国茶と茶道具収集です。

TOKYO TEA JOURNALの巻頭コラムをご紹介。お茶のこと、うつわのこと、お茶菓子のこと。
私たちが企画した商品やよいと思った品に、向き合って、改めて見つめてみて思ったことや考えたことをお伝えします。

歴史を紡ぐアールグレイ

紅茶界のアイドルのような存在で、今も絶対的な人気を誇るアールグレイティー。紅茶好きの方はご存知かもしれないが、アールグレイはイギリスの首相チャールズ・グレイから名付けられたと言われている(アールは伯爵を意味する)。諸説あるが、グレイ氏が中国の高官の窮地を救った礼品として送られたお茶を気に入り、イギリスで再現できないかと商品化したものが、ベルガモットで香り付けされたアールグレイティーなのだそうだ。

東洋のものが西洋で取り入れられ、ふたたび東洋で人気を博すようになった逆輸入のお茶。ただ香り付けした紅茶というだけではない背景が、そこにはある。

紅茶好きの人は自分の好きな品種があるが、多くの人は好きな紅茶を聞かれたら、まずアールグレイを挙げるのではないだろうか。ストレートでも加糖でも美味しい。ベルガモットは、柑橘類の中でも豊かな香りを持つ特別な果実だと思う。

煎茶堂東京としてフレーバーティーを考えた時、アールグレイは外せなかった。作るなら、アールグレイに道を譲るお茶ではなく、手を取り合うような関係のお茶を作りたいと思った。ただしフィーリングの合う茶葉を探すのは容易ではなく、毎年ギリギリのところでブレンドを決めている。シングルオリジンだからこそ、昨年はマッチしたのに翌年は雰囲気が変わることも多い。

今年は長崎県・東彼杵のさきみどりとのブレンドに決まった。中国茶から着想を得てイギリスで生まれたアールグレイが、日本で煎茶ベースで作られている。長い歴史を紡ぐアールグレイティーの新しい側面を楽しんでいただけたら、この上なく嬉しい。

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