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「夏を告げる白桃茶」- TOKYO TEA JOURNAL 巻頭コラム

2024年08月23日

by 神まどか

煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。最近の趣味は中国茶と茶道具収集です。

TOKYO TEA JOURNALの巻頭コラムをご紹介。お茶のこと、うつわのこと、お茶菓子のこと。
私たちが企画した商品やよいと思った品に、向き合って、改めて見つめてみて思ったことや考えたことをお伝えします。

夏を告げる白桃茶

 昨年からこの季節に登場したのは「白桃煎茶」と「白桃烏龍茶」。白桃が市場に並ぶのは、夏が来たという嬉しい知らせの一つでもある。ジューシーな果肉、とろけるような果汁、さすがバラ科といった香りなど、好きな理由を挙げるとキリがない。

 そしてそんな白桃との組み合わせを、煎茶でもやってみたいと思った。煎茶の複雑な味の移り変わりに白桃の甘い香りが加わることで、お茶の味わいが一層豊かになる。このふたつの相性は、近年の異様なまでに湿度の高い季節に、よく似合う。

 ブレンドのベースとなっている「はるみどり」という品種は、そのフレッシュな甘みと香りが白桃と見事にマッチする。この品種は単体でも非常に美味しく、はるみどりの華やかさが白桃の香りを引き立てる。

 お茶のジャンルとしては、すっきりとした甘みと香りが特徴であり、他の品種にはない魅力があって、是非、はるみどり単体でも飲んでみてもらいたいと思う(図らずも、今回はるみどりの茶葉がついている)。新しいブレンドを白桃で、となり、香駿や藤枝かおりといった香りの華やかな品種ももちろん検討された。けれど、脳内ブレンドで絶対に美味しいと分かった組み合わせ「ではないもの」を作りたかった。

 烏龍茶もまた、全く異なる方向性で白桃との相性を楽しむことができる。烏龍茶のすっきりとした味わいは、夏にアイスティーとして最高だ。一方、煎茶はホットでじっくりと味わうことができる。お茶を楽しむシチュエーションに応じて、その魅力を最大限に引き出してみてほしい。

 いつも考えていることだけれど、「選択できる喜び」をどんどん作っていきたいと思っている。そしてそれが、お茶の文化をもっともっと、豊かにできると信じて。

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